もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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俺の平凡な日常

俺、きぞくですってばあ!

祭りの準備は俺がゲイルの後追いしていた間も着々と進んでいた。

いつのまにか商魂たくましい街の人が当たり前みたいに冒険者に混じって祭りメンバーに。
ちなみに、ギルド祭りなので、街の人の出店には「祭り準備の手伝い」「売り上げの2割を孤児院に寄付」という条件をつけたそうな。
やるじゃん、ギルド長!
売り上げを「ギルドに」じゃなく「孤児院に寄付」ってされたら街の人も文句言えないもんね!
孤児院にも興味持ってもらえるし、一石二鳥!

でもって、俺の知り合い以外にも街の人がどんどん加わって。
一緒に仕事したら、いやがおうにも仲良くなるもの。
最初は冒険者に遠慮がちだった人も
「おい!こんな適当に作るなよ!」
「壊れなきゃいいだろうが!」
「店ってのはなあ、見た目も大事なんだよ!この脳筋が!」
なーんてやりとりができるようになってた!
喧嘩みたいに聞こえるけど、安心して欲しい。
お互いに笑いながら言い合ってるから!

そしたら、なんとオレにいちいち確認してたことも街の人に相談したりして解決できるようになったのである!
すごいじゃん!成長したね、おっちゃんたち!
触れ合い交流が進んだからか、どことなあく冒険者たちの言葉遣いも良くなってきたし、こころなしか頭もよさそうに見えてきた!(失礼!元々冒険者だっておバカさんじゃないよ。自分の身を守るには戦略や策謀、いろんな知識が必要なんだもん。それなりに頭もいい。ただそう見えないだけで)

子供たちだって、自分で色々なものが作れるようになったし、街の人に自分から聞きに行ったり、お仕事あるか確認したりするようになった。
そうするとみんなも気にかけてくれるようになって、大人の手が増えた。


そうすると、どうなると思う?
答え。俺のお仕事が減ったのであーる!


それならそれなら!
おっきな子のための遊具とか、作っちゃえるんじゃなーい?
あっちこっちにウロウロしてる、手持ちぶさたな冒険者さんにヘルプミーして、作っちゃえるんじゃなーい?

俺は早速設計図を描いた。
と言っても製図と習った訳なじゃないから、簡単に「こんな感じ」ってイラストだけどもね。

できそうなものは、こんなところ。

●土魔法を使って作る「滑り台」
これは土台を土で作って固め、滑るところは木にするつもり。
●ブランコ
公爵家の庭にある奴とおんなじ感じに。これはライリオに協力を頼もう。

あとせっかくなので、ベンチをいくつか広場に設置しちゃおう!


よーっし!そうときたら、準備だ準備!!





俺は公爵に頼んで敷地の木を何本か倒す許可をもらった。。
それを風魔法でショッパーンとカット!
丸太を何本か作って、ギルドに運んでもらう。
お小遣いでロープを買って。これで滑り台とブランコの材料が揃った。



ライリオにもお祭りのことを話して協力をお願いする。

「僕たちもいっしょにやっていいの?」
「早速うちのブランコを頼んだ庭師を手配しよう」

いやいやいや。そういうことじゃないの。

「にわしさんはいらないの。これはね、自分たちでやるからいいんだよ!」
「……サフィ……大丈夫?」

リオが心配そうに俺の細腕に視線をやる。
たしかに力はないけれどもね!

俺の肩をぽんぽん宥めるように叩いてライが微笑んだ。

「何もかも自分でしなくてもいいんだよ?
学校のない時なら、私も手伝えるぞ?」

俺にはできないって決めつけてるのはおいておいて、気持ちは大変ありがたい。
だが断わる!

「自分でっていうのがいいのですよ!
作り方とか教えてくれたら、ぼうけんしゃさんと作りますのでね!
オレにまかせて!
できたら2人にもあそばせてあげるからね!たのしみにしてて!」

ふたりはとりあえず納得してくれたんだけど。
ちょっとなんだか寂しそう。

「どうしたの?」
「……あのね。僕だってサフィのお手伝いしたい。いっしょにやりたい。
なんでもいいから、お手伝いできることない?」
「うむ。サフィが頑張っていることなら、私も手伝いたい。
何かないだろうか?」

捨てられた子犬みたいな目で俺を見てくる2人。
うーん。
2人とも一応公爵家の嫡男&次男だからなあ…。

ちなみに、治安とかはそこまで悪くない。
街はもともと城下ってことで治安もいいし、ちょっと荒かった冒険者さんたちも今は割とお行儀がよくなりつつある。
それでもお口が悪いのでライリオはびっくりしちゃうかも。

どこかないかなあ……。

!そうだ!
カイルさんと、孤児院のクッキーづくりをお手伝いしてもらおう!
2人ともジェントルだから子供もすぐに懐くはず。
どうせなら、寂しそうだったお兄様も一緒に…

「なら、クッキーづくりしてみる?
カフェのお兄さんが作り方を教えてくれますので。
こじいんのみんなといっしょに作る?」
「いいの?!」
「うん。子供でも作れるから、ライリオだって作れると思うよ。
バザーで売るの」
「では、それを手伝わせてもらおう!」




翌週。
予定を合わせてライリオとお兄様がお祭り準備会場に。
一応身分は伏せてあったんだけど……
どうやらバレてしまってるっぽい。


「お、おい。アレ見ろよ!ヤベエぞ!」
「目を合わせるな!不敬だとか言ってクビ落とされるぞ!」
「そうだな。話しかけられたら終わりだ!
お貴族様なんてどうやってしゃべりゃあいいのかわかんねーぞ!」

冒険者さん、めっちゃ怯えてるじゃん!

「いや、大丈夫だよ?!」

俺もゲイルも一応高位貴族なんですけど?内緒にしてはいるけれども。
俺たちの溢れる貴族オーラは平気なくせに!

「いや、サフィは外見はキラッキラでも中身が…なあ?」
「ああ。中身が…だもんなあ」

こら!

ライリオとお兄様もなんとか友好的に振舞っているんだけど、困惑がお。
お互いに見えない線があるみたいに、じりじりじり…。

どん!っておっちゃんの背中を押してみたらマジ切れされた。
そんなに?

「……私は平民だ。皆、気楽に接して欲しい」

お兄様がどう考えても平民じゃない発言!
平民は「私は平民ですからお気楽に」なんて言わないからね?!
ライリオも「あ、それな!」って顔して

「僕も平民です!よろしく!」
「……私も平民なので気にせず接して貰いたい」

お・ま・い・ら・も・かー!!

ほーら、みーんな「絶対に高位貴族だ」って顔になってるじゃん!
まさかひとりが王子だとまでは思ってないだろうけど!

しょうがないので、ライリオと肩を組み

「こっちはライ。こっちはリオ。
一応おれと血がつながっておりますので。おきらくにどうぞ!」

って言ってみたら。

「わっはっはっは!そらねえわ!!」
「サフィ、それはいくらなんでもその子らに失礼だろ!」

失礼はおまいらだーーーーー!!!

「ほんとだもん!今はまだおんなじおうちに住んでおりますし!
オレは3男ですのでね!」

ぷんすかする俺。

「本当だよー!僕が次男なの。サフィと血がつながってるの。
仲間なんだよー!」
「うむ。私は長男だ」

ライとリオが言ったら、みんな目が点。

「「「「………マジで?」」」」」

俺はこくりと頷いた。

「マジです」

「「「「ええええーーーーーーー!!!」」」」





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