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第9章 ミネルシルバ
旅は道連れ?
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この世界で、荷物も持たず武器もなく防具もない人が、堂々と街道を歩く事はない。そんな馬鹿は、モンスター達の餌になりに行く様なもの。
「夏だねー。」
暑い日射しの中を歩くのは篤郎だけだろう。
何も持たないのは、間抜けか強い存在かと言えるが、篤郎は前者にしか見えない。身長も170㎝もないし、顔も痘痕が無くなっただけのモブキャラ顔だ。
篤郎は、主人公らしいのはいらない。ただ、平和が一番なのだから。
だが、この世界には平和は無い。なぜならモンスターが居るのだから。
「キャー!」
「助けてー!」
そんな篤郎でも、救援には敏感になる。救済は昔からの教えだからだ。
声の方に駆け出した。
そこには、馬車の一団と冒険者達と戦うゴブリンの群れを見つけた。
「ゴブリンのクセに、何で連係が出来ているんだ!」
「チャム、ヒールをくれ!」
「デレクがやられたー!」
冒険者達は敗戦ムード、商品達も殆ど死ぬ手前になる。篤郎は、即座にゴブリン達に魔法を放った。
「アホンダラー!」
決して魔法やルーンを唱えた訳で無くて怒っただけだが、沢山の氷の槍がゴブリン達にのみ降り注いだのである。
「大丈夫か!」
篤郎は、その光景に呆ける人々に対して声をかけた。
「へ?ああ、ゴブリン達は?」
1人のいや、その場の負けていた人達は自分の周りを見ていた。
「面倒だな、ほれ。」
広範囲中級回復魔法を事も無く使ったのだ。で、
「痛、く無い?た、助かったのか?助かったんだ!」
と言う人達が起き上がって来たのだ。
歓喜の声が上がる中、篤郎と言えば、
「ここいらのゴブリンのコアは貧相だな。集めてもたいしたモノにならんな。」
と言っていた。篤郎にとってだが。
冒険者と商人達が篤郎の側に来て、
「今の魔法は貴方様ですな、本当に助かりました。皆に成り代わり、お礼をしたいのですが?」
「ん、礼には及ばんよ。」
篤郎とにこやかに喋る商人と対照的に、冒険者達は篤郎の普通過ぎる服装に胡散臭い雰囲気を出していた。
「ゴブリン達のコアは役に立たんから、そちらで好きにしてくれ。俺は先を急ぎたいからな。」
「まぁ、お待ち下さい。私共を助けられた方を何もしなかったのでは、私共の立場がありません。礼を受けて頂かないと、困るのですが。」
「いや、良いよ。」
「どうしてと聞いても?」
「んー、税務経理課で捕まってね。街から逃げて来たのさ。逃げてる次いで、あんた達を助けた程度だからね。礼は良いわ。」
「なっ・・・・」
篤郎は王都の牢破りを軽く言いったが、もちろん重罪である。牢破りをする罪人のイメージとして合うが、助けてもらった恩人でもある。余り引き留めるのも駄目だと理解はしてるのだろう。
しかし、商人は、
「それでも、恩を返すのはアルケニーでは当たり前の事。恩を返せない商人の噂が立てば、私共の商いが困ります。」
恩を返す事を必要に強調していた。
篤郎は律儀な人と思っていたが、理由として2度と関わりを持たない為に必要な事がある。後で恩を返せと言われる時が厳しいのを知っているのが、旅商人とのしての常識なのだ。
「いや、何か言われてもな。旅の邪魔だしな。」
「では、私が見立てましょう。それをお礼の品としてもらえませんか?」
「うーぬ。分かった!そうするか。」
篤郎は早く関わり合いを絶つために言ったが、
「分かりましたか!では。」
商人は仲間の商人に何かを伝えると、
「品は降ろしました。私共も早く立ち去りたいと思います。どうも、ありがとうございました。」
丁寧に言い立ち去った。冒険者達もゴブリンから報酬部位を切り取ったままについて行った。
それを篤郎は見送りながら、
「名前、名乗らなかったな。ま、面倒毎にならないなら良いか。」
篤郎は、思っていたがゴブリンの死体はそのままになっていた。
「・・・・後始末していけよ。」
篤郎は全て死体を一瞬にして灰にしてしまう。そう、灰が舞う中で篤郎が目にしたのは、
「えっ?人・・・・」
奴隷なのかボロボロな人達が捨てられていたのだ。
「め、面倒な・・・」
篤郎は何とも言えないが、苦い顔をしながらボロボロの人達に向かって歩き出すのだった。
「夏だねー。」
暑い日射しの中を歩くのは篤郎だけだろう。
何も持たないのは、間抜けか強い存在かと言えるが、篤郎は前者にしか見えない。身長も170㎝もないし、顔も痘痕が無くなっただけのモブキャラ顔だ。
篤郎は、主人公らしいのはいらない。ただ、平和が一番なのだから。
だが、この世界には平和は無い。なぜならモンスターが居るのだから。
「キャー!」
「助けてー!」
そんな篤郎でも、救援には敏感になる。救済は昔からの教えだからだ。
声の方に駆け出した。
そこには、馬車の一団と冒険者達と戦うゴブリンの群れを見つけた。
「ゴブリンのクセに、何で連係が出来ているんだ!」
「チャム、ヒールをくれ!」
「デレクがやられたー!」
冒険者達は敗戦ムード、商品達も殆ど死ぬ手前になる。篤郎は、即座にゴブリン達に魔法を放った。
「アホンダラー!」
決して魔法やルーンを唱えた訳で無くて怒っただけだが、沢山の氷の槍がゴブリン達にのみ降り注いだのである。
「大丈夫か!」
篤郎は、その光景に呆ける人々に対して声をかけた。
「へ?ああ、ゴブリン達は?」
1人のいや、その場の負けていた人達は自分の周りを見ていた。
「面倒だな、ほれ。」
広範囲中級回復魔法を事も無く使ったのだ。で、
「痛、く無い?た、助かったのか?助かったんだ!」
と言う人達が起き上がって来たのだ。
歓喜の声が上がる中、篤郎と言えば、
「ここいらのゴブリンのコアは貧相だな。集めてもたいしたモノにならんな。」
と言っていた。篤郎にとってだが。
冒険者と商人達が篤郎の側に来て、
「今の魔法は貴方様ですな、本当に助かりました。皆に成り代わり、お礼をしたいのですが?」
「ん、礼には及ばんよ。」
篤郎とにこやかに喋る商人と対照的に、冒険者達は篤郎の普通過ぎる服装に胡散臭い雰囲気を出していた。
「ゴブリン達のコアは役に立たんから、そちらで好きにしてくれ。俺は先を急ぎたいからな。」
「まぁ、お待ち下さい。私共を助けられた方を何もしなかったのでは、私共の立場がありません。礼を受けて頂かないと、困るのですが。」
「いや、良いよ。」
「どうしてと聞いても?」
「んー、税務経理課で捕まってね。街から逃げて来たのさ。逃げてる次いで、あんた達を助けた程度だからね。礼は良いわ。」
「なっ・・・・」
篤郎は王都の牢破りを軽く言いったが、もちろん重罪である。牢破りをする罪人のイメージとして合うが、助けてもらった恩人でもある。余り引き留めるのも駄目だと理解はしてるのだろう。
しかし、商人は、
「それでも、恩を返すのはアルケニーでは当たり前の事。恩を返せない商人の噂が立てば、私共の商いが困ります。」
恩を返す事を必要に強調していた。
篤郎は律儀な人と思っていたが、理由として2度と関わりを持たない為に必要な事がある。後で恩を返せと言われる時が厳しいのを知っているのが、旅商人とのしての常識なのだ。
「いや、何か言われてもな。旅の邪魔だしな。」
「では、私が見立てましょう。それをお礼の品としてもらえませんか?」
「うーぬ。分かった!そうするか。」
篤郎は早く関わり合いを絶つために言ったが、
「分かりましたか!では。」
商人は仲間の商人に何かを伝えると、
「品は降ろしました。私共も早く立ち去りたいと思います。どうも、ありがとうございました。」
丁寧に言い立ち去った。冒険者達もゴブリンから報酬部位を切り取ったままについて行った。
それを篤郎は見送りながら、
「名前、名乗らなかったな。ま、面倒毎にならないなら良いか。」
篤郎は、思っていたがゴブリンの死体はそのままになっていた。
「・・・・後始末していけよ。」
篤郎は全て死体を一瞬にして灰にしてしまう。そう、灰が舞う中で篤郎が目にしたのは、
「えっ?人・・・・」
奴隷なのかボロボロな人達が捨てられていたのだ。
「め、面倒な・・・」
篤郎は何とも言えないが、苦い顔をしながらボロボロの人達に向かって歩き出すのだった。
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