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東の国
場所を移して真面目なお話
鉄鉱石だとか話が大きくなってきたから、場所を移して首脳陣+ゲイル、公爵、キース、俺で話をすることに。
またしてもお城の奥に大移動だ。
今度はそこまで急ぐ必要はない。
だって、みんなあちこちでにこにことご飯を食べたり温まったり。
子供たちも、さっきまでは血の気の無かった顔に今は幸せそうな笑みを浮べ、頬を桃色にして大きなお腹をさすっているんだもん。
毛布もあるからお腹いっぱいになったら温かく眠ることもできる。
ゆっくり英気を養ってくださいませね。
大人たちも外でワイワイガヤガヤ。食べ物を手に火の回りに集まって、歌なんて歌っちゃったりして、手拍子なんかも叩いちゃったりして。
とにかくかなりテンションあげあげだ。
子供以外は後でこき使うから、今のうちにお腹いっぱいにして楽しんでおいて!
やること沢山なんだもん。元気な人には働いてもらう所存!
てなわけで、今度はおしゃべりなんかしながら悠々と奥のお部屋に戻ってきた。
俺はゲイルにゲイルが居ない間みいんなものすごおく静かになっちゃってたとか、バースくんたちが心配してたとか、色々と話をしながら。
ゲイルはゲイルで、こっちに来てからどうしていたか。
ゲイルが来た時にはまだここまで酷くなっていなくて、氷の山を越えるって言って何人かが出て行っちゃってから一気に状況が悪くなったらしい。
物理的にも、気持ち的にも。
「……やっぱあいつらダメだったか……」
やるせなさそうに呟いたゲイルに、俺は言った。
「陛下にブリードを紹介してさ、ブリードに迎えに行って貰おう。
あのね、本人の決断だから。その責任は本人にあるんだよ。
俺たちにできるのは、お家に返してあげることくらい。
おかえりって言ってあげればいいんだよ」
「ああ。分かってる。……サフィには見せたくなかったんだがな。すまん。巻き込んじまって」
「はあ?何言ってんの?東国に行くって最初に言い出したの、俺じゃん。ゲイルは後悔してるの?」
「いや。後悔はねえ。俺がいなきゃ助からねえ命だったからな。サフィのお手柄だ」
「うん。俺のお手柄。褒めて。だからね、その責任も全部俺のものだから。多くの人を救えたのは元はと言えば俺のお陰。救えなかったのは、運でしかない。俺はそう思ってるよ。ゲイルが救えなかった命を悔やむ必要なんてないよ。救えた命に、胸を張って。ゲイルだから救えたんだよ。胸を張ってよ、お父様」
ドンとその背を叩けば、たたらを踏んでよろめくゲイル。
うーん、まだ弱ってる。ゲイル。
ごはん食べたらもう一回寝かそう。で、起きたらもっかいヒール案件だね、これ。
王様と謁見したお部屋に戻った俺は、即座にマジックバッグから食料を並べだした。
いわゆる「虎の子」というやつ。配布するときに予め宿屋をとっていたのだ。
話し合いするはずが、即席のお食事会を準備する俺に、陛下が
「すぐにそのまま食べれそうなものを出すからね。食べながらお話しましょう。
みんなまだゆっくり食べてないでしょ。
国民を優先するその姿勢はすっごく素晴らしいけど、トップがつぶれたら国もつぶれちゃうからね。
ちゃんと食べて元気でいなきゃ。無理は禁物!」
はい、はい、とパンやスープ、ミルクを渡してあとはとっておきの俺のイカシリーズをドッカンと出すご自由にどうぞスタイル。
「これ、クラーケンのイカ焼きと裂きイカと焼いたイカ。美味しいからおすすめ!」
「クラーケン?!伝説の存在ではないか!」
「うん。それがね、意外と沢山いたの。しかも食べたら美味しかったから、今は帝国の名物になってるの」
東国勢の顔から表情が消えた。無。
「食わず嫌い言ってる場合じゃないでしょ。騙されたと思って食べてみて!」
ガボリと青護衛さんの口に突っ込んでやると、目を白黒させながら「~~~!!」と悶えたあと、目を見開いた。
「!!う、美味いっ!これはクラーケンなのですか?本当に?!」
「えっへっへ!美味しいでしょ!クラーケンは大きいからね。一クラーケン獲るだけで結構な量作れるんだよ。超お得な食材なの!
って、イカ談義をしている場合じゃない。トンネルのお話をいたしましょう!」
またしてもお城の奥に大移動だ。
今度はそこまで急ぐ必要はない。
だって、みんなあちこちでにこにことご飯を食べたり温まったり。
子供たちも、さっきまでは血の気の無かった顔に今は幸せそうな笑みを浮べ、頬を桃色にして大きなお腹をさすっているんだもん。
毛布もあるからお腹いっぱいになったら温かく眠ることもできる。
ゆっくり英気を養ってくださいませね。
大人たちも外でワイワイガヤガヤ。食べ物を手に火の回りに集まって、歌なんて歌っちゃったりして、手拍子なんかも叩いちゃったりして。
とにかくかなりテンションあげあげだ。
子供以外は後でこき使うから、今のうちにお腹いっぱいにして楽しんでおいて!
やること沢山なんだもん。元気な人には働いてもらう所存!
てなわけで、今度はおしゃべりなんかしながら悠々と奥のお部屋に戻ってきた。
俺はゲイルにゲイルが居ない間みいんなものすごおく静かになっちゃってたとか、バースくんたちが心配してたとか、色々と話をしながら。
ゲイルはゲイルで、こっちに来てからどうしていたか。
ゲイルが来た時にはまだここまで酷くなっていなくて、氷の山を越えるって言って何人かが出て行っちゃってから一気に状況が悪くなったらしい。
物理的にも、気持ち的にも。
「……やっぱあいつらダメだったか……」
やるせなさそうに呟いたゲイルに、俺は言った。
「陛下にブリードを紹介してさ、ブリードに迎えに行って貰おう。
あのね、本人の決断だから。その責任は本人にあるんだよ。
俺たちにできるのは、お家に返してあげることくらい。
おかえりって言ってあげればいいんだよ」
「ああ。分かってる。……サフィには見せたくなかったんだがな。すまん。巻き込んじまって」
「はあ?何言ってんの?東国に行くって最初に言い出したの、俺じゃん。ゲイルは後悔してるの?」
「いや。後悔はねえ。俺がいなきゃ助からねえ命だったからな。サフィのお手柄だ」
「うん。俺のお手柄。褒めて。だからね、その責任も全部俺のものだから。多くの人を救えたのは元はと言えば俺のお陰。救えなかったのは、運でしかない。俺はそう思ってるよ。ゲイルが救えなかった命を悔やむ必要なんてないよ。救えた命に、胸を張って。ゲイルだから救えたんだよ。胸を張ってよ、お父様」
ドンとその背を叩けば、たたらを踏んでよろめくゲイル。
うーん、まだ弱ってる。ゲイル。
ごはん食べたらもう一回寝かそう。で、起きたらもっかいヒール案件だね、これ。
王様と謁見したお部屋に戻った俺は、即座にマジックバッグから食料を並べだした。
いわゆる「虎の子」というやつ。配布するときに予め宿屋をとっていたのだ。
話し合いするはずが、即席のお食事会を準備する俺に、陛下が
「すぐにそのまま食べれそうなものを出すからね。食べながらお話しましょう。
みんなまだゆっくり食べてないでしょ。
国民を優先するその姿勢はすっごく素晴らしいけど、トップがつぶれたら国もつぶれちゃうからね。
ちゃんと食べて元気でいなきゃ。無理は禁物!」
はい、はい、とパンやスープ、ミルクを渡してあとはとっておきの俺のイカシリーズをドッカンと出すご自由にどうぞスタイル。
「これ、クラーケンのイカ焼きと裂きイカと焼いたイカ。美味しいからおすすめ!」
「クラーケン?!伝説の存在ではないか!」
「うん。それがね、意外と沢山いたの。しかも食べたら美味しかったから、今は帝国の名物になってるの」
東国勢の顔から表情が消えた。無。
「食わず嫌い言ってる場合じゃないでしょ。騙されたと思って食べてみて!」
ガボリと青護衛さんの口に突っ込んでやると、目を白黒させながら「~~~!!」と悶えたあと、目を見開いた。
「!!う、美味いっ!これはクラーケンなのですか?本当に?!」
「えっへっへ!美味しいでしょ!クラーケンは大きいからね。一クラーケン獲るだけで結構な量作れるんだよ。超お得な食材なの!
って、イカ談義をしている場合じゃない。トンネルのお話をいたしましょう!」
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