愛されることを諦めた途端に愛されるのは何のバグですか!

雨霧れいん

文字の大きさ
9 / 23

エルのことがもう恋しいなんて

しおりを挟む
「大好き、ってなんだ、レイエル、メウィル。」

突如、扉が開いて思わず振り返る。そこにいたのは、アルト様だった。イラついたような表情をして、腕を組んでそこにたたずんでいた。

「言葉通りですよ、お兄様。」

「メウィルは俺の婚約者だ。」

「両親が勝手に取り決めた婚約で、あなたはメウィルを愛さなかった。好かれてるとでも思っていたんですか?」

「....」

かえす言葉もないのだろう。実際、自分のことをアルト様は愛していなかった。なんで突っかかってくるのかもよくわからない。

「そうか。だが、これから会食がある。こんな場所に居られたら困る。」

「エル、僕は行ってくるよ。」

僕のことをいまだ撫で続けているエルの手を包み込んで、ふわりと微笑む。少し、嫌..凄く名残惜しいけどくるりと振り向いて、アルト様から差し出されている手を取る。そのまま、ぐいっと引き寄せられて少しよろけながらも部屋
を出た。

_____


今回の会食はガーデンで行われるらしいから、ゆっくりとそこに向かう。時折、メイドたちが引っ張られている僕を哀れむように僕を見つめる。

「あれ、あれぇ~!?アルトくんだっ!!」

「アンヘ、うるさい。」

””これ、挨拶しないと怒られるかなー、””とか、無駄なことを色々と考えてると、二人で話し込み始めてしまった。手をつないでいる僕は先にガーデンに向かうこともできないし、この状況はどうしようか。

「奥方が困っていらしてよ?アルトさん。」

「...すまんな、メウィル。ミュエル、先に二人で向かってくれ。」

「えぇ、そうさせてもらうわ。アンヘ..あまり迷惑をかけないでね。行きましょう、メウィルさん」

「はい、お願いします。」

アンヘとミュエル...、この二人は隣の王国の許嫁で、恐ろしいほどに呑気なアンヘを支えるしっかりしたミュエル。性格はまるっきり反対だが、それでも仲がいい。....僕達とは真反対だ。

「メウィルさん、アルト様は相変わらずで?」

「そうですね..ずっと弟様のほうが仲が良い始末で、」

「あら、アルト様もお酷いことね。」

共感してるのか遠回しに皮肉を言っているのかわからないからこの人はあまり好きじゃない、助けてエル!!!!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

虐げられた令息の第二の人生はスローライフ

りまり
BL
 僕の生まれたこの世界は魔法があり魔物が出没する。  僕は由緒正しい公爵家に生まれながらも魔法の才能はなく剣術も全くダメで頭も下から数えたほうがいい方だと思う。  だから僕は家族にも公爵家の使用人にも馬鹿にされ食事もまともにもらえない。  救いだったのは僕を不憫に思った王妃様が僕を殿下の従者に指名してくれたことで、少しはまともな食事ができるようになった事だ。  お家に帰る事なくお城にいていいと言うので僕は頑張ってみたいです。        

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

徒花伐採 ~巻き戻りΩ、二度目の人生は復讐から始めます~

めがねあざらし
BL
【🕊更新予定/毎日更新(夜21〜22時)】 ※投稿時間は多少前後する場合があります 火刑台の上で、すべてを失った。 愛も、家も、生まれてくるはずだった命さえも。 王太子の婚約者として生きたセラは、裏切りと冤罪の果てに炎へと沈んだΩ。 だが――目を覚ましたとき、時間は巻き戻っていた。 この世界はもう信じない。 この命は、復讐のために使う。 かつて愛した男を自らの手で裁き、滅んだ家を取り戻す。 裏切りの王太子、歪んだ愛、運命を覆す巻き戻りΩ。 “今度こそ、誰も信じない。  ただ、すべてを終わらせるために。”

もう殺されるのはゴメンなので婚約破棄します!

めがねあざらし
BL
婚約者に見向きもされないまま誘拐され、殺されたΩ・イライアス。 目覚めた彼は、侯爵家と婚約する“あの”直前に戻っていた。 二度と同じ運命はたどりたくない。 家族のために婚約は受け入れるが、なんとか相手に嫌われて破談を狙うことに決める。 だが目の前に現れた侯爵・アルバートは、前世とはまるで別人のように優しく、異様に距離が近くて――。

お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?

麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。

六年目の恋、もう一度手をつなぐ

高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。 順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。 「もう、おればっかりが好きなんやろか?」 馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。 そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。 嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き…… 「そっちがその気なら、もういい!」 堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……? 倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡

誰よりも愛してるあなたのために

R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。  ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。 前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。 だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。 「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」   それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!  すれ違いBLです。 初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。 (誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)

僕たちの世界は、こんなにも眩しかったんだね

舞々
BL
「お前以外にも番がいるんだ」 Ωである花村蒼汰(はなむらそうた)は、よりにもよって二十歳の誕生日に恋人からそう告げられる。一人になることに強い不安を感じたものの、「αのたった一人の番」になりたいと願う蒼汰は、恋人との別れを決意した。 恋人を失った悲しみから、蒼汰はカーテンを閉め切り、自分の殻へと引き籠ってしまう。そんな彼の前に、ある日突然イケメンのαが押しかけてきた。彼の名前は神木怜音(かみきれお)。 蒼汰と怜音は幼い頃に「お互いが二十歳の誕生日を迎えたら番になろう」と約束をしていたのだった。 そんな怜音に溺愛され、少しずつ失恋から立ち直っていく蒼汰。いつからか、優しくて頼りになる怜音に惹かれていくが、引きこもり生活からはなかなか抜け出せないでいて…。

処理中です...