もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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東の国

古龍さん2

とりあえず、ブリード便で東国の最北端、海の方へ。
王城の上を通り過ぎるとき、気付いた東国のみんながぎょっとして口を開けて上を見上げたので手を振ってみた。

「おーい! サフィだよー! ゲイルと陛下もいまーす! 」

「わああ!サフィだーっ!すごーい!ほんとうにドラゴンライダーだああ!」

子供たちがはしゃいで手を振り返してくれた。
そう!俺はドラゴンライダーなの!信じてくれた?

陛下とブルーは下を見るどころではない様子。
無になってぐったりとしている。
乗り慣れるまではアレなのかもね。
しっかりと縛り付けておいてよかった。



海岸近くに来たのでバサリと下に着地。
とりあえず陛下とブルーの紐をほどいた。

「大丈夫?」

一応声を掛けてみると、青ざめた顔でなんとか頷く二人。
乗り物酔いみたいな状態になってるみたい。
しょうがないなあ。

「ヒール!」

「おお!」
「……かたじけない。楽になった。
ブリード殿、乗せて頂き感謝する」

「帰りもブリード便だから、早く慣れてね」

「「…………」」

おーい、お返事は?
なぜ目を逸らす?
そこは無理でも「がんばります」って言っておきましょーよおふたりさん。


さて。海岸といったけど、想像とは違い綺麗な砂浜とかじゃなかった。
ごつごつした岩に波が打ち付けている。いわゆる荒海。
ビュウビュウと海風が吹き付けるこの感じは……そう、演歌に出て来る東北とかの海岸みたい。
どこかうら寂しい。
それでも氷の山から少し距離があるからか、もしくは古龍さんの力なのか、王城から向こうとは違って凍り付いてはいない。寒さもだいぶマシだ。
って。……アレ?

「ここに畑とか作ればよかったんじゃない?」

俺の素朴な疑問に陛下とブルーが悔しそうに唇を噛んだ。

「残念なことに、土が栽培には向かぬのです。塩気を含んでおりますゆえ」

ああ、海辺だから!
気温的にはマシそうなのに、残念。

いい感じの気温と風なのになあ……。
ん?
これって……

「乾物とか作るのはどう?水気はここまでは届いてないみたいだし。
釣った魚とか野菜とかをここで干して保存食にしたら?塩気があるから、向こうで干すよりも保存に向くんじゃない?
せっかくのいい場所、遊ばせておくのはもったいないでしょ」

俺の言葉に陛下は目をおおきく見開いた。

「魚や肉で燻製を作ることはありますが……干す?干す程度で保存食となるのですか?」

「え?なるでしょ。魚とかを内蔵出して開いて塩水に漬けてから干すの。
塩って味付けだけじゃなくって殺菌作用があるもん」

「……いや、お前そういうのどこで仕入れて来るんだ?」

東国のひとのみならず、ゲイルまでビックリ顔。

「えっとお……冒険者とかからまた聞き?」

「ふは!なんで疑問形なんだよ」



俺たちがワイのワイのやっている間にも、ブリードは気配を追ってくれていたみたい。

「サフィ、来い。向こうの方だ」

ブリードの指す方に向かえば、小さなマングローブの林があった。
よく見ると地面には少しだけへこんだ箇所がある。

「……もしかして……!」

そっと手をかざしてみる。
うん、なんだかほのかに温かい気がする。
そういえば、古龍って精霊みたいなエネルギーの塊だっていってたよね?
もしもエネルギーが足らずに形を取ることができなくなっているのなら……
……違うかもだけど、やってみる価値はある。

俺は地面に手の平をくっつけて話しかけてみた。

「古龍さん。俺はサフィ。ブリードもここにいます。
古き良き精霊よ。
人があなたとの契約を違えたこと、心より謝罪いたします。
悪気はなかったのです。人のときは早い。長いときの流れにのまれ、伝承が途切れてしまったのです。
改めて誓わせましょう。あなたのこれまでの功績を語り継ぎ、二度と忘れはせぬと。
とうかお願いいたします。今一度その姿をお見せください。
東国にはあなたが必要なのです。
力が足りぬというのならば、俺の力をお使いください。
信心も力になるというのなら、俺があなたの存在を信じます。どうかお願い申し上げます」






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