もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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五年後

ミカミカ復活!

怒髪天で部屋に飛び込んだミカミカ。
するとなんと、レオンはまたしてもシャワーを浴びまくっていたらしい。
どんだけシャワーが好きなのだろう。やはりかれいしゅー?

「いや、なんつーか、出鼻をくじかれたというか……冷え切ったレオンを見て全てを察したというか……」

とにもかくにもそういうわけで、ミカミカは般若から大天使に戻った。
そこからは、気の置けない幼馴染同士、お互いに幸せを喜び合い、惚気合って。
安心したミカミカ、力尽きてそのままパタリ、スヤア…というわけだったのでした。


「レオンが大変なことになってなくてよかったあ!」

胸を撫で下ろす俺に、ミカミカ、ちょっとバツが悪そう。

「いや、考えてみたらさ。サフィももうじき成人するんだよなあ、って。
なんだかいつまでも小さなサフィみたいな気がしちまってさ……。
ちっこいからついつい忘れちまいそうになるが、もう大人なんだよな……」

しみじみと呟くミカミカに、レオン以外のみんなが同意。

「分かるぜ……。なんかさ、大人になるのは嬉しいんだが、いつまでも小さいサフィでいて欲しいような気もするんだよな……」

胸の前で腕を組んで遠い目をするゲイル。

「時々俺らよりも大人みたいなことを言い出すけどな?」

柔らかな目で苦笑しながら大人の余裕を見せるキース。



しんみりと俺を見つめる8つの瞳。
みいんな俺の大切な家族(公爵は除く)
幼い俺を見守り、一緒に冒険したり、笑って泣いてくれた人たち。

その優しい瞳に、胸がじんわりと温かくなる。

すごくすごく心配をかけて来た。ぶっちゃけその自覚はある。
レインボーだったり、聖女だったり、はたまた誘拐されかかったり、ドラゴン連れてきたり。
でもみんな、そんな俺を信じて着いてきてくれた。
無茶なことを言い出しても頭から反対することなく「どうやってやろう」と考えてくれた。
困ったときには必ず駆けつけてくれた。悲しいときには抱きしめてくれた。

いつの間にか俺の周りにはこんなにも沢山、俺を愛して心配してくれる人がいる。
その腕の中は暖かくて、いつまでもそこに居たい気持ちもあるのだけれど。

それでも俺は決めたのだ。
俺はレオンの傍らにいる、って。
一人で色々背負い込んで頑張るレオンだから、俺はそんなレオンを助けてあげたい。
レオンを支えられる人になりたい。
寂しくても我慢しちゃうレオンだから、たくさんぎゅっとして、ぎゅっとされたい。

だから俺は大人になります。
子供の俺にはできないこともできるようになる。
権謀術策とか。腹芸とかも。

いまはセイツーしただけだけれど、これからもっともっと心も身体も大人になるから。
温かな腕の中から出て、レオンを、みんなを助けらえるようになるから。
どうかこれからも見守っていて欲しい。

「大人になっても俺はサフィのまんまだし、みんなのこと大好きだからね?
これまでみんなにたくさん迷惑をかけたし、これからもかけると思う。いや、むしろもっとかけるはず。
だけど、それ以上にみんなを助けられる大人になるから!支えられる大人になるから!
俺のこと、もっとたくさん頼っていいからね!」







その日の朝ごはんには、赤いパンケーキがでました。
女の子が大人になった翌日に食べるものらしい。
俺は男の子ですけれどもね!!!
美味しかったからいいけど!





※※※※※※※※



いつもご拝読頂きありがとうございます。
イチャイチャターンはこれで終了!
数日お休みをいただき、新章に入ります。
次のイチャイチャは……ちょっとお預け。
レオンの試練がやってまいります。
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