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第11章 モンスター

神事情

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「あー堪能した!」

「気持ち良かったですか、父様!」

もふもふですっきりとした篤郎と、毛がボサボサになりながらも篤郎を気遣うシラクラだった。
意外と6神よりも有能で、大神よりも上位になるかもな。
犬神だけど。

「で、シラクラは犬の神なのか?」

「いえ、どうやら僕は死者を纏めなくてはならないようです。」

「はっ?何で?」

それは、大神の仕事では?と、篤郎は思った。

「初めは、破壊的な要素もあったのですが、父様のお力で新たな役職を頂いたようです。」

「ん?役職?神なのに?」

「はい。僕は死者達の行き先になる輪廻を賜るので、普通の神と違うのです。」

「閻魔の仕事じゃないの?」

「閻魔とかは知りませんが、魂が集う場所を整備してもらいました。そこの管理が僕の仕事です!」

「ふ、ふーん。で、何の役職なの?」

「魂の階層の総管理責任と言う物ですね!」

総管理責任とは、会社的な役職ではあるな。

神の役職には、理解が出来ないのが多いからな。
例えば、キリスト教なら階級で区切られているが、天使や大天使は分かるが権天使ってネーミングはどうなの?と思う。

仏教も同じで、如来、菩薩、明王、天部、それ以外のざっくりも階級としてどうなの?と感じてしまう。

まあ、色々な所は在るよな。

と、一応の理解はした。

「なるほどな。一人で大丈夫か?」

「部下とかお手伝いの方がもう入っているそうなので、着任すれば良いと言われました。」

「そうか。」

と、シラクラと篤郎は笑顔で話していたのだ。
だが、篤郎は気が付いた。

「な、言われましたって聞こえたけど、誰が言ってる?」

「上位の方です!」

「じょ、上位の方なのね。・・・・他に何か言ってなかった?」

「地上の神と仲良くするなとか、云うことを信じてはいけないとか言われてました!」

「な、なるほど。」

神も上司とかいるんだ。

いや、居て当然か。
多分、上司(?)は細分化されて多いのだろうか。
てか、人の世界と何が違うのか悩んでしまうので、深くは考えない。深く考えた所で、頭が痛くなるだけだし。

「で、直ぐに行くのか?」

「一度は顔を出さないといけませんが、父様が存命してる間は行かなくても大丈夫です!」

「そうか。」

実は緩い制度とか有るのか?と疑問に思うが、考え無いぞ!
何を考えても、人間の世界と神の世界では違うのだから。
でも、怨みをかった神には、世界とかは関係無いがな。
とことん、調ー、ゴホン。教育を指導しなくてはならないからな。

特に反乱とかあったのだから、しても悪くわ無い。有っても、それを実践してから言って欲しい。神でもな。

「父様、顔が恐いです。」

「えっ、ああ。」

篤郎は、顔を叩いてシラクラを見る。 

「これで、どうだ?」

「何時もの父様です!」

考えたく無いが、これで子供が増えたんだよな。
かみさん要らずの人生とか、無いよな!
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