もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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東の国

大事なのは食です、食!

とりあえず俺の鶴の一声で、ミソとショウユの取引は決まった。
毎年一定の量作って保存しているそうで、人口が減っていったため、余剰分が出るようになっていたのだとか。
なら作る量を減らしたらいいんじゃないかと思うんだけど、材料の分量が代々受け継がれていて、減らすと同じ味にならないらしい。
なかなかに難しいんだね。

ちなみに、古くなったショウユやミソも、冷暗所(なにしろ氷の国だから冷え冷え)できちんと保管しているから十分美味しいんだって。むしろ味がまろやかになって新しい物より美味しい説まであるそうな。

なんてちょうどいい!

「じゃあ、まずその古いの下さい!」

はいはーい、と手を挙げれが、ミカミカに頭をコツンとされた。

「サフィ。図々しいぞ!古い方が美味いって言ってんだから、新しいものを貰うべきだろう」

「えー!だってさ、第一印象って大事じゃん。最初に食べた印象が大事なんだもん。そこは美味しいのをみんなに食べさせて、ミソの美味しさを王国に広めなきゃでしょお!」

ぶーぶーと主張すれば、それにゲイルがうむうむと頷いた。

「確かにそれは一理あるぞ。ずっととは言わん。最初だけでも」

思わず「ハイターッチ」と手を挙げ、ゲイルと手をパッチンする。


最終決定は陛下にゆだねられた。どうする、陛下。


じーっと見つめているとチラリとゲイルを見てひとこと。

「ゲルリアス殿の言葉を信じよう」

俺じゃないんかーい!まあいいけど。やっぱりゲイルってば人たらし。

反対したはずのミカミカがこっそりウインクしてきた。
も、もしかして、さっきのは「振り」?こうなるって分かってて一応遠慮してみただけ?
なかなかの策士ですな、ミカミカ。

とりあえずミソとショウユを1樽ずつ持ち帰ることに。
これは、食料支援のお返しとして、無償で提供してもらえることになった。

「受けた恩はお返しするのが我が国流ゆえ。このようなものでは到底足りぬと思うが…tね」

いえいえ、十分ですよ!そのために来ましたから!
え?バースへのお返し?
大丈夫大丈夫!バースへはウチがもう恩を売ってありますからね!それを返してもらっただけですし!
一応あとでミソシルパーティーでもやっておきますわい!




と、この調子でサクサクとお約束を決めていく。
俺が提案して、みんなで議論。
決定したことをキースが纏めてメモし、公爵がそれを正式な書状として二枚清書し、サインする。
それを東国勢が確認してミカゲ陛下がサイン。一枚を東国がもち、もう一枚は王国へ持ち帰り。

干物についても、軌道にのったら王国で輸入させてもらうことになった。
王国からの輸出は、氷の国では足りていない衣料や医療品、道具、し好品などを。
最初はお金のやり取りではなく、物々交換で交易を開始することに。
そして東国の状況が安定したら、金銭での取引開始。

ちょっとづつ軌道に乗せて行こう。


バースとの国交についてはまた後日。
東国からは鉄などの鉱石を。
バースからは東国に足りない農作物や、肉や乳製品を。
こちらは話だけ通しておいて、トンネル開けてからのお話になる。
また今度バースくんに来て貰おう。

一応、ロンドの魔道具とか欲しい?って聞いてみたら、前のめりで声を揃えて「欲しいです!」と熱望されたので、ロンドにも紹介する予定。
東国からロンドへは、バースと同じくその原料。つまり鉱石類。
こっちに加工場を作ることも考えて、ロンドから職人さんを呼んでおきたいよね。
もしくは東国からロンドに修行に出すとか。
そこらへんもロンドと応相談で!



あ。ここいらでちょうど本題も言ってみようかな?
ちょうど他国とうまい具合にお話できるいい機会があるのですよ。

「えっとお、バースくんとロンドといっぺんに会える場所があるんだけど。興味ある?」

ミカゲ陛下に聞いてみた。

「ほう!会合でも開くのか?我らも参加させてもらうことは可能だろうか」

お。興味ありそう。

ハッと気づいたゲイルが「それ、今いうのか?」と笑った。・
そりゃ、いつ言うの?今でしょ!

「実は、俺の結婚式がありましてね?東国以外のこの大陸の国全部の偉い人が集まるの。
あと、海の向こうの帝国からも来るから!
式の帰りとかに、外交のお話しちゃえばいいんじゃない?」

「け、けっこん?!」
「王国ではこのような子供が結婚するのか!」

おい!そこですか!

「俺、大人!大人だし!もうすぐ成人だからね!!」

キース、ミカミカ、笑わないの!








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