ストーカーではありません!

仲 奈華 (nakanaka)

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ワタシではありません!

ニエダ!

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シーラは久しぶりに元同僚のソフィアと会い楽しい時間を過ごした。

ソフィアはとても綺麗になっていた。

話を聞くと、最近結婚をしたらしい。

お嬢様の専属使用人として忙しい日々を送っていたソフィアには、恋愛に無縁だとシーラは思っていたから驚いた。

親に捨てられ、小さい頃からグレゴール侯爵家で働かされていたソフィアは、シーラにとって妹のような存在だった。

シーラは、ソフィアが帰った直後、グレナ亭の裏口から外に出て、風に合たっていた。

シーラの赤髪が風に吹かれ炎のようになびく。

シーラはソフィアがグレゴール侯爵家から出て行った日を思い出していた。ソフィアが出て行ってから、どんどん屋敷の使用人が辞めて行った。面倒見がいいジョンが亡くなった事で、高齢の使用人がまず屋敷を離れた。シーラを含めて若い使用人が何人か残っているが、そろそろ潮時かもしれない。

そんな事を考えていた時、グレナ亭の中が騒がしくなった。

なにやら声が聞こえてくる。

「ザックバード公爵様」

ガシャーーン

「やめてください」

ドーーン

「騎士団長。どうしてそんな。」

ドタドタ

「あああああああ!」

その声と争うような物音にシーラは後ずさった。

(まさか、ザックバード公爵は、まだ茶髪の娘を探していたの?絶対に見つかってはいけないとお嬢様が言っていたわよね。私がここにいたらダメだわ。逃げないと。)

シーラは、急いでグレナ亭を後にした。






グレゴール侯爵家にたどり着いたシーラは一息ついた。
緊張しながら、使用人出入口を目指す。きっと大丈夫だ。グレナ亭にいるガイクやメアリー、ロンはもう何年も前にグレゴール侯爵家を辞めた者達だ。仲間意識が強い元使用人達は決してグレゴール侯爵家の事を話さないはず。


そう大丈夫。




使用人口のドアをシーラは開いた。



シーラは驚く。こんな場所にいる筈がない人物がそこに立っていたからだ。


そこには居たのは、マーガレットお嬢様と、お嬢様の護衛をする2人の屈曲な男性使用人だった。



マーガレットお嬢様は金髪の巻き髪を垂らし、その人形みたいに整った顔を歪めて言った。

「遅かったわね。シーラ。貴方に最後の仕事を頼みたいのよ。」

シーラは、とっさに逃げようとする。

そう言えば、ガイクが言っていたではないか。最近辞めたグレゴール亭の使用人はグレナ亭に来ていないと。

じゃあ、どんどん減る使用人達はどこに行ったのか?

嫌な予感がする。だけど気づく事が遅すぎた。

護衛の二人に引きずられながら、シーラはグレゴール亭の地下に連れていかれた。






地下では何かの集会が開かれていた。

広い石畳の空間に10人程の黒いロープを被った怪しい人物が大きな丸い石の台を取り囲み椅子に座っている。

中央の丸い石の台には、複雑な魔方陣のようなものが描かれており、所々どす黒く汚れていた。

シーラは、その石の台の上に連れていかれ、両手足を無理やり押さえつけられた。


お嬢様はいつのまにか黒いローブを被っていた。


お嬢様が言う。

「偉大なる我らが悪魔よ。この若い生贄を捧げます。我らの願いを今宵こそ聞き届けください。」

シーラの体の上には、ザックバード公爵の生写真や、似顔絵が並べられた。

シーラはブルブルと震え声を出す事ができない。





周囲を囲むローブの人物達が、笑いながら話す。ローブの人物達は皆、若い女性の声をしていた。

「ふふふ。本当は、髪の毛とか本人の体液がいいのにね。」

「生写真だって貴重だわ。あの黒影会だって手に入れられないそうじゃない。」

「あら、黒影会なんて邪道よ。忌々しいソニア王女を支持しているそうじゃない。」

「ふふふ、でも、今回成功したら、ソニア王女なんて、、、、」

「本当に、マーガレットお嬢様のおかげね。」

「ええ、マーガレットお嬢様のご尽力で支援者もできたのでしょう。」




マーガレットお嬢様は漆黒の短刀を持って、シーラに近づいてきた。

シーラは、なんとか声を出し、お嬢様へ懇願する。

「お願いです。お嬢様。助けてください。」

マーガレットお嬢様はロープの下からのぞく口元で笑みを作り言った。

「安心してシーラ。ちょっと血が必要なだけなの。貴方のおかげでザックバード様を召喚する黒魔術が成功するのよ。」

(そんな。我が儘だと思っていたけど、こんなに頭がおかしい人だったなんて。)

マーガレットお嬢様はシーラに短剣を振り下ろしてきた。
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