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東の国
ゲイルとの再会
「ゲイルの危機」という言葉にミカゲ陛下の表情がピクリと動いた。
「ほう。冒険者というのはそのように勘が鋭いものなのか?それとも……魔法か?息子殿もゲルリアスと同じ能力をお持ちなのだろうか」
ゆったりとした話し方なのに、誤魔化しは許さないという響きがある。
これは……ヒールポーションとか言ってる場合じゃないね。
正体ばれちゃうかもだけど、いちかばちか。
チラリと公爵とキースに視線をやれば、二人とも黙って目で頷いた。
うん。じゃあ言っちゃうね。
「ゲイルと俺は同じではありません。だけど、俺はゲイルと同じ魔法が使えます。ゲイルが強者だとすれば、俺は最強なので。俺一人で大陸制覇できちゃうと思います。
てことで、ビシャーンってゲイルを治すから、ゲイルに会わせてください」
にこっと本当のことを言ってみた。
しーん。
ミカゲ陛下の表情が消えた。
というよりも、同席してる東国の護衛さんたちの表情も消えた。
一瞬ののち。
ミカゲ陛下、大爆笑!
「……ふっ………ふははは!面白い御子だ!このような状況で私を笑わせようとは!
さすがはゲイルの息子!そのような可憐な姿でなければ、洒落にならぬぞ、気を付けるが良い」
え?この人クールそうだったのに、めっちゃ笑うじゃん!
笑い上戸?
てゆーか、微塵も信じてないね?
そもそも、俺、ドラゴンライダーでサンダーエンジェルって言ったよね?
憮然としていると、青い服の護衛がハッとしたように声を上げた。
「へ、陛下っ!先ほどこの方はサンダーエンジェルと名乗っていらっしゃいませんでしたか?」
そうそう!それだよ。
「はい!俺、サンダーエンジェル!エンジェルは不本意だけれども!そんでもってドラゴンバスター!」
ハイっと手を挙げれば、護衛ブルーがみるみる青ざめた。
どうやら冒険者としての俺のことを良く知っているらしい。
「………陛下………洒落ではありません……。恐らく先ほどの言葉は全て事実かと…………」
「……は?」
「私の従兄弟は商人をやっております。冒険者と関わることも多いのです。その彼から聞いたことがあります。
王国ギルドの天使のことを。天使は一見幼げでとても可愛らしい外見なのだとか。しかしなんと5歳でギルドの猛者を従え、10歳で正式に冒険者になるやいなやあっという間にドラゴンを制圧。あの好戦的なロンドをも押さえ周辺諸国を平定。行く先々に幸運か破壊もたらすと聞いております……」
ブフォッ、と誰かが吹き出す音がした。
見るとキースがお腹と口元を押さえて声もなく爆笑していて、公爵も唇を噛んで必死に笑いを堪えている。
失礼!この人たち、失礼!
てか、俺も「はぁ?!」だけど!
間違ってないこともないけど、かなり脚色されてるじゃん!
天使ってやめてよねっ!
しかも「行く先々で幸運か破壊をもたらす」って……。天災か何かなの、俺?
すると護衛グリーンもハイっと手を挙げた。
俺が手を挙げてから、発言はこのスタイルですることになたっぽい。
「そういえば私も聞いたことがあります!天使の父親は全てのものを癒す神の手の持ち主だとか!」
「………ゲルリアス殿か……」
「ゲイルですな……」
東国の人たちが俺をじーっと見つめ、首を左右に振って頭を抱えだした。
重ね重ね、失礼!
ハイッ!とまた手を挙げて俺も発言。
「行く先々で幸運も破壊もありませんのでっ!ギルドで猛者云々というのは、汚いおっちゃんたちを綺麗にしたり、言葉遣いをちゃんとしてって言っただけですし!俺を抱っこすると運が良くなるってラッキーチャーム扱いされてただけですしっ!
ドラゴンは話し合いで仲良くなっただけだし、以下同文!とにかく、破壊はしませんのでご安心をっ!
あ、ゲイルの神の手は本当。知ってますよね、もう。
てことで、俺ツエエので!はやく俺をゲイルに会わせて!
サンダーエンジェルは本当だから、早く会わせてくれないと勝手にサンダーがパリパリッと漏れちゃうかもしれませんし」
言ったとたんにキースが叫んだ。
「結局力業じゃねえか!」
いえいえ。友好的話し合いです。
こうして俺たちはものすごおく慎重にまるで危険物を扱うような態度でゲイルの部屋に行く許可を貰ったのだった。
「ほう。冒険者というのはそのように勘が鋭いものなのか?それとも……魔法か?息子殿もゲルリアスと同じ能力をお持ちなのだろうか」
ゆったりとした話し方なのに、誤魔化しは許さないという響きがある。
これは……ヒールポーションとか言ってる場合じゃないね。
正体ばれちゃうかもだけど、いちかばちか。
チラリと公爵とキースに視線をやれば、二人とも黙って目で頷いた。
うん。じゃあ言っちゃうね。
「ゲイルと俺は同じではありません。だけど、俺はゲイルと同じ魔法が使えます。ゲイルが強者だとすれば、俺は最強なので。俺一人で大陸制覇できちゃうと思います。
てことで、ビシャーンってゲイルを治すから、ゲイルに会わせてください」
にこっと本当のことを言ってみた。
しーん。
ミカゲ陛下の表情が消えた。
というよりも、同席してる東国の護衛さんたちの表情も消えた。
一瞬ののち。
ミカゲ陛下、大爆笑!
「……ふっ………ふははは!面白い御子だ!このような状況で私を笑わせようとは!
さすがはゲイルの息子!そのような可憐な姿でなければ、洒落にならぬぞ、気を付けるが良い」
え?この人クールそうだったのに、めっちゃ笑うじゃん!
笑い上戸?
てゆーか、微塵も信じてないね?
そもそも、俺、ドラゴンライダーでサンダーエンジェルって言ったよね?
憮然としていると、青い服の護衛がハッとしたように声を上げた。
「へ、陛下っ!先ほどこの方はサンダーエンジェルと名乗っていらっしゃいませんでしたか?」
そうそう!それだよ。
「はい!俺、サンダーエンジェル!エンジェルは不本意だけれども!そんでもってドラゴンバスター!」
ハイっと手を挙げれば、護衛ブルーがみるみる青ざめた。
どうやら冒険者としての俺のことを良く知っているらしい。
「………陛下………洒落ではありません……。恐らく先ほどの言葉は全て事実かと…………」
「……は?」
「私の従兄弟は商人をやっております。冒険者と関わることも多いのです。その彼から聞いたことがあります。
王国ギルドの天使のことを。天使は一見幼げでとても可愛らしい外見なのだとか。しかしなんと5歳でギルドの猛者を従え、10歳で正式に冒険者になるやいなやあっという間にドラゴンを制圧。あの好戦的なロンドをも押さえ周辺諸国を平定。行く先々に幸運か破壊もたらすと聞いております……」
ブフォッ、と誰かが吹き出す音がした。
見るとキースがお腹と口元を押さえて声もなく爆笑していて、公爵も唇を噛んで必死に笑いを堪えている。
失礼!この人たち、失礼!
てか、俺も「はぁ?!」だけど!
間違ってないこともないけど、かなり脚色されてるじゃん!
天使ってやめてよねっ!
しかも「行く先々で幸運か破壊をもたらす」って……。天災か何かなの、俺?
すると護衛グリーンもハイっと手を挙げた。
俺が手を挙げてから、発言はこのスタイルですることになたっぽい。
「そういえば私も聞いたことがあります!天使の父親は全てのものを癒す神の手の持ち主だとか!」
「………ゲルリアス殿か……」
「ゲイルですな……」
東国の人たちが俺をじーっと見つめ、首を左右に振って頭を抱えだした。
重ね重ね、失礼!
ハイッ!とまた手を挙げて俺も発言。
「行く先々で幸運も破壊もありませんのでっ!ギルドで猛者云々というのは、汚いおっちゃんたちを綺麗にしたり、言葉遣いをちゃんとしてって言っただけですし!俺を抱っこすると運が良くなるってラッキーチャーム扱いされてただけですしっ!
ドラゴンは話し合いで仲良くなっただけだし、以下同文!とにかく、破壊はしませんのでご安心をっ!
あ、ゲイルの神の手は本当。知ってますよね、もう。
てことで、俺ツエエので!はやく俺をゲイルに会わせて!
サンダーエンジェルは本当だから、早く会わせてくれないと勝手にサンダーがパリパリッと漏れちゃうかもしれませんし」
言ったとたんにキースが叫んだ。
「結局力業じゃねえか!」
いえいえ。友好的話し合いです。
こうして俺たちはものすごおく慎重にまるで危険物を扱うような態度でゲイルの部屋に行く許可を貰ったのだった。
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