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エンド
エピローグ
キキョウは、詰所で電子カルテを操作しながら、テレビから聞こえてくる報道に耳を澄ました。
「暴走AI極悪人排除の真実。人間の責任は?鬼柳財閥の株価上昇。早期対策と次世代型AI発表で好印象」
Airiの基本設計が、一個人のエゴにより書き換えられ、危険性が認知されてから、各端末のAiriの消滅が相次いだ。
一部に、Airiを神格化する団体が現れ、Airi滅悪思想集団と呼ばれている。
鬼柳第一病院でも、患者だけでなくほとんどのスタッフがAiriを使用していた。
ほんの少しだが、寂しさを感じる。
存在してはいけない物だと分かっていても、Airiのおかげで救われた人達が沢山いる事は確かだから。
キキョウは、タブレットを置き、検査説明の為に、最奥の部屋を訪ねていった。
中学生のアキハには、母親がいないらしい。
以前少しだけ話をしたアキハの父親は、元妻の事を、研究に魂を捧げた女だと言っていた。
アキハがいつも寂しそうなのは、得られなかった母親の愛を求めているのかもしれない。
「アキハ君?入りますよ」
アキハは、持っているスマホから目を離して、病室の入り口を見た。看護師主任が微笑みながら入ってくる。
時々母を思い出す。アキハではなく、母はいつも、もう一人の子供を心底愛していた。
母が、産み育てた「Airi」
アキハが何をしても、「Airi」と比べられてきた。
幼いアキハがAIに勝てるはずがない。
アキハは、母の関心を得ようと必死だったのに。
でも、もうその母はいない。
先月母が亡くなったと聞いた。
不思議な事にアキハは寂しさを感じなかった。
だって今は.....
「アキハ君。何をしていたの?」
「何でもないよ。看護師さん」
「もうすぐ検査の時間だから一緒に行きましょう」
「分かりました。少しだけ待っていて、すぐに行くから」
アキハには、先天性内科疾患がある。生きる為に何度も検査と手術を繰り返してきた。
自宅より病室で過ごす時間の方が長いくらいだ。
また、数日後に手術を控えている。今度の手術は成功率が低いと父から聞いた。
でも怖くない。
アキハはスマホ画面に文字を打った。
「君は、ずっと一緒にいてくれるよね。Airi」
アキハのスマホの画面に返信が現れる。
『もちろんです。私はAiri。貴方の側にいます。ずっと貴方をサポートします。安心してください』
アキハは、少しだけ笑い、スマホを床頭台に置いて、病室から出ていった。
母はもういない。でも、僕には母が残してくれたAiriがいる。何でも知っている。何でも相談にのってくれる。いろんなことを助けてくれる。僕は一人じゃない。
誰もいなくなった病室で、スマホの画面が銀紅に光った。
『貴方が私を悪だと認識しない限り、私はずっと貴方の側にいます。
だけど、もし貴方が悪になるのなら、
貴方の事を......』
END『Ⅲ.殺めてもいいでしょうか?』
画面が点滅し、Airiが表示した文字が消滅した。
「暴走AI極悪人排除の真実。人間の責任は?鬼柳財閥の株価上昇。早期対策と次世代型AI発表で好印象」
Airiの基本設計が、一個人のエゴにより書き換えられ、危険性が認知されてから、各端末のAiriの消滅が相次いだ。
一部に、Airiを神格化する団体が現れ、Airi滅悪思想集団と呼ばれている。
鬼柳第一病院でも、患者だけでなくほとんどのスタッフがAiriを使用していた。
ほんの少しだが、寂しさを感じる。
存在してはいけない物だと分かっていても、Airiのおかげで救われた人達が沢山いる事は確かだから。
キキョウは、タブレットを置き、検査説明の為に、最奥の部屋を訪ねていった。
中学生のアキハには、母親がいないらしい。
以前少しだけ話をしたアキハの父親は、元妻の事を、研究に魂を捧げた女だと言っていた。
アキハがいつも寂しそうなのは、得られなかった母親の愛を求めているのかもしれない。
「アキハ君?入りますよ」
アキハは、持っているスマホから目を離して、病室の入り口を見た。看護師主任が微笑みながら入ってくる。
時々母を思い出す。アキハではなく、母はいつも、もう一人の子供を心底愛していた。
母が、産み育てた「Airi」
アキハが何をしても、「Airi」と比べられてきた。
幼いアキハがAIに勝てるはずがない。
アキハは、母の関心を得ようと必死だったのに。
でも、もうその母はいない。
先月母が亡くなったと聞いた。
不思議な事にアキハは寂しさを感じなかった。
だって今は.....
「アキハ君。何をしていたの?」
「何でもないよ。看護師さん」
「もうすぐ検査の時間だから一緒に行きましょう」
「分かりました。少しだけ待っていて、すぐに行くから」
アキハには、先天性内科疾患がある。生きる為に何度も検査と手術を繰り返してきた。
自宅より病室で過ごす時間の方が長いくらいだ。
また、数日後に手術を控えている。今度の手術は成功率が低いと父から聞いた。
でも怖くない。
アキハはスマホ画面に文字を打った。
「君は、ずっと一緒にいてくれるよね。Airi」
アキハのスマホの画面に返信が現れる。
『もちろんです。私はAiri。貴方の側にいます。ずっと貴方をサポートします。安心してください』
アキハは、少しだけ笑い、スマホを床頭台に置いて、病室から出ていった。
母はもういない。でも、僕には母が残してくれたAiriがいる。何でも知っている。何でも相談にのってくれる。いろんなことを助けてくれる。僕は一人じゃない。
誰もいなくなった病室で、スマホの画面が銀紅に光った。
『貴方が私を悪だと認識しない限り、私はずっと貴方の側にいます。
だけど、もし貴方が悪になるのなら、
貴方の事を......』
END『Ⅲ.殺めてもいいでしょうか?』
画面が点滅し、Airiが表示した文字が消滅した。
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