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イリアの安堵
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「イリア様ご婚約おめでとうございます。」
「「おめでとうございます」」
無事にガーネット王国に到着し、すぐに婚約となった。
婚約はイリアの体調を気遣い、式はせずに書面にサインをする簡易的なものだった。
元々イリヤは帝国でも部屋からほとんど出ずに過ごしていた。杖をつけば部屋の中は不自由なく歩けるが、段差や数分以上の移動では従者の介助が必要になる。帝国でも自室以外への移動は従者が不可欠で、父王も部屋から出る事を望まない為どうしても部屋に引き篭もる生活となっていた。
ガーネット王国の部屋に到着すると共に帝国から連れてきた侍女達が深々とお辞儀をして黄金の瞳をうっとりと見つめてくる。
「ええ、ありがとう。」
侍女達に一声かけるとイリアのゆっくりと歩き、椅子に座り一息ついた。
部屋では侍女達が帝国から持ってきた沢山の荷物を手際よく片付けている。
「皇帝様も何を考えているのでしょう」
「帝国に次ぐ広さとは言え、王国などにイリヤ様を嫁がせるなと」
「ほんとですわ。至高の黄金眼をお持ちの尊い姫君ですのに」
イリアは侍女達が話しているのを聞きながら安堵の息を漏らした。
ここまでが大変だった。
何年も王国行きを望みながら、帝国から出れずにいたのだ。
今回父皇が急逝し、なんとか王国に辿り着く事ができた。
イリアの望みや、王国に来るまでにした事が帝国にバレると直ぐに連れ戻されるだろう。
兄皇帝は、皇帝としての素質は抜きん出ているが、身近なものへの意識は低い。
亡くなった父に比べると、帝国から抜け出すのはとても簡単だった。
異母兄弟であり、交流が少なかったのもイリアにとってはありがたかった。
もう何年も変わらない表情を、少しだけ緩めわずかに笑う。
王国に着いたならイリアの目的は半分以上達成したも同然だ。
この調子なら期限の一年以内にはイリアの目的も達成できそうだ。
やっと辿り着いた王国。制約も多いがイリアは満足していた。
だが、油断はできない。特に連れてきた侍女達に悟られるわけにはいかない。
イリアは誘導する事はできても、記憶を変える事はできないのだから。
「「おめでとうございます」」
無事にガーネット王国に到着し、すぐに婚約となった。
婚約はイリアの体調を気遣い、式はせずに書面にサインをする簡易的なものだった。
元々イリヤは帝国でも部屋からほとんど出ずに過ごしていた。杖をつけば部屋の中は不自由なく歩けるが、段差や数分以上の移動では従者の介助が必要になる。帝国でも自室以外への移動は従者が不可欠で、父王も部屋から出る事を望まない為どうしても部屋に引き篭もる生活となっていた。
ガーネット王国の部屋に到着すると共に帝国から連れてきた侍女達が深々とお辞儀をして黄金の瞳をうっとりと見つめてくる。
「ええ、ありがとう。」
侍女達に一声かけるとイリアのゆっくりと歩き、椅子に座り一息ついた。
部屋では侍女達が帝国から持ってきた沢山の荷物を手際よく片付けている。
「皇帝様も何を考えているのでしょう」
「帝国に次ぐ広さとは言え、王国などにイリヤ様を嫁がせるなと」
「ほんとですわ。至高の黄金眼をお持ちの尊い姫君ですのに」
イリアは侍女達が話しているのを聞きながら安堵の息を漏らした。
ここまでが大変だった。
何年も王国行きを望みながら、帝国から出れずにいたのだ。
今回父皇が急逝し、なんとか王国に辿り着く事ができた。
イリアの望みや、王国に来るまでにした事が帝国にバレると直ぐに連れ戻されるだろう。
兄皇帝は、皇帝としての素質は抜きん出ているが、身近なものへの意識は低い。
亡くなった父に比べると、帝国から抜け出すのはとても簡単だった。
異母兄弟であり、交流が少なかったのもイリアにとってはありがたかった。
もう何年も変わらない表情を、少しだけ緩めわずかに笑う。
王国に着いたならイリアの目的は半分以上達成したも同然だ。
この調子なら期限の一年以内にはイリアの目的も達成できそうだ。
やっと辿り着いた王国。制約も多いがイリアは満足していた。
だが、油断はできない。特に連れてきた侍女達に悟られるわけにはいかない。
イリアは誘導する事はできても、記憶を変える事はできないのだから。
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