転生国主興国記

hinomoto

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本章

風雲、急を告げる

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数日は過ぎていた。
阿保な子がゴロゴロしてます。
清潔を知っても元々の性格なのか、貴族のせいか、またまた居心地の良さなのか。
俺の畳の間で寝そべっております。
ちっ。一人だけムカつくぜ。
アイは評議会に指導中。
俺はイルミナ案件の検討中です。
イルミナも聖都を残して、ほぼこちら側に寝返りました。外部の方もほぼ方が付きそうです。
てか、アイさんは外部まで手を掛けてましたか。
で、聖都なんですが、酷い状況です。
住民の最下層から逃げております。
で、殆どが教会よりの貴族と教会関係者が残ってるのですが、先ず食い物が少なくなってます。次いで、清掃が追い付かなくなり汚くなって、病気が心配です。もう、詰んだな。
放っといても、自滅しますね。
イルミナティまで地下鉄を伸ばしますかね。
書類を纏めて倉庫にしまうと、立ち上がります。

「どこ行くの?」

ぐうたら姫がスカートが捲れてパンティをさらけ出しながら尋ねてきます。白です。

「仕事。」

構わず、外に向かいます。

「私も行く~。」

何故かついてくる。
追い付く迄に、イグミサル皇国の資料を読み出す。
此方はもっと深刻である。
何故か戦争を起こしているのだ。
皇国から北に山があり、そこには小さな国が3つ存在している。皇国の属国に近いのだが、此処に進軍するほど困っていたのだ。
急速な砂漠化がやっと深刻な事態と分かったのだが、手遅れに近い事態になっていた。
緑化には年月が掛かるが、砂漠にするのは簡単だろう草を枯らせば良いのだ。草が水を吸わなくなると、大地が吸うのだ。
水が上がらず枯れて行き、砂漠と化す。
小さな侵略はやがて大きくなる。
気が付けば・・・・・・になる。
その代用地が3つの国である。
迫り行く砂漠に恐れをなして、争うだけであった。
某世紀末的な展開?と考えながら歩く。

「待ってよ~、ナインちゃ~ん。」

何処までもバカですか。ちょっとは襟を正すか。

「ルミエッタさん、国が戦争をしてますよ?」

「そんな馬鹿な事が有りますか~。」

「小国と戦争状態ですね、砂漠化のせいで。」

「え?」

驚いているよ。馬鹿に馬鹿と言っても分からない。何が駄目で間違いを理論的に分かりやすい言葉で言えば気付くもんだ。

「あ!」

ルミエッタの顔が青ざめる。
後悔は先に立たず、自分の使命も忘れて家に迷惑を掛けていた。

「どうしよ!」

泣き出しながらナインの後に着いている。てか、泣くなよ。
イグミサルも此のままでは滅亡するが、小国はとばっちりで滅亡してしまう。
アイにどうするのか聞く。

(多分、もう結論でてる?)

[はい。何処も同じですが、国としてませんから移動が良いかと。]

(国としてしとない?)

[はい、山岳地帯で皇国から無駄な搾取を嫌い、良い考えでありましたが、皇国に攻められては持ち堪える事もできません。土地も痩せて貧しい状態です。]

(三ヶ所ねー。進行状況は?)

[軍を出した所です。]

(よし、終わらすか。)

「きーめた。」

「ぐすっ。なにを?」

「皇国潰し。」

「・・・・・・・・。」

ルミエッタは泣いた顔のままでナインを見ていた。
可愛い笑顔で何を言ったかまでは分からないが、日溜まりの様な暖かい気分になっていた。


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山岳部に国がある。
と、言っても国家を無し得ない程の小さな民族である。
それでも、人口は千人を超えている。
作物も少ないが蓄えもあり、皇国とも良い付き合いが出来ていた。
特に特産の輝石類は皇国でも需要が高く、貢物に最適である。
岩を砂にして大地にしてきた民族だがらこそ、争いよりも従属に近い扱いながら、貢いでいたのだ。
国にしたのは大昔の族長が、皇国に発見されてから何とか続いている。国名もキセキとか言われてついただけ。山の民が此処での通称である。
三ヶ所に別れたのも取れる鉱物が違うからだ。
ミスリルが多く取れるミスリルキセキ、金や鉄等が取れるコーミカルキセキ、宝石類が多いタクスキセキが皇国側からつけられた名前だ。
そんな事はどうでも良くて、山を崩して大地にして作物を育てる。輝石など作物に不要な為に処理に困っていた所の皇国である。不要な物で作物や食糧を手に入れた方が得なのだ。
ここ数十年で大地も広がり、貯水地も出来た。
三部族の間も仲が良く往き来も楽になってきたし、交流も昔以上に強くはなっている。
そこにはのんびりした風景がある。

一人の旅人が訪れた。
タクスキセキに来る人は余りいない。
買付の商人か盗賊ぐらいだから。
普通の旅人が来たのは初めてである。
変わった人で、人々に叫んでいた。

「イグミサル皇国が攻めて来ます!」
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