愛され女子の幼馴染です！

幼馴染

ここはまさに乙女ゲームのような世界線だ。愛されている女子、それに群がるイケメン男子達。そして本来なら目立つ立場にいるであろう愛され女子の幼馴染の僕は、全くもって参加していなかった。理由は一つ。昔から友達として見ていた人を恋愛と思えない、である。


「ねーぇー、凪聞いてる？私今日も告白されちゃってさぁ、、」
「んぁ、聞いてるよ、大変だねぇ～麗は。今日から高校だけど、大丈夫？」

凪が守ってね！と元気に応える麗は愛おしいと感じるのだろう。僕には全然わからないけど。

「自己紹介とかあるし！1人にならないように頑張る～！」

そんな話をしているとすでに目の前に校門があった。流石は私立校である、本当にアニメの世界のような広い校舎に広い門。公立校とは比べ物にならないほどのものだ。

「こっちが体育館だって。入学式だし早く行こ。」

冷静に言葉を返す。地図を読むのが苦手な麗は毎回僕が案内しなければならない。僕も見るのが苦手である。

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校長先生の長い長い話が終わり教室での自己紹介の時間となった。僕の名字は"い"から始まるためトップバッターである。

「あ~、威月凪いづきなぎです。若葉中学出身、好きなことは音楽、嫌いな教科は数学です。よろしくお願いします。」
「俺の担当教科なのに嫌いだと！？」

どうやら担任は数学の先生だったらしくクラスが爆笑した。

「あはは、ごめんなさい！麗～、次だよ。」
「はいっ！凪の幼馴染の、海空麗うみぞられい！私はカラオケとかみんなで遊ぶのが好き♪苦手なことは地図見るにが苦手だから案内してほしいな！」

にこっと笑う麗の方に視線が向く。やっぱり可愛いよなぁ、と思った。そこから何人かが自己紹介をし、最後の1人となった。

「初めまして、俺は迷星瑠衣めいせいるい。よろしく。」

迷星といえば有名企業であり、その一人息子の瑠衣は御曹司と言うことになる。締め合わせたように女子が歓声をあげ、教室中が騒がしい女子の高い声に包まれた。それは麗も例外ではなく、小さい声ではあるがすご、と声を漏らしたようだった。

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《キャラ紹介》

威月 凪　（いづき・なぎ）

・麗の幼馴染。

海空 麗　（うみぞられい）

・凪の幼馴染。

迷星 瑠衣　(めいせいるい)

・迷星プロダクションという企業の御曹司。