上 下
227 / 505
第9章 ミネルシルバ

倒しました

しおりを挟む
「門を壊せ!宝は目の前だぞ!」

丸太を抱えて門を叩かしているのだ。多分だが、閂か門を壊して開かせる為に行っているのだろう。そんな原始武器で開く扉ではない。

東西南北の扉に必死にアタックをしていた。
だから、

「何者、ぐぇ。」

「何を、はふぅー。」

「あっ?はぁー。」

と、沢山のアルケニー軍の方々が無気力に落ちて行った。篤郎の眠り魔法と奴隷紋章を掛けながらだ。

1対45万の数であろうと、呆気なく奴隷となるアルケニー軍。

そう、戦争の終わりとは呆気ないのだ。

始めるのが一人からだとしたら、終わるらすのは一人なのだ。

そして、目が覚めた奴隷達は、新たな奴隷の行動を見て驚愕していたのだ。全ての兵が正座しているのに、アルケニー王が篤郎の目の前で土下座しているのだから、驚かない者は居なかった。

篤郎は笑顔であった。

清々しいのでは無い。寒く軽く恐怖を感じている者は、多数にのぼるだろう。
そして会話は、

「なんて事をしてくれとんねん、あ?」

「済みません!」

「死人出して、家を壊そうとしてくれて、どないすんねん、お?」

「どのようにでも!」

「ほー、どのようにでもやな、あ?」

「はい!」

一国の王を恫喝してる篤郎を見てる奴隷達は、恐ろしくて泣きそうになったが、我慢したのだ。篤郎の怒りに触れない様にしていた。

王が土下座して、頭を何度も下げる事は無い。
王が頭を下げるとは、国が降伏した事になるからだ。

「取り敢えず、お前らの土地も財産も命も全部もらうから。」

「そ、そんな!」

「攻めたのは誰?」

「わ、私共です。」

「勝ったのは?」

「貴方様です!」

「じゃ、もーらい。」

その日、アルケニー国の上空に輝く大きな球体が浮かんでいた。アルケニー国からの一切の情報が遮断されたのだ。

「じゃ、平等に働いてね。」

アルケニーの王公貴族達の暗黒時代に突入したのだった。
しおりを挟む

処理中です...