OSAMU

YAKIRI

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あんず3

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気付けばコニさんの枠に通うようになって早1ヵ月。あっという間に感じる。今まで特に楽しみもなく働くだけだった私にとって、この1ヵ月は充実したものだった。目標のために頑張っていた仕事も日々の楽しみができたおかげでより頑張れている。Pisponを始めて良かったと、心からそう思う。

今夜は早めに枠が終了した。いつもは深夜2時頃まで開かれていることが多いが今夜は0時前に終わってしまった。私はいつも家に着くのが0時過ぎなのでそれ以降でしか上がることができない。なんだか寂しい気持ちで玄関を開ける。机にバッグとスマホを置き風呂場に向かおうとすると不意にバイブレーションが鳴りその音に驚かされた。机に置かれた状態でのスマホのバイブレーションはうるさいのだ。おそらく小刻みに机にぶつかっているのだろう。私はあの音が苦手だ。
少しイラつきながらスマホを開くとPisponの通知が来ていた。コニさんからDMが来ているようだ。内容は私個人と通話したいというものだった。もしかするとこのために枠を早めに切り上げたのだろうか?ちょうど寂しい気持ちだったし、話したいと言われるのは悪い気はしないが何だか申し訳ない気持ちになる。
私は入浴の時間が人より長い方なので先に通話してから入浴することにした。コニさんに返信しなければ。

「ちょうど今帰ったとこなのであと30分位したら大丈夫です(╹◡╹)」

風呂は後でもいいが何か食べておきたい。通話中にお腹が鳴ることだけは避けたい。カップ麺と帰りにコンビニで買ってきたサラダを食べる。健康に気を遣いサラダを食べているわけではない。私は単純にサラダが好きだ。そもそも健康に気遣っていたらタバコなど吸わないだろう。
スマホが鳴る。コニさんから返信が来た。

「通話するのにLINE交換しても大丈夫ですか?」

ネットで知り合った人とLINEを交換するのは初めてだがコニさんなら大丈夫だろう。LINEのIDをDMに記載し返信した。するとすぐLINEにコニさんからコンタクトが来た。友達に追加すると私とコニさんのトークができた。

「追加ありがとうございます!」

「こちらこそありがとうございます(๑>◡<๑)」

「あと10分くらいしたら通話かけて大丈夫ですか?」

「いいですよ!少し緊張します!」

メッセージのやり取りより、LINEの方が会話のテンポが早い。あっという間に10分が経ちコニさんから着信が来た。スマホは手元にあるのですぐに出ることができるがあえて5秒ほど待ってから出た。

「もしもしあんずちゃん。」

「もしもしあんずです!」 

「お仕事お疲れ様。2人で話せて嬉しいよ!」

「私も嬉しいです!コニさんと話せて!」

他愛のない会話が進んでいく。夜ご飯は何だった?だとか好きな色は?など準備運動のような会話だ。私は充分楽しんでいたがコニさんは楽しんでいるだろうか?
お互いに通話も慣れ始めたところコニさんが

「今の仕事をブラックで大変みたいだね。転職とか考えたりしてないの?」 

と聞いてきた。少し突っ込んだ質問に戸惑ったが

「私夢があって、そのためにキツい仕事でも頑張ってるんです。それにコニさん達と出会って楽しみができたから全然平気なんです!」  

「夢があるんだ!どんな夢?」

「少し恥ずかしいのですが、自分の店を持ちたいんです。そのために資金を貯めているんです!」 

「へーすごいね。それで転職するとしたら何系の仕事が良い?」

大丈夫と言ったはずだがコニさんはまだ転職の話をしている。きっと私の身体のことを心配してくれているのだろう。

コニさんは本当に優しい。
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