愛されることを諦めた途端に愛されるのは何のバグですか!

雨霧れいん

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素敵なプレゼント

エルは僕が落ち着くまで背中をゆっくり撫でてくれた。それがあまりにも気持ちよくて、泣き疲れていたことも相まって寝落ちしてしまった。

目が覚めたら、僕はベッドに寝かされていてエルは僕は最初部屋に入った時と同じように本を読んでいた。ゆっくり体を起こすと、エルは気づいたのか僕の方に向かってきた。

「おはよう、メウィル。よく寝れた?」

「ん、寝れた。おはよ、」

まだ視界がはっきりしなくて、目を擦っているとエルは水を用意してくれた。エルは王族だから、自分で何か用意するなんてほとんどしないはずなのに、僕のために、それがすごく嬉しかった。
それを、こくり、こくり、と飲み込む。エルは飲み終わったコップをサイドテーブルに乗せては僕のベッドに座った。

「メウィル、明日は僕なにも手伝えないから、準備を手伝うよ。」

「でも、そろそろ帰らないと遅くなっちゃうよ?」

「ん?今日はこっちに泊まって、明日メウィルと一緒に帰るよ。」

「もっと一緒にいられるね、嬉しい。」

「僕もだよ、服とか勝手に見ても平気?」

「うん!選んで、欲しい。」

「わかった、愛しのメウィルのために頑張るよ。」

ふわりと僕に笑いかけて、エルは僕のおでこにキスを落としてから立ち上がった。
一瞬、何をされたか理解できなかった、けど理解した瞬間に顔が赤くなって、恥ずかしいけど嬉しくて、変な気持ちになった。やっぱり、僕はエルが好きだ。

______

次の日、僕はエルと二人で馬車に乗っていた。
この馬車は王家のものだから、普段のよりも豪華だ。シートはふかふかで、ベッドみたい。結構寝れそう。

「今日の服、どう?」

「動きやすいし、色合いも取れててすごい!」

「ほんと?嬉しいよ!あと、これは僕からの贈り物。」

エルが小さな箱を取り出して、それを開いた。出てきたものは宝石があしらわれたネックレスで、エルの髪色をした宝石が光を浴びてキラキラと輝いていた。

「これ、!!」

「うん、ネックレス。僕のだよって、思って欲しくて....」

「嬉しい!付けてくれる?」

「勿論!」

エルは僕にネックレスをつけてくれた。少しおぼつかない手つきで、それが可愛い。

「付けて会食行くね!頑張ってくる!」

「ありがと!頑張ってね、僕は一緒に行けないから..」

少し、切なげなしゅんとした表情を見せてから僕に笑いかけた。エルが、次期国王だったら僕と婚約できたのに、毎日そう思ってやまない。

王城が見えてきて、馬車の速度がいっそう速まる。会食の時間は午後のティータイムに合わせるらしいが、それまでに隣国の王子たちは集まることができるのだろうか。少し不安になる。

そして馬車が止まり、王城へ入ったことを知らせる。
これからはアルト様の許嫁として、エルの幼馴染として振る舞わないといけない。役を演じきれ、僕。
僕なら絶対にできるから。
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