もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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新生活スタート!

俺のお散歩2


俺は、思ったよりこの3人での散歩を楽しんでいる自分に気付いた。
この2人となんて気詰まりだと思ってたんだが、さりげなく優しい気遣いを見せるライリオを俺はちょっと見直していた。
俺の歩幅に合わせて、ゆっくりと歩いてくれる。
ふと目をやると「それはね」と色々と教えてくれる。

それに…この庭は俺の思う「普通の庭」じゃなかった。単なる「広い庭」でもない。
子供の好きそうなもの、子供が喜びそうなものがあちこちに散りばめられ、毎日楽しめるよう工夫されていた。
「サフィラスが」散歩することを前提に、俺の好きそうなものが沢山ある、俺のために設計され、俺のために考えられた庭だった。

普通に「今までごめんね」とか「なかよくしてね」とか、そういう言葉だけだったら、こんな気持ちにはならなかったと思う。
公爵の趣味でもなければ、ライリオの趣味とも違うだろう、公爵家の中でテイストの違うこの庭は、言葉なんかよりよほど雄弁に彼らの気持ちを語っていた。俺への精一杯の心配りが感じられた。

橋も子供が通るのにちょうどいい感じ。
池だって、万が一落ちても大丈夫な深さになっているみたい。
暑い日なんかには、水遊びもできるんじゃないかな?
おさかな釣りだってできるよね、きっと。
ブランコに、飛石。迷路。
貴族っぽくないけど、でも俺が好きそうなものがいっぱい。
そんな「サフィのための」お庭。

ちょっと見直した。
でも、でも、まだまだだからね!
だって、4年分の悲しい気持ちは、そんなにすぐにはなくならない。
だから、調子にのらせちゃわないようにしないとね。
もうしばらくは、俺のご機嫌取りをがんばって!
そしたら…そしたら、いつか。笑顔で仲良くしてあげないでもないから。

俺は2人が追いつくのを待ちながら、くすりと笑った。



2人はにこにこしながら、あっという間に俺に追いついた。

「あははは。こんな楽しいお散歩、初めて!」

リオネルが笑う。

「そうだな。………とても楽しい。そして、最高の気分だ」

ライオネルが微笑む。

「ぼくも、おにわのおさんぽ、はじめて。こうしゃくけでは、おそとでたことなかったから。
でも、ここならまいにちおさんぽしてもいい。とてもよきばしょ。ぼく…ここ、すき」
「良かったあ!あのね、ここね、サフィのお庭だからね。だからもし…サフィが嫌だったら僕たちは来ない。
でも、一緒でもいいっていってくれるなら、毎朝一緒にお散歩したい」
「サフィラスが決めていい。サフィラスがしたいようにしてくれていい」

2人はじいっと俺を見て、俺の返事を待っていた。
俺は、仕方ないなあ、って態度でこう答えた。

「うーん。ゲイルが、まいにちおさんぽしなさいっていうし。たまにはテイルもゆっくりさせてあげたいし。だから……ライとリオがしたいなら、いっしょにさんぽしてあげてもいい」

つん、と横を向き、唇を尖らせる。
どうしても、っていうから許可してあげるんだからね!
俺が一緒に散歩したいからじゃないんだから!

そんな可愛くない俺の態度にも、2人は怒らなかった。

「やったあ!!一緒に散歩する!したい!」
「うん。一緒に散歩できると嬉しい。許可をくれてありがとう、サフィラス」
「…………サフィでいい」
「え?」
「サフィラス、っていいにくいでしょ。サフィでいい。ぼくだってライってよんでるし」
「………そうか。では、そう呼ばせてもらおう。ありがとう、サフィ」

ライ。それくらいでそんなに幸せそうな顔しないでよ。いつもクールなくせに。
ばか。あほ。どうしてそんなに俺に気を遣うの。俺の言葉で喜ぶの。俺のためにってがんばっちゃうの。
あーあ!あーあ!!やっぱ、一緒に散歩なんてしなきゃよかったなあ!
もうさあ…。ライリオ。ずるい!
一緒にいてこんな所見せられたら…憎めないじゃん。ちょっと可愛いな、なんて思っちゃうじゃん。
だから、近寄らないようにしてたのに。

「ずるいよね、ライリオ」

ぼそっと呟いたら

「えええ?!僕、な、なにかした?」
「すまない、サフィ!いや、サフィラス!やはり図々しかっただろうか?」

なんて慌てだすから、そんな2人を見て俺は「やっぱりずるい」って思ったのだった。

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