77 / 113
魔王とその仲間
第75話・4人の複製
しおりを挟む―――学校1階ホール―――
「さて、今後の役割を決める」
俺は魔物達を集めて役割を決める。
ゴブリン達は田畑の開墾。リザードマン達は水場、養殖場の開墾。オーク達は畜産を行う。ウォーウルフは狩りと警備。ヴァンパイア達は森での収穫。妖精族は家事手伝いと見張り。
それぞれの役割を決めた。各種族が10名ずつにて、計50名が森で待機してるとリンに聞き、一度全員を学校へと呼んだ。
「ガガは魔物全体の管理とメリーの手伝いをお願いする。ザクスは手の空いた者の稽古と警備の管理を。ネビュラは水の管理を頼む」
『はっ!ご主人様!』
「チハヤは全体のスケジュールをまとめて報告して。リンはウォーウルフのお世話を任せるよ。メリーは妖精族と薬剤の研究を頼む」
「かしこまりました。ご主人様」
こんなものかな。あとはダムと養殖場、畜産場の建設だな。俺は魔物達が住めるように1階の改装を始めた。
「鋳造合成!」
まずホールに簡易の会議室を作り、教室をそれぞれの種族に合わせた部屋に作り直す。トイレやシャワー室はあとでガガに聞いて直そう。そして食堂と貯蔵倉庫を作った。
妖精族用の部屋は入口を小さくし、中には小山や小川が流れるように細工する。
ヴァンパイア用の部屋は薄暗く、温度を低めに設定。窓も数を減らした。
オーク、ゴブリンは屋外が良いと言うので水場の近くに穴を堀り山肌に住居を作った。
ウォーウルフは1階の玄関で良いそうだ。
リザードマン達は川辺の近くに住居を作った。
そしてダム、養殖場を作り、畜産場も山向こうの空き地に作った。これが機能していけば食料不足も補えるだろう。
――こうして数ヶ月があっという間に過ぎていく。あれから月子はまだ眠ったままだ。
その日の夜、俺はシャワーを浴び部屋へと戻る。机の上には設計図や会議資料が山積みだ。噂を聞きつけ、ガガの仲間達が日を増す事に増えていく為、また新たに居住地と食料問題に直面していた。
「ふぅ……3階も作らないと急に大所帯になったなぁ……」
俺はベッドに横になり色々考えていると、いつの間にか眠っていた……。
ーーー異次元空間月子のお部屋ーーー
「お目覚めか」
「月子?あぁ、ここは月子の部屋か……久しぶりに来たな。体はどうなんだ?」
「ふむ。だいぶ良くはなっておるがまだかかりそうじゃ。それより、ナツトには色々話さねばならんと思っての」
「……複製体の事とかか?」
「なんじゃ。気付いておったのか」
「メリーに聞いたんだ。体の感覚が鈍かったり記憶がなかったりと当てはまる事が多くてね」
「うむ……。チハヤ達は全員、いや世界中の人間が天変地異によりほとんどが亡くなった。そしてチハヤ、リン、メリーはその死期の直前、亡くなる前に複製したのじゃよ」
「そういう事なのか。月子が手をかけて、無理矢理複製したのかと思う所もあった。それを聞いて少し安心した」
「安心?ふふ、おかしな事をいうもんじゃ。それよりお主の体は持ちそうなのか。先日の戦いでかなり無理をしたのじゃろう」
「あぁ、体にひび割れ跡は残ったけど内部は治ったと思う。ちょっと無茶しすぎたみたいだ」
「お主の体はの、別の入れ物なのじゃよ。そこに魂が定着しているだけじゃ」
月子の話によると、俺の本体は交通事故で死んだ。その時、天界から神様――月子の姉が降りてきて複製を行ったそうだ。しかし初めての複製でうまくいかず3回の失敗の後、本体と魂を定着させた。失敗した3回は本体は消滅したが魂だけ行き場を無くし彷徨ってる状態だったらしい。
1つは月子が、1つは月子の弟が、それぞれ捕獲したそうだ。もう1つは行方知れずになったと。月子が捕獲した魂をこの肉体に定着させ誕生したのが俺だ。
「あまり驚かぬな。もっとわめくかと思っておったのに」
「いいんだよ。俺が複製体であることや、ここがどこの世界とか関係ない。月子を守ると決めたから、周りの事は正直どうでもいい……」
「わしがお主の魂を捕獲して十数年後かの。先程言うた通り、この世界は天変地異ですべてが崩壊したのじゃ。人間族のほとんどが死滅し、先程も言うたのじゃがチハヤ達はその天変地異で亡くなる運命じゃった。その少し前に戻り複製を行った……写真と違い成長してるのはそう言うわけじゃ。ふぅ、わしもこれでスッキリしたわい」
「月子……ずっと悩んでくれてたんだな、ありがとう。それとこの世界に俺を……作ってくれてありが……と……」
「ふふ……またの」
そう聞こえたと思うと、また俺の意識は遠くなっていった……。
◆◇◆◇◆
……目が覚めるとそこにはチハヤがいた。
「……チハヤ?寝てるのか?」
「すぅすぅすぅ……」
チハヤを起こさないように、そっと体を起こす。よく見るとチハヤは……なぜか下着姿でした。どうしましょう。こういうシチュエーションの場合、誰かが走ってくるとか、部屋のドアが開くとか、そういうパターンなんだろうな。
――ダッダダダダダ!ほら、誰か走って来た。
「ヘイッ!リン!パジャマは着なセイ!」
「だって!暑いんだもんっ!」
ダッダダダダダ……!
台風が通り過ぎていく。チハヤもメリーに追いかけられて逃げてきたのか。寝息をたてている。ドキドキするくらいかわいらしい顔をしている。
「うぅん……ご主人様……」
「いただきます」
あれ?違うよ。今のはどんな感情なんだ。
「ん……ご主人様……」
あれ?あれれ。チハヤが抱きついてくる。
「ちょ、ちょっと」
と言いながら、抵抗はしない。
「ん……」
チハヤがキスをしてくる。
「……ご主人様……んん……」
我慢出来ず、チハヤのこぶりな胸を揉む。
「もっと……」
もう無理。俺の理性のリミッターが外れる音がした。
「いただきます!」
カチャリ……!!
「いたっ!!チハヤみっけ!あっ」
「リン!いいカゲンニシナ!アッ」
チハヤの下着がはだけ、俺はチハヤの胸を揉んでいる。
「チハヤ!ご主人様と遊んでるの!?リンも――」
「チハヤ!それはダメデス!オウノウ!」
「……えっと……ご主人様に求められて、仕方なく?」
「はい?」
バタン!ガチャ!
俺はメリーにベランダに追い出され、鍵を閉められた。
綺麗な月が出ている……今宵は満月だった。
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。
wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。
それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。
初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。
そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。
また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。
そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。
そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。
そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は賑やかになった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる