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二部1章 ラビニット

サリハレリ神

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白い場所に居た。

本当に何もない所だ。

「結城大地さん、貴方は死にました。」

此処は何処なんだろう?良く考えたら、僕は何をしていたのだろう?

「あのー、聞いてますか?」

ああ、学校からの帰りに車に跳ねられたんだ。そうか、そうなんだ。

「そうです、死んだのですよ。」

死んだらどうなるのだろう?何をすれば良いのか、謎だ。

「聞こえてますよね!ねえ!」

うる・・・・何だこの人?

「結城大地さん、貴方は死にました!」

ゆうきだいち?

「貴方の名前ですよ、ね?」

いえ違います。

「えっ?」

私は猫ですよ。

「あっ、居た!こっちに迷い込んで、さぁ輪に行きますよ。」

はい、お願いします。

「サリハレリ様、失礼します。」

「はい。」

白い部屋に、サリハレリは一人残された。

「ま、また失敗。これで、25回目・・・か、監査が!ひえぇえぇぇぇぇ!」

神としても半人前だが、歳も歳なので世界に干渉しても良いのだが、此処で手伝ってもらう魂を求めて、2万年も過ぎてしまった。

このままでは、お母様に怒られる。

それだけは、避けたい!
そう、地面に這いつくばっても拳を上げた。

その時、天使が声をかけた。

「サリハレリ様、結城大地という魂ですよー。」

「な、なにー!」

「あっ!やっぱりサリハレリ様でしたね!」

「な、何よ!」

「獣の召喚石を持ち出したの!」

「えっ?嘘っ!げっ!」

「この事は上司に連絡しときますからね!」

「イヤー!ごめん、ごめんなさい!」

「とにっ!お探しの魂ですからね!」

「ひいぃぃぃぃ!」

天使に怒られる神。半人前と言うよりかはー。

「何よ!」

お前さんか、ワシを探しているのは。

「結城大地?」

そうじゃ。

「何か、年寄りくさいわね。」

当たり前じゃ、80は超えているからな。

「嘘!」

で、何の様かの?

「ちょっと待ってて!」

サリハレリは、結城大地の資料を確かめていた。

「よーし!結城大地、異世界に行くのよ!」

何で?ワシも輪に入りたいのじゃが。

「うるさい!神の命令よ、今から魂のカスタマイズをするから。あっ、魔法は光しか無理だ!リソースが!知識とかはこのままで、他は有るスキルを入れといてー。」

ばーさんが待っとるでな、ワシャ行くぞ。

「だー!待ってよ、助けてよ!」

何で助けるのじゃ?

「面倒だ!ほいっ。」

あれー。


結城大地の魂は、ラビニットに落ちた。

人に転生をさせ、龍人から非とを解放させて星を守ってもらう為に。

まさか、父親が手を回してる事も知らないで、2万年以上経ってからの介入が始まった。

「やっと終わったー。さて、ラビニットに久々に見に行くかな。」

ルンルン気分で、ラビニットにサリハレリは行ったのだ。
が。

2万年以上の年月を経たのに、龍人の支配は巨大に成りすぎていた。
それなのに、龍も倒せない程に愚かであった。

「うっそー。此があの世界なのー。」

サリハレリは、愕然とした。
自分の世界が、此処まで荒廃してるとは考えたくなかった。龍を倒すよりも、この世界は龍に護られた状態なのだ。

よって、神が手を出せない状態になっていたのだ。

「結城大地は!」

このリソースだけは、護りたいのだ。
いや、護れる予定だった。リバクゼルとガリュムの争いに巻き込まれ、幼い命を枯らしてしまった。

「だ、ダメー!」

神の介入により、体を直して魂もそのままにして龍に預ける事にした。

「龍の中でダレカ預かってくれる龍はー。」

自分の子を亡くした、龍を発見した。

「よし、この子に託そう!」

そうして、炎の森の赤龍の長の元に送ったのだ。

それは、篤郎が来る12年前の事になるのだった。
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