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ロッカーの中身
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「……ねえ、佐倉さんのロッカー、開けてみた?」
「は? なんで私がそんなこと……」
昼休みの休憩室。営業事務のOL、結城あかねは、同期の井坂から妙な話を持ちかけられた。
「だってさ、辞めたのに、まだあの人のロッカー、開いてないのよ? 鍵もずっとつけっぱなしで」
「……あの人、突然辞めたよね。無断欠勤して、それっきり」
「そう。でも昨日の夕方、誰もいないロッカールームで、誰かが中で泣いてたって。パートのおばさんが聞いたらしいのよ」
――ギィィ……。
ロッカールームの扉を開けると、空気が妙に湿っている。
誰もいない昼休み、あかねは何かに引き寄せられるように、佐倉のロッカーの前に立っていた。
(開けるだけ、開けてみようか……)
パチン。鍵があっさり開いた。
そして、ふわりと何か生臭い匂いが漂う。
「……っ!」
中には、ボロボロの制服と、レインコートに包まれた“何か”が押し込まれていた。
(これって……服……? いや、違う、これは……人の、腕……?)
ブルリと背筋が凍る。
その瞬間、ロッカールームの電気がパチッと落ちる。
「……誰かいるの?」
声が震える。だが返事はない。代わりに――クククク……という喉を鳴らすような笑い声。
「ひ……佐倉さん?」
ロッカーの奥から、濡れた黒髪がずるりと伸びる。その先に、白目を剥いた顔が浮かんでいた。
「見たね……? 私の大事な場所、勝手に見たよね……?」
「ち、違っ……勝手に手が……っ!」
だが弁解は届かない。濡れた手があかねの腕をつかんだ瞬間、ズルッとロッカーの中に引き込まれた。
――バタンッ!
次の日の朝、ロッカーは再び閉じられていた。
あかねは無断欠勤。携帯も繋がらず、部屋にも誰もいなかった。
「最近多いね、急に辞める人」
「また、あのロッカーじゃない……?」
数日後。新しく配属された新人社員が、空いていたロッカーの鍵を渡される。
「はい、これ使って。ちょっと匂うかもだけど、気にしないで」
「……あれ? なんか中で、水、垂れてません?」
ポタ……ポタ……
「は? なんで私がそんなこと……」
昼休みの休憩室。営業事務のOL、結城あかねは、同期の井坂から妙な話を持ちかけられた。
「だってさ、辞めたのに、まだあの人のロッカー、開いてないのよ? 鍵もずっとつけっぱなしで」
「……あの人、突然辞めたよね。無断欠勤して、それっきり」
「そう。でも昨日の夕方、誰もいないロッカールームで、誰かが中で泣いてたって。パートのおばさんが聞いたらしいのよ」
――ギィィ……。
ロッカールームの扉を開けると、空気が妙に湿っている。
誰もいない昼休み、あかねは何かに引き寄せられるように、佐倉のロッカーの前に立っていた。
(開けるだけ、開けてみようか……)
パチン。鍵があっさり開いた。
そして、ふわりと何か生臭い匂いが漂う。
「……っ!」
中には、ボロボロの制服と、レインコートに包まれた“何か”が押し込まれていた。
(これって……服……? いや、違う、これは……人の、腕……?)
ブルリと背筋が凍る。
その瞬間、ロッカールームの電気がパチッと落ちる。
「……誰かいるの?」
声が震える。だが返事はない。代わりに――クククク……という喉を鳴らすような笑い声。
「ひ……佐倉さん?」
ロッカーの奥から、濡れた黒髪がずるりと伸びる。その先に、白目を剥いた顔が浮かんでいた。
「見たね……? 私の大事な場所、勝手に見たよね……?」
「ち、違っ……勝手に手が……っ!」
だが弁解は届かない。濡れた手があかねの腕をつかんだ瞬間、ズルッとロッカーの中に引き込まれた。
――バタンッ!
次の日の朝、ロッカーは再び閉じられていた。
あかねは無断欠勤。携帯も繋がらず、部屋にも誰もいなかった。
「最近多いね、急に辞める人」
「また、あのロッカーじゃない……?」
数日後。新しく配属された新人社員が、空いていたロッカーの鍵を渡される。
「はい、これ使って。ちょっと匂うかもだけど、気にしないで」
「……あれ? なんか中で、水、垂れてません?」
ポタ……ポタ……
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