とある伯爵の憂鬱

如月圭

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 玉座の間では、アイリーン王女の姿がを探していた陛下に、サンガー公爵が、

 「誰かをお探しですか?陛下?」

 皮肉めいた笑みで言うと、陛下は、

 「おぉ、公爵!アイリーンの姿が見えないのだが、知らぬか?」

 心配そうに言った。公爵は、

 「陛下、アイリーン王女殿下なら、貴族牢に居ますよ。マリア嬢を折檻して、ナーガに拘束されて不敬罪だと叫んだようです!どうしようもないので、そのまま牢屋に入れてあります」

 と笑った。陛下は、それを聞き、

 「アイリーンが牢屋の中にいるのは本当か?なぜ、助けない?」

 そう公爵に問う。すると、話を聞いていた王太子が、

 「待って下さい、父上!今、マリア嬢がアイリーンに折檻をされたというのは、本当か?公爵?」

 陛下の代わりに言った。公爵は、

 「本当です。ここに居るナーガがアイリーン王女殿下に言われて、マリア嬢を拐かしたのです。その理由が、コーナー伯爵との婚姻がしたいアイリーン王女殿下が、マリア嬢に婚約破棄の書類にサインをさせようとして、マリア嬢が拒むと、鞭を打ち、婚約破棄を迫ったとか。そうだな?ナーガ!?」

 とナーガに言った。ナーガは、アイリーン王女が自分に言ったことを、全て王太子に言った。それを聞いた王太子は、怒り、

 「マリア嬢には、本当に申し訳ないことをした。アイリーンのことは、私に任せてくれ、父上、よろしいですね!」

 と陛下を見た。王太子は続けて、

 「これ以上アイリーンを野放しにはしておけん!直ちに奴を修道院へ入れる!文句がある者は、私が聞こう!父上!よろしいですね?」

 王太子は言った。それを聞いていたへいかは 、王太子の迫力に負けて、

 「うむ、そのようにしなさい!」

 そう言って、アイリーン王女の処遇を受け入れた。
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