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幼年期
24、結婚式
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幸せそうに微笑むお母さま、そしてそんなお母さまを無表情だけども愛おしそうに見つめるお義父さま。
そんな二人を見ていたら、ちょっと涙が……。
小さなころはサイラス叔父さまとお母さまが夫婦だと勘違いしていたこともあったボクだけれど、こうしてみると全然違うんだな、って。
甘えるようにほんの僅かにお義父さまに体重を預ける姿は、なんというかどこか少女のようで「お母さま」とはちょっと違って見える。幸せそうで嬉しいのに、どこか「ボクだけのお母さま」じゃあなくなったような気がして、少しだけ寂しい。
無意識のうちにきゅっとジル兄さまの手を握り締めてしまったみたい。
お兄さまが反対の手でボクの手を優しく撫で、「どうした?」とボクの顔を覗き込んだ。
でも「ボクのお母さまを取られちゃうみたいで寂しい」だなんて言えない。
だってその代わりボクには最高のお兄さまができて、とっても頼りになるカッコいいお義父さまができるんだもの。
得るもののほうが多いのに寂しいだなんて、おかしいもの。
だからボクはなんでもない顔で微笑んだ。
「えっと、美しく着飾ったお母さまを見るのは初めてなので、ちょっと驚いてしまいました」
これも嘘ではないので。
お兄さまはちょっとだけ瞬きをしたあと、少し首を傾げた。
この、首を傾げるのはお兄さまの癖なのかな?なんだか可愛い。
「父上と義母上はパーティーで出会ったと聞いたが、その際もドレスアップされていたのではないのか?」
「それはそうですが……なんて言ったらいいのか分かりませんが、それでも違う気がします」
「ふむ。言われてみれば確かに違うな。元々お美しいが、今は更に輝いているように見える。なぜだろうか……」
ふたりで首をひねっていると、くるりとお母さまが振り返った。
「答えは簡単。私が最高に幸せを感じているからだわ。
大切な愛しい息子に祝福されて、愛する人と家族になれるのだもの。そして、こんなに素敵な息子ができるのよ?
これ以上の幸せがあるかしら?」
「ほら、いらっしゃい、息子たち」とボクたちに向かって両手を広げた。
あ!このお顔は、ボクの大好きな「お母さま」のお顔だ!
見慣れた笑顔に嬉しくなったボクは、お母さまの腕の中に飛び込んだ。
ボスン!
あれ?片方の手がおかし……あ!そうだった!お兄さまと繋いだままなのだった!
息子たち、って言ったのに、お兄さまは?
繋いだ手を辿ると、ジル兄さまがまるで迷子の子供のように途方に暮れた表情で立ち尽くしていた。
「ジルベスター?ほら、あなたもよ?あなたも私の息子でしょう?いらっしゃい」
「お兄さま!お兄さまも!抱っこですよ!ほら!!」
恐る恐る近づいてきたお兄さまが、ボクの隣に立った。
「ほら、こうやって抱っこしてもらうのです!」
むぎゅ、っとお母様に抱き着いて見本を見せた。
大丈夫ですよ、とにこっと笑って見せると、お兄さまがコクリ。思い切ったようにそっとお母さまに手を伸ばした。
すかさずお兄さまの背を片手でえいやっと押す。
「うわっ」
思わず全身でお母さまに突っ込んだお兄さま。
「クリス、よくやったわ!」
すかさずお母さまがボクごとぎゅむっと抱きしめた。
「えへへへ!家族の抱っこですね!とても幸せです!」
するとボクたちの後ろに大きな気配。
「……私も入れてもらえないだろうか?」
お義父さまだ!
お義父さまはボクとお兄さまをまるごと包み込むようにしてお母様に腕を回した。
ボクの背にあたるお義父さまの体は、とても大きくて安心した。
これが「お父さま」というもの?
そんな二人を見ていたら、ちょっと涙が……。
小さなころはサイラス叔父さまとお母さまが夫婦だと勘違いしていたこともあったボクだけれど、こうしてみると全然違うんだな、って。
甘えるようにほんの僅かにお義父さまに体重を預ける姿は、なんというかどこか少女のようで「お母さま」とはちょっと違って見える。幸せそうで嬉しいのに、どこか「ボクだけのお母さま」じゃあなくなったような気がして、少しだけ寂しい。
無意識のうちにきゅっとジル兄さまの手を握り締めてしまったみたい。
お兄さまが反対の手でボクの手を優しく撫で、「どうした?」とボクの顔を覗き込んだ。
でも「ボクのお母さまを取られちゃうみたいで寂しい」だなんて言えない。
だってその代わりボクには最高のお兄さまができて、とっても頼りになるカッコいいお義父さまができるんだもの。
得るもののほうが多いのに寂しいだなんて、おかしいもの。
だからボクはなんでもない顔で微笑んだ。
「えっと、美しく着飾ったお母さまを見るのは初めてなので、ちょっと驚いてしまいました」
これも嘘ではないので。
お兄さまはちょっとだけ瞬きをしたあと、少し首を傾げた。
この、首を傾げるのはお兄さまの癖なのかな?なんだか可愛い。
「父上と義母上はパーティーで出会ったと聞いたが、その際もドレスアップされていたのではないのか?」
「それはそうですが……なんて言ったらいいのか分かりませんが、それでも違う気がします」
「ふむ。言われてみれば確かに違うな。元々お美しいが、今は更に輝いているように見える。なぜだろうか……」
ふたりで首をひねっていると、くるりとお母さまが振り返った。
「答えは簡単。私が最高に幸せを感じているからだわ。
大切な愛しい息子に祝福されて、愛する人と家族になれるのだもの。そして、こんなに素敵な息子ができるのよ?
これ以上の幸せがあるかしら?」
「ほら、いらっしゃい、息子たち」とボクたちに向かって両手を広げた。
あ!このお顔は、ボクの大好きな「お母さま」のお顔だ!
見慣れた笑顔に嬉しくなったボクは、お母さまの腕の中に飛び込んだ。
ボスン!
あれ?片方の手がおかし……あ!そうだった!お兄さまと繋いだままなのだった!
息子たち、って言ったのに、お兄さまは?
繋いだ手を辿ると、ジル兄さまがまるで迷子の子供のように途方に暮れた表情で立ち尽くしていた。
「ジルベスター?ほら、あなたもよ?あなたも私の息子でしょう?いらっしゃい」
「お兄さま!お兄さまも!抱っこですよ!ほら!!」
恐る恐る近づいてきたお兄さまが、ボクの隣に立った。
「ほら、こうやって抱っこしてもらうのです!」
むぎゅ、っとお母様に抱き着いて見本を見せた。
大丈夫ですよ、とにこっと笑って見せると、お兄さまがコクリ。思い切ったようにそっとお母さまに手を伸ばした。
すかさずお兄さまの背を片手でえいやっと押す。
「うわっ」
思わず全身でお母さまに突っ込んだお兄さま。
「クリス、よくやったわ!」
すかさずお母さまがボクごとぎゅむっと抱きしめた。
「えへへへ!家族の抱っこですね!とても幸せです!」
するとボクたちの後ろに大きな気配。
「……私も入れてもらえないだろうか?」
お義父さまだ!
お義父さまはボクとお兄さまをまるごと包み込むようにしてお母様に腕を回した。
ボクの背にあたるお義父さまの体は、とても大きくて安心した。
これが「お父さま」というもの?
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