しあわせピエロ

夜桜アイル

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3話

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「OK、叶えてあげよう。」

わたしは嬉しくなって、思わず笑いました。

「キミはずっと夢の世界で暮らすんだ」

(ユメノセカイってなんだろ……)
不思議に思うわたしを余所に、ピエロさんは

「目を瞑って。いいと言うまで開いちゃいけないよ。」

優しい声でそう言いました。
わたしが目を閉じると、ずっと乗せていた左手を退けて

“パチン”

指を鳴らしました。
体がフワッと浮く感覚がしました。


 「さあ、目を開けてごらん」

ピエロさんの声が聞こえました。

目を開けると、
お花畑の中にわたしはいました。
ピエロさんがまた手品を見せてくれているんだと思いましたが、辺りにピエロさんの姿はありません。
夢を見ているのだと思ったわたしは手の皮をつねってみました。
ちゃんと痛みを感じました。

風が吹けばふわっと花の香りがします。
わたしはその風の吹く方へ、花を掻き分けて歩き始めました。

少し歩くと遠くに人影が見えました。

「あ…あ…」

人影に向かってわたしは走り始めました。

あれは間違いない。
お父さんとお母さんです。

わたしは二人の背中に飛びついて、赤ちゃんみたいにわんわん泣きました。
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