346 / 564
第345話 彫刻作品披露
しおりを挟む
私はオービンの言った事に開いた口が塞がらなかった。
審判者が、今見に来ている見物人!? どういう事!?
オービンの発言に周囲も動揺を隠せずにざわついていると、トウマがすぐに問いかけた。
「それって、まだ審判者が決まってないって事ですよね? というか、何で見物人から審判者を選ぶんですかオービン先輩!」
「始めから見物人から審判者を選ぶつもりじゃなかったんだよ、トウマ君」
「え? それじゃ、元々は誰かが審判者をやる予定だったという事ですか?」
「うん。元は、俺にミカ、そしてヒビキを呼び出してやる予定だったんだが、ヒビキが捕まらなくてね。だから、思い付きで見物人からランダムで五人選ぶ事にしたんだ。俺たちがやるよりも、こっちの方がいい気がするだろ?」
「(公平性という面で見たら、兄貴のいう事は分かるが……にしても思い付きで動き過ぎだろ)」
ルークは小さくため息をついた。
「それじゃ早速、独断と偏見で俺の方で審判者を選んで行きますよ。と言っても、もう決めていますけどね」
オービンは見物人の方へと近付くと、五名の名前を続けて呼んだ。
「今回の審判者は、ダイモン寮副寮長ワイズ、エメル寮寮長エメル、イルダ寮第2学年ゲイネス、女子クラスコランダム第2学年モラン、同じくコランダム第3学年エリス。以上の五名は中央舞台にお集まりください」
名前を呼ばれた者は驚きの顔をしている人もいれば、ため息をつく者、意気揚々と来る者もいた。
そして呼ばれた者たちが中央舞台へと集まる。
「オービン、お前さっきはあんな事言っていたが、どうせ初めからこうするつもりだったんじゃないのか?」
「それに関しては、我輩もエメルに同意だ」
「そんな事はないぞ。なぁ、ミカ」
「……そうだな」
ミカロスは少しオービンから視線を外しながら答えた。
その反応でエメルとワイズは何かを察して、反論するのをやめ審判者役を受け入れた。
その一方でゲイネスは何故自分が呼ばれたのか理解出来ずに、固まったまま立ち尽くしていた。
また、ゲイネスと同じくモランも少し俯いた状態で舞台の上に立っていた。
「(ななな、何で私!? 名前呼ばれて驚いたし、しかも次期寮長を決める勝負の審判とか私には無理なんですけど……重すぎる)」
と、内心どうしていいのか分からずにいると、エリスが優しく声を掛けて来た。
「モラン、そんなに緊張しなくても大丈夫よ。ただ自分が思った方に、投票すればいいだけなのだから」
「エリス先輩、そうは言ってもですね、次期寮長がこれで決まるかもしれない競技なんですよ? 責任重大過ぎですよ、私には……」
「そうかもしれないけど、こんな事で誰かに責められたりはしないはずよ。もしされたら、それはオービンのせいね」
「えぇ」
「だってそうでしょ? オービンが勝手に私たちを選んだんだから。モラン、誰かに今回の事で責められたらオービンに言え! って言っちゃっていいんだからね」
「いや、さすがにそれを言える自信は」
「じゃ私に言いなさい。私がオービン引っ張って言って謝罪させてあげるから」
「そ、そそ、そんな事しなくても大丈夫ですよ」
慌てるモランを見てエリスは小さく笑っていると、オービンが話を進め出した。
「それではこれより、両者の彫刻作品を披露させて頂きます。審判者の方々は、その作品を見て最後にどちらか気に入った方に票を入れて下さい。その結果票数が多かった方の勝利としますので」
「票って事は、何かに記載するのかオービン?」
「俺が集計する際に皆様には近くに集まって頂き、票を入れてもらう形式にします。発表時には票数と簡単な理由だけの発表するので、名前は公表しないつもりです」
「なるほど。匿名投票というやつだな」
それを聞き、ゲイネスとモランは安堵の表情を浮かべた。
「では、これより『三番勝負』『彫刻対決』の審査を開始します」
そのままオービンがヴァンとノルマの作品を見えない様にしていた魔法を解除し、両者の作品がお披露目になった。
直後、大きな歓声が上がる。
皆の視線が一番向いていたのは、ヴァンの彫刻作品であった。
ヴァンが創り出した彫刻は、ドラゴンであった。
体全体の鱗が一枚一枚繊細で精密に彫刻されており、羽を広げた姿勢に今にも動き出し咆哮をあげそうな躍動感に皆の目を釘付けにしていた。
私もヴァンの作品の精密さに目を奪われていた。
凄い、あんなにも綺麗に幻想上の生き物を表現出来ているのは初めて見たかもしれない。
よく見ると羽の薄さや小さな凹凸で血管ぽさを表現しているのな? ドラゴンに血管があるかとか細かい所は分からないけど、物凄くこだわりを感じる。
私はじろじろとヴァンの作品を見ていると、ヴァンと目が合う。
その瞬間、何故か物凄くどや顔をされた。
……もしかして、まだ魔力腕比べの時のこと根に持っているのかな? 意外とヴァンは、いつもそれで毒舌を私に吐いて来るしな。
そんな事を思いつつ私は、そっとヴァンから目線を逸らし作品へと視線を戻した。
その後ヴァンの作品を見た後、ノルマの作品へと目線を移した。
ノルマが創り出した作品は、馬であった。
ヴァンと比較すると物凄く精密ではなく、目立っている訳でもなかったが、荒削りながらにも懸命に表現しようと彫刻した熱意を感じられる作品であった。
しっかりと馬の特徴は捉えているし、何より毛並みを上手く表現しているのが凄いと私は感じていた。
顔の細部までは彫刻されていないが、私は全然そんな事は気にはならなかった。
完全模写が彫刻だとは思っていないし、一作品なのだしその人がどの様に作品として表現するかが見所なのではと独自に思っている。
芸術に詳しい訳じゃないが、独自の観点を持っていれば楽しめるものなのではと考えているからである。
その後、暫く作品を見る時間をとった後オービンが投票時間として、審判者たちを集めだした。
私も元居た場所へと戻り、ガウェンに声を掛けた。
「ガウェンはどっちの彫刻が好きだった?」
「俺はヴァンだな。魔道具作成している身からして、精密さや正確さの所に目が行くからな。ノルマの作品も素晴らしが、総合的にはヴァンだな」
「なるほど」
「そういうクリスはどっちだ?」
「俺は……ヴァンかな」
私は迷った挙句、ヴァンの名前を口にした。
ヴァンの作品はいつまでも見てられてしまうし、あそこまで精密な物だとどこまで創りこまれているか見て見たくなってしまったからだ。
確かにノルマも表現した馬も良かったが、目を引かれる、気になるという点でヴァンの作品が出て来たのだ。
「そうか。にしても、ノルマの奴は本当に凄いな。あれだけの作品が創れているが、あれが初めてだとは思えないな」
「うん……えぇ!? 始めて!? あれが、始めての作品!?」
「あぁ。ノルマはあんな彫刻なんてやった事ないし、別に魔力技量も高い訳じゃない。至って平均的だ。ヴァンと比べれば、半分ほどだった気がするな」
嘘……魔力技量がヴァンの半分であそこまでの作品を創ったの? それはそれで凄すぎる。
「お前はノルマにどう言う印象を持っているんだ?」
「え? ノルマは……苦手分野が特になくて、とりあえず何でもこなせる奴だけど」
「その通りだ。あいつは何でもできるし苦手もほぼない。だが、得意な分野も特にない。成績もいつもクラスの中間、悪目立ちもせず、物凄い印象を残せている訳じゃない」
そう、ノルマは何でも普通にこなせてしまう凄い才能を持っている奴。
私はそう認識していたつもりだったが、次第にそれが薄れていっていたのだ。
接して行く中で話しやすいし、クラスの中でも誰とでも気軽に話していた姿を見ており、出来ない事もあったりと一般的なのである。
「だからノルマは、クラスじゃ普通の男とか言われていたりするが、それはうちのクラスだからであって、他の所では見られ方がまた変わるだろう。忘れがちだが、あいつは何でも行える凄い奴なんだからよ」
ガウェンの言葉に私は小さく頷くのだった。
そしてオービンの元に集まっていた審判者たちが戻って来て、オービンが結果発表を始めるのだった。
審判者が、今見に来ている見物人!? どういう事!?
オービンの発言に周囲も動揺を隠せずにざわついていると、トウマがすぐに問いかけた。
「それって、まだ審判者が決まってないって事ですよね? というか、何で見物人から審判者を選ぶんですかオービン先輩!」
「始めから見物人から審判者を選ぶつもりじゃなかったんだよ、トウマ君」
「え? それじゃ、元々は誰かが審判者をやる予定だったという事ですか?」
「うん。元は、俺にミカ、そしてヒビキを呼び出してやる予定だったんだが、ヒビキが捕まらなくてね。だから、思い付きで見物人からランダムで五人選ぶ事にしたんだ。俺たちがやるよりも、こっちの方がいい気がするだろ?」
「(公平性という面で見たら、兄貴のいう事は分かるが……にしても思い付きで動き過ぎだろ)」
ルークは小さくため息をついた。
「それじゃ早速、独断と偏見で俺の方で審判者を選んで行きますよ。と言っても、もう決めていますけどね」
オービンは見物人の方へと近付くと、五名の名前を続けて呼んだ。
「今回の審判者は、ダイモン寮副寮長ワイズ、エメル寮寮長エメル、イルダ寮第2学年ゲイネス、女子クラスコランダム第2学年モラン、同じくコランダム第3学年エリス。以上の五名は中央舞台にお集まりください」
名前を呼ばれた者は驚きの顔をしている人もいれば、ため息をつく者、意気揚々と来る者もいた。
そして呼ばれた者たちが中央舞台へと集まる。
「オービン、お前さっきはあんな事言っていたが、どうせ初めからこうするつもりだったんじゃないのか?」
「それに関しては、我輩もエメルに同意だ」
「そんな事はないぞ。なぁ、ミカ」
「……そうだな」
ミカロスは少しオービンから視線を外しながら答えた。
その反応でエメルとワイズは何かを察して、反論するのをやめ審判者役を受け入れた。
その一方でゲイネスは何故自分が呼ばれたのか理解出来ずに、固まったまま立ち尽くしていた。
また、ゲイネスと同じくモランも少し俯いた状態で舞台の上に立っていた。
「(ななな、何で私!? 名前呼ばれて驚いたし、しかも次期寮長を決める勝負の審判とか私には無理なんですけど……重すぎる)」
と、内心どうしていいのか分からずにいると、エリスが優しく声を掛けて来た。
「モラン、そんなに緊張しなくても大丈夫よ。ただ自分が思った方に、投票すればいいだけなのだから」
「エリス先輩、そうは言ってもですね、次期寮長がこれで決まるかもしれない競技なんですよ? 責任重大過ぎですよ、私には……」
「そうかもしれないけど、こんな事で誰かに責められたりはしないはずよ。もしされたら、それはオービンのせいね」
「えぇ」
「だってそうでしょ? オービンが勝手に私たちを選んだんだから。モラン、誰かに今回の事で責められたらオービンに言え! って言っちゃっていいんだからね」
「いや、さすがにそれを言える自信は」
「じゃ私に言いなさい。私がオービン引っ張って言って謝罪させてあげるから」
「そ、そそ、そんな事しなくても大丈夫ですよ」
慌てるモランを見てエリスは小さく笑っていると、オービンが話を進め出した。
「それではこれより、両者の彫刻作品を披露させて頂きます。審判者の方々は、その作品を見て最後にどちらか気に入った方に票を入れて下さい。その結果票数が多かった方の勝利としますので」
「票って事は、何かに記載するのかオービン?」
「俺が集計する際に皆様には近くに集まって頂き、票を入れてもらう形式にします。発表時には票数と簡単な理由だけの発表するので、名前は公表しないつもりです」
「なるほど。匿名投票というやつだな」
それを聞き、ゲイネスとモランは安堵の表情を浮かべた。
「では、これより『三番勝負』『彫刻対決』の審査を開始します」
そのままオービンがヴァンとノルマの作品を見えない様にしていた魔法を解除し、両者の作品がお披露目になった。
直後、大きな歓声が上がる。
皆の視線が一番向いていたのは、ヴァンの彫刻作品であった。
ヴァンが創り出した彫刻は、ドラゴンであった。
体全体の鱗が一枚一枚繊細で精密に彫刻されており、羽を広げた姿勢に今にも動き出し咆哮をあげそうな躍動感に皆の目を釘付けにしていた。
私もヴァンの作品の精密さに目を奪われていた。
凄い、あんなにも綺麗に幻想上の生き物を表現出来ているのは初めて見たかもしれない。
よく見ると羽の薄さや小さな凹凸で血管ぽさを表現しているのな? ドラゴンに血管があるかとか細かい所は分からないけど、物凄くこだわりを感じる。
私はじろじろとヴァンの作品を見ていると、ヴァンと目が合う。
その瞬間、何故か物凄くどや顔をされた。
……もしかして、まだ魔力腕比べの時のこと根に持っているのかな? 意外とヴァンは、いつもそれで毒舌を私に吐いて来るしな。
そんな事を思いつつ私は、そっとヴァンから目線を逸らし作品へと視線を戻した。
その後ヴァンの作品を見た後、ノルマの作品へと目線を移した。
ノルマが創り出した作品は、馬であった。
ヴァンと比較すると物凄く精密ではなく、目立っている訳でもなかったが、荒削りながらにも懸命に表現しようと彫刻した熱意を感じられる作品であった。
しっかりと馬の特徴は捉えているし、何より毛並みを上手く表現しているのが凄いと私は感じていた。
顔の細部までは彫刻されていないが、私は全然そんな事は気にはならなかった。
完全模写が彫刻だとは思っていないし、一作品なのだしその人がどの様に作品として表現するかが見所なのではと独自に思っている。
芸術に詳しい訳じゃないが、独自の観点を持っていれば楽しめるものなのではと考えているからである。
その後、暫く作品を見る時間をとった後オービンが投票時間として、審判者たちを集めだした。
私も元居た場所へと戻り、ガウェンに声を掛けた。
「ガウェンはどっちの彫刻が好きだった?」
「俺はヴァンだな。魔道具作成している身からして、精密さや正確さの所に目が行くからな。ノルマの作品も素晴らしが、総合的にはヴァンだな」
「なるほど」
「そういうクリスはどっちだ?」
「俺は……ヴァンかな」
私は迷った挙句、ヴァンの名前を口にした。
ヴァンの作品はいつまでも見てられてしまうし、あそこまで精密な物だとどこまで創りこまれているか見て見たくなってしまったからだ。
確かにノルマも表現した馬も良かったが、目を引かれる、気になるという点でヴァンの作品が出て来たのだ。
「そうか。にしても、ノルマの奴は本当に凄いな。あれだけの作品が創れているが、あれが初めてだとは思えないな」
「うん……えぇ!? 始めて!? あれが、始めての作品!?」
「あぁ。ノルマはあんな彫刻なんてやった事ないし、別に魔力技量も高い訳じゃない。至って平均的だ。ヴァンと比べれば、半分ほどだった気がするな」
嘘……魔力技量がヴァンの半分であそこまでの作品を創ったの? それはそれで凄すぎる。
「お前はノルマにどう言う印象を持っているんだ?」
「え? ノルマは……苦手分野が特になくて、とりあえず何でもこなせる奴だけど」
「その通りだ。あいつは何でもできるし苦手もほぼない。だが、得意な分野も特にない。成績もいつもクラスの中間、悪目立ちもせず、物凄い印象を残せている訳じゃない」
そう、ノルマは何でも普通にこなせてしまう凄い才能を持っている奴。
私はそう認識していたつもりだったが、次第にそれが薄れていっていたのだ。
接して行く中で話しやすいし、クラスの中でも誰とでも気軽に話していた姿を見ており、出来ない事もあったりと一般的なのである。
「だからノルマは、クラスじゃ普通の男とか言われていたりするが、それはうちのクラスだからであって、他の所では見られ方がまた変わるだろう。忘れがちだが、あいつは何でも行える凄い奴なんだからよ」
ガウェンの言葉に私は小さく頷くのだった。
そしてオービンの元に集まっていた審判者たちが戻って来て、オービンが結果発表を始めるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
男女比8対1の異世界に転移しました、防御力はレベル1です
オレンジ方解石
恋愛
結婚式の最中に、夫に他の女と逃げられた花嫁、水瀬透子。
離婚届けを出す直前に事故で瀕死となった彼女は、異世界の女神から『妾と取り引きするなら、助けてやろう』と持ちかけられる。
異世界の《世界樹》の《種》を宿す《仮枝》となった透子は、女神の世界に連れて行かれ、二年を過ごすこととなった。
そこは男女比が8対1という偏った世界であり、女性が《四気神》と呼ばれる守護者に守られる世界。
女神とはぐれた透子は、そこで美形の青年、紅霞に助けられるが……。
※追記の追記を少し直しました。
枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉
狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。
「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。
フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。
対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。
「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」
聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。
「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」
そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。
イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。
ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼
そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ!
イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。
しかし……。
「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」
そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。
異世界もふもふ死にかけライフ☆異世界転移して毛玉な呪いにかけられたら、凶相騎士団長様に拾われました。
和島逆
恋愛
社会人一年目、休日の山登り中に事故に遭った私は、気づけばひとり見知らぬ森の中にいた。そしてなぜか、姿がもふもふな小動物に変わっていて……?
しかも早速モンスターっぽい何かに襲われて死にかけてるし!
危ういところを助けてくれたのは、大剣をたずさえた無愛想な大男。
彼の緋色の瞳は、どうやらこの世界では凶相と言われるらしい。でもでも、地位は高い騎士団長様。
頼む騎士様、どうか私を保護してください!
あれ、でもこの人なんか怖くない?
心臓がバクバクして止まらないし、なんなら息も苦しいし……?
どうやら私は恐怖耐性のなさすぎる聖獣に変身してしまったらしい。いや恐怖だけで死ぬってどんだけよ!
人間に戻るためには騎士団長の助けを借りるしかない。でも騎士団長の側にいると死にかける!
……うん、詰んだ。
★「小説家になろう」先行投稿中です★
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
※後日談を更新中です。
9回巻き戻った公爵令嬢ですが、10回目の人生はどうやらご褒美モードのようです
志野田みかん
恋愛
アリーシア・グランツ公爵令嬢は、異世界から落ちてきた聖女ミアに婚約者を奪われ、断罪されて処刑された。殺されるたびに人生が巻き戻り、そのたびに王太子マクシミリアンはミアに心奪われ、アリーシアは処刑、処刑、処刑!
10回目の人生にして、ようやく貧乏男爵令嬢アリーに生まれ変わった。
もう王太子や聖女には関わらない!と心に決めたのに、病弱な弟のために王宮の侍女として働くことに。するとなぜか、王太子マクシミリアンは聖女ミアには目もくれず、男爵令嬢アリーを溺愛し始めて……。
(頭を空っぽにして笑えることを目指したコメディです。2020年に執筆した作品です。本作を読みたいというお声があったため再掲します)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる