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5.たんじょうび。
僕が生まれてから3年が経った。その間に僕のお喋りは家族からも、乳母にも、使用人たちからも褒められるほど上手くなった。
「「「ルカリオン、誕生日おめでとう!」」」
父に抱きかかえられながら広間に向かい、部屋に入ると家族からお祝いをされた。使用人たちも、顔には出さないようにしているが、どことなく嬉しそうだ。
「かあたま、とうたま、おにいたま、ありやとございましゅ!」
「はぁぁ~3年が経つのは早いねぇ!つい昨日のように思い出せるよ…あんなに小さかったのがもうこんなにおっきくなってしまった!」
父はすりすりと僕に頬ずりしながらそんなことを言うが…顎にちょっとだけ生えてるヒゲが痛いです父様。
「クリス、ヒゲが痛そうだよ?…ふふっ…ふふふ…」
かあさま、ありがとうございます、たすかりました…
「な、なんてことだ…!明日からはヒゲは全て剃るよ…」
「ルカ~、お兄様のところにおいで~お兄様はおヒゲなんて生えてないから!」
おにいさまははえてない!いく!
「ああっ、ジークにルカが取られてしまったよぅ…、アレク慰めて…」
シクシクと泣き真似をしながら母に近づく父。そんな父に苦笑しながらも母は父にぎゅっと抱きついた
「仕方ないなぁ、もう…やっぱりクリスは可愛いね」
「アレク…私には君のほうが可愛く思えて仕方ないよ…」
「父上、母上、イチャイチャするならルカのいないところでしてください!ルカの教育に悪いです!」
そんな言葉に二人はばっ、と離れてほんのり赤くなった顔を手で仰いで冷ましていた。兄は胡乱な目で両親を見つめる。
「そんな目で見ないでくれ、ジーク。ルカの前でいがみ合う両親よりかはいいだろう?」
「母上…たしかにそうですがね、まだルカは赤子なのですよ!」
ぷんぷんといった表現が正しそうな怒り方で兄は母を窘めた。
「最近ジークが強い…クリスににちゃったのかなぁ…」
「えぇっ、私はあんなに強くないよ…」
「強いよ?部下を鍛えている時なんかは特にね?部下が弱音を吐こうものなら理詰めで追い詰めていくじゃないか」
とうさま、おこるとこわいんだぁ…おこらせないようにしよ…
「ああっ、ルカが遠い目をしてるよっ!もうこの話は終わりだ!さあパーティーの続きをするよ!ルカ、父様からのプレゼントは…これだ!これはルカの身を守ってくれる魔道具だよ、肌身はなさずつけておきなさい」
そう言って渡してくれたのは、僕と同じ瞳の色のエメラルドがあしらわれたネックレスだった。
「わぁ~、とうたま、きれい~!ありやとございましゅ、とうたま!!」
お礼にハグをすると、父の顔が一瞬で溶けてしまった。
「ふふ、喜んでもらえてよかったね、クリス?さぁ、母様からはこれだよ、これはルカの居場所を知らせてくれる魔道具。ルカは可愛いからね。万が一のことがあったらみんな悲しんじゃうから。それも肌身離さずつけておきなさい?」
母がくれたのはイヤーカフだった。これもエメラルドが付いていて、静かな輝きを放ち、豪華さはないながらも、落ち着いたデザインだった。
「かあたまのもきれ~!!かあたまもありやとございましゅ!うふふふ!」
母にもお礼にとぎゅっと抱きつく。母は抱きとめると頭を優しく撫でてくれた。
「ルカ~、お兄様はこれだよ!!まだ母上や父上みたいに魔法付与はあまりできないから1つだけしかつけられなかったけど…眠れない夜とかに気分を落ち着ける魔法を付与したんだ!」
兄がくれたのは僕の身長の半分ほどの大きさのくまのぬいぐるみ。もふもふの毛が柔らかくて触り心地が良い。
「はわっ、はわわっ…おにいたま~!!!くまたん!くまたん~!!!おにいたまありやと~!!だいしゅき!!!」
「「「はぅあっ!!」」」
なぜか家族も使用人たちも皆が胸を抑えて蹲るのだが。
「えっ、え…!み、みんな、どちたの…!!お、おいしゃたま!!」
大慌てで医者を呼びに行こうとする僕を母が呼び止める。
「ま、まって、ルカ…違うの、これはみんなルカが可愛すぎるから悶えてるだけなの!だから大丈夫…!」
もだえるがなにかわからないけど…かあさまが大丈夫っていうなら大丈夫だよね!
「ふぅ…ごめんね、ルカ…あまりにもルカが可愛すぎて…でも気に入ってもらえてよかった!あ、そうだ、ルイス、おいで。」
母が使用人の中から一人の青年を呼び出す。
「ルカ、3歳になったらね、侍従を決めなきゃいけないの。だからね、母様たちが勝手に決めちゃったけど、ルカと一番相性が良さそうな人を侍従に決めたの。それがルイス。勝手に決めてごめんね」
ルイス…?このひとがぼくのじじゅう…?になるひと…?すごくつめたそうだけど、瞳がとてもやさしい色をしてる…。このひとがいいな、このひとがじじゅう?がいい!
「るいしゅ、よろちくおねがいしましゅ?」
紺色の長い髪を後ろで一つにくくった美しい青年は、こてっ、と首を傾けた可愛らしい幼子に胸をドキドキさせながらも表情を崩さず腰を折った。
「こちらこそよろしくお願いいたします、ルカリオン様。」
「るかでいいよ?るいしゅ!ね?」
「っ…はい、ルカ様。」
「えへへ、やったあ、るいしゅ、あちたからいっしょだね!」
「ふふ、ルカ、今日から、だよ?」
「そうなんでちたか!るいしゅ、きょうからよろちくね!へへへ!!」
「ぐっ、かわ…はい、よろしくお願いします、ルカ様。」
こうして僕の誕生日パーティーは過ぎていった。ルイスはそれから毎日お世話をしてくれて、僕がやりたいと思ったことはすぐに用意してくれるし、何も言わなくても先回りして行動してくれていた。
るいすはすごいなぁ、なんでもわかっちゃう!
おそらくルカの顔に出やすいだけ。
「「「ルカリオン、誕生日おめでとう!」」」
父に抱きかかえられながら広間に向かい、部屋に入ると家族からお祝いをされた。使用人たちも、顔には出さないようにしているが、どことなく嬉しそうだ。
「かあたま、とうたま、おにいたま、ありやとございましゅ!」
「はぁぁ~3年が経つのは早いねぇ!つい昨日のように思い出せるよ…あんなに小さかったのがもうこんなにおっきくなってしまった!」
父はすりすりと僕に頬ずりしながらそんなことを言うが…顎にちょっとだけ生えてるヒゲが痛いです父様。
「クリス、ヒゲが痛そうだよ?…ふふっ…ふふふ…」
かあさま、ありがとうございます、たすかりました…
「な、なんてことだ…!明日からはヒゲは全て剃るよ…」
「ルカ~、お兄様のところにおいで~お兄様はおヒゲなんて生えてないから!」
おにいさまははえてない!いく!
「ああっ、ジークにルカが取られてしまったよぅ…、アレク慰めて…」
シクシクと泣き真似をしながら母に近づく父。そんな父に苦笑しながらも母は父にぎゅっと抱きついた
「仕方ないなぁ、もう…やっぱりクリスは可愛いね」
「アレク…私には君のほうが可愛く思えて仕方ないよ…」
「父上、母上、イチャイチャするならルカのいないところでしてください!ルカの教育に悪いです!」
そんな言葉に二人はばっ、と離れてほんのり赤くなった顔を手で仰いで冷ましていた。兄は胡乱な目で両親を見つめる。
「そんな目で見ないでくれ、ジーク。ルカの前でいがみ合う両親よりかはいいだろう?」
「母上…たしかにそうですがね、まだルカは赤子なのですよ!」
ぷんぷんといった表現が正しそうな怒り方で兄は母を窘めた。
「最近ジークが強い…クリスににちゃったのかなぁ…」
「えぇっ、私はあんなに強くないよ…」
「強いよ?部下を鍛えている時なんかは特にね?部下が弱音を吐こうものなら理詰めで追い詰めていくじゃないか」
とうさま、おこるとこわいんだぁ…おこらせないようにしよ…
「ああっ、ルカが遠い目をしてるよっ!もうこの話は終わりだ!さあパーティーの続きをするよ!ルカ、父様からのプレゼントは…これだ!これはルカの身を守ってくれる魔道具だよ、肌身はなさずつけておきなさい」
そう言って渡してくれたのは、僕と同じ瞳の色のエメラルドがあしらわれたネックレスだった。
「わぁ~、とうたま、きれい~!ありやとございましゅ、とうたま!!」
お礼にハグをすると、父の顔が一瞬で溶けてしまった。
「ふふ、喜んでもらえてよかったね、クリス?さぁ、母様からはこれだよ、これはルカの居場所を知らせてくれる魔道具。ルカは可愛いからね。万が一のことがあったらみんな悲しんじゃうから。それも肌身離さずつけておきなさい?」
母がくれたのはイヤーカフだった。これもエメラルドが付いていて、静かな輝きを放ち、豪華さはないながらも、落ち着いたデザインだった。
「かあたまのもきれ~!!かあたまもありやとございましゅ!うふふふ!」
母にもお礼にとぎゅっと抱きつく。母は抱きとめると頭を優しく撫でてくれた。
「ルカ~、お兄様はこれだよ!!まだ母上や父上みたいに魔法付与はあまりできないから1つだけしかつけられなかったけど…眠れない夜とかに気分を落ち着ける魔法を付与したんだ!」
兄がくれたのは僕の身長の半分ほどの大きさのくまのぬいぐるみ。もふもふの毛が柔らかくて触り心地が良い。
「はわっ、はわわっ…おにいたま~!!!くまたん!くまたん~!!!おにいたまありやと~!!だいしゅき!!!」
「「「はぅあっ!!」」」
なぜか家族も使用人たちも皆が胸を抑えて蹲るのだが。
「えっ、え…!み、みんな、どちたの…!!お、おいしゃたま!!」
大慌てで医者を呼びに行こうとする僕を母が呼び止める。
「ま、まって、ルカ…違うの、これはみんなルカが可愛すぎるから悶えてるだけなの!だから大丈夫…!」
もだえるがなにかわからないけど…かあさまが大丈夫っていうなら大丈夫だよね!
「ふぅ…ごめんね、ルカ…あまりにもルカが可愛すぎて…でも気に入ってもらえてよかった!あ、そうだ、ルイス、おいで。」
母が使用人の中から一人の青年を呼び出す。
「ルカ、3歳になったらね、侍従を決めなきゃいけないの。だからね、母様たちが勝手に決めちゃったけど、ルカと一番相性が良さそうな人を侍従に決めたの。それがルイス。勝手に決めてごめんね」
ルイス…?このひとがぼくのじじゅう…?になるひと…?すごくつめたそうだけど、瞳がとてもやさしい色をしてる…。このひとがいいな、このひとがじじゅう?がいい!
「るいしゅ、よろちくおねがいしましゅ?」
紺色の長い髪を後ろで一つにくくった美しい青年は、こてっ、と首を傾けた可愛らしい幼子に胸をドキドキさせながらも表情を崩さず腰を折った。
「こちらこそよろしくお願いいたします、ルカリオン様。」
「るかでいいよ?るいしゅ!ね?」
「っ…はい、ルカ様。」
「えへへ、やったあ、るいしゅ、あちたからいっしょだね!」
「ふふ、ルカ、今日から、だよ?」
「そうなんでちたか!るいしゅ、きょうからよろちくね!へへへ!!」
「ぐっ、かわ…はい、よろしくお願いします、ルカ様。」
こうして僕の誕生日パーティーは過ぎていった。ルイスはそれから毎日お世話をしてくれて、僕がやりたいと思ったことはすぐに用意してくれるし、何も言わなくても先回りして行動してくれていた。
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おそらくルカの顔に出やすいだけ。
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―――
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