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第2部 サフィ10歳。伯爵家の息子です!
俺、正式に冒険者になりました!
学園初日は半日で終わったので、俺はゲイルと一緒にギルドに。
入学式の後で必ずギルドに来るようにって、ギルド長に言われていたのだ。
「こんにちわー!!」
ギルドに入ったとたん。
わあああああ!!!
俺はみんなに囲まれてわっしょいわっしょい!
「ひゃあああ!!ちょ、ちょっと、なにいいいい?!」
ぽーんぽーんと放り投げられながらあっと言う間にギルドの中央の椅子によっこいしょ!と座らされた。
なんと、椅子の前のテーブルには大きなケーキが!
しかも「サフィ入学&冒険者登録おめでとう!」と書いてある!
「ようこそギルドへ!冒険者サフィ!」という横断幕まで張られているではありませんか!
しかも!いい匂いがすると思ったら、あちこちに花が飾ってある!
これ、いわゆるパーティー会場じゃね?
え?あれ?ギルドだよね?ここ。
こ、これって俺の?!え?
みんなが俺のために用意してくれたの?!
「マジですか?!えええええ?!」
嬉しすぎてフンフンしながら周りを見ると「どうだ?」と言わんばかりのドヤ顔の冒険者たち!
「驚いたか?」
「わっはっは!大成功だ!」
「「「「サフィ、おめでとう!!」」」」
なんか言いたいのに、胸がいっぱいになって言葉が出ない!
俺はお口をぱくぱく。
ちょ、ちょっとお!ちょっとおおおお!!!
もう!みんなってば、みんなってば!
ゲイルもニヤニヤしながら遠巻きに俺を眺めている。
ゲイル!知ってたでしょお!
こんなサプライズがあるなんてきーてないから!!
「嫌だったか?」
俺はぶんぶんと首を横に振る。
「もう!もう!
こんなの、嬉しいしかないでしょ!
すっごく嬉しいに決まってるでしょーーーー!!
みんなってば!もう!最高すぎるよーーーっ!!!」
胸が震えるって、こういうことをいうんだね。
すっごくすっごく嬉しい!
感動に震える俺の首に、ギルド長が恭しく何かをかけてくれた。
「ようやくだな。サフィ!
これで正式に冒険者だ!
新米冒険者、サフィ!しっかりと依頼をこなせよ!」
「?!これって!」
「ああ。冒険者登録証だ!これで本当の冒険者デビューだぞ!」
う、うわああああ!!
ついに!ついに俺も正式に冒険者!!!
これって憧れの冒険者プレートじゃん!
おおおおお!
サフィ、って名前のほかに(冒険者プレートには家名は書かないの。いろいろあるしね)、通り名として「サンダーエンジェル」って書いてある。
ちょっとお!何してくれちゃったの!ギルド長のお茶目さん!
ギリイと睨むと、ギルド長がニヤリと笑った。
こいつ、確信犯だ!
もうギルド長は抱っこ禁止!
でも、でも!!
「俺、俺も!!
俺も冒険者!
冒険者になりましたーーーー!!!
やったああああ!」
椅子の上に立ち上がると、冒険者証を掲げ、高々と宣言!
ここに通ってもう4年になる。
遂に、遂にこの時が来たのだ!!!
パチパチパチパチ!
「「「「おめでとう!」」」」
あちこちから拍手、拍手、拍手!
嬉しいがすぎてジタバタじたばたしてたら、危ないからって椅子から降ろされた。
でも、それでも抑えきれずにぴょんこぴょんこ。
足元が勝手にステップを刻む。
その辺の冒険者の手をつかまえてくるりくるり。
「冒険者見習い」っていう変な立場の俺を受け入れて見守ってくれてたみんな。
ラッキーチャーム扱いで膝にのせたりハグしたりしながら「ここに居ていいんだぞ」って色々な形で示してくれた。
命はって生きてるだけあって貪欲だから「ラッキーくれくれ」も勿論あるけど、それだけじゃない。
乱暴な口調にも気遣いがあった。ぽん、と背を叩く手には優しさがあった。
サフィ専用「冒険者がたまたま貰ったオヤツ箱」に俺のためにみんながお菓子を買って入れてくれてたの、知ってる。
俺が生意気なことを言っても「子供のくせに」なんて絶対に言わなかった。
大好きなみんな。
みんながいたからこの日を迎えることができたんだよ。
俺はピタリと動きを止めると、みんなに向かって半泣きで叫んだ。
「みんな、大好きーーーーー!!
最高の仲間ーーーーー!!!」
そこに。
「やったな、サフィ!」
たぶん本日のサプライズの立役者キースが現れ、ひょいっと俺を肩車した。
そしてぐるりと冒険者たちを見回し、こう宣言する。
「俺はサフィとパーティーを組む!
もうソロはやめだ!これからはサフィとチームで依頼をこなすことにする!
みんなもそのつもりでな!」
「!そうなのです!
俺とキースはパーティーですのでね!!
そのつもりでおねがーーーい!!!
あとねえ、キースも俺の家族になりましたのでー!
そこんとこもよろしくでーす!」
きゃっきゃと肩の上ではしゃぐ俺。
「こ、こら!サフィ!危ないぞ!」
とたんあちこちからブーイングの嵐!
「どういうこと?!」
「えええ?ずりいぞ!
俺だってサフィをチームに入れようって思ってたのに!」
「抜け駆けだあ!サフィって絶対にツエエだろ!
Aランクのお前と組んだら、ギルド最強じゃねえか!」
「おまけに、家族?!はあ?!みんなのサフィなのに!!ずるいじゃねえか!」
「羨ましいだろ?
そうだなあ。俺について来れるなら仲間に入れてやるぞ?どうする?」
ニコッ。
そ、それ絶対無理なやつですよねー?
キースってば意地悪さんっ!
「だ、大丈夫だよ!
いざって時には俺がみんなを助けるし、守ってあげますのでね!
俺ツエエだから!」
俺は慌てて冒険者たちにフォローを入れた。
のだが。
何故かみんな下を向いていじいじ。
「…そうだよなあ…サフィ、こう見えてサンダーエンジェルだもんなあ」
「外見は可愛いのにえげつねえからな…」
「俺、このチームに加わる勇気ねえわ…」
何でだよ!
あと、家族の件については、ゲイルの「ああ。サフィの護衛を頼んだんだ」であっさり解決した。
「サフィの護衛なんてA級しか無理だもんなー」「そらそうだわ」ってね。
それまでズルイズルイいってた冒険者が急に「頑張れよ」「いや、大変だよなあ。無理すんなよ」とか言い出したの、納得いかない。
俺ってそんなに大変な護衛対象だろうか?
この日、ギルドのカフェは食べ放題飲み放題になった。
なんとゲイルとギルド長の奢り!
「みんな!サフィが世話になった!ありがとう!
今日は俺の息子の特別な日だ!みんなで祝ってくれ!」
「俺からもサフィに祝いだ!
サフィがここの仲間になってくれて、俺も嬉しい!
最速でS級になれよー」
「ちょ!俺まだ駆け出し!10歳!
S級はハードル高すぎでしょー!」
「いやいやサフィならいける!
俺も鍛えてやるしな!」
無駄な信頼が重い…!
「俺も早くS級にならないとな。サフィに抜かれちまう」
「おう!キースも気合い入れろよ!
サフィならすぐ追いついて来るぞ!」
キースまで!
ギルド長といいキースといい、なんか俺の評価高すぎない?
ゲイルをちらりと見たら「突然だろ」って顔で満足そう。
お父様が1番ガチだった!
一方、冒険者たちはお祭り状態。
「ひゃっほー!!」
「ゲイル、太っ腹あ!」
「サフィちゃん、おめでとー!!カンパーイ!」
「ようやく正式に仲間だな!カンパーイ!」
みんな飲めや歌えやの大騒ぎだ。
それでも変わるがわる俺のとこに来て「おめでとう」の言葉とともに素敵なプレゼントをくれる。
学校で使うようにって、万年筆だとか、ポーチだとか。髪を留めるピンや、襟元につけるブローチなんてものまで!
冒険者にしては上品なプレゼント。
みんな一生懸命選んでくれたんだろうな。
照れ臭そうに「気に入らなきゃ捨ててくれ」とかいうの。
みんながくれたってだけでむちゃくちゃ気に入るし!
絶対大事にするからね!
「孤高の」って言われて普段はムスッとしてる冒険者(いつもこそっと俺に珍しいものくれる)ランガも、耳を赤くしてカバンをくれた。珍しい素材の、手作り!
もうさあ!
ここの人、みんな最高すぎない⁈優しいかよ!!!
俺は幸せすぎてニコニコによによ。
口元がどうしても綻んじゃう!
最高の気分!
キースがこそっと俺の耳にささやいた。
「あのな。
夜に渡したいものがあるんだけど。時間くれるか?」
「?うん!いいよ」
俺もキースにしゃがんでもらってキースの耳にこしょこしょ。
「あのね、キース。俺とパーティー組んでくれてありがとう!
あと、このお祝いキースの発案でしょ?それもありがとうね!最高のプレゼントだよ!」
「え?なんで俺だって分かった?」
ふは!それはねー!
こういう優しさがいかにもキースだから!
みんなでワイのワイのやってたら、おっきな籠を抱えて続々と街の人が!
「サフィちゃんのお祝いだって?」
と、パンやお菓子や料理を持ってお祝いに来てくれた!
「あのおチビちゃんがもう学生さんなんだねえ!」
「冒険者なんて大丈夫か?危ないところへは行かないようにな?誰かと一緒に行くんだぞ?」
「学校でいじめられたら、おいちゃんに言えよ!やっつけてやる!」
「あんた、学校にいるのはお貴族様だよ!平民がそんなこと言って大丈夫なの?」
「……おいちゃんが慰めてやる!!」
「wwww」
みんなして俺を励ましたり抱っこしたりなでなでしたり心配したり。
自分のことみたいに喜んで心配してくれる。
「あのね、俺ツエエので!大丈夫だよ!
A級のキースとパーティー組んで行くし!」
「学園のみんなは、凄く優しかったよ!よきお友達もできました!楽しかった!」
「いじめる人とかいないから安心してね!」
みんなに構われすぎて、俺の頭はボサボサに。
「あっはっは!アンタら、撫ぜすぎ!
サフィちゃんの頭をみてごらん!
鳥の巣になっちまってるよ!」
「うわ!マジか!」
「す、すまんすまん!」
慌てて撫で付けてくれるも、あちらこちらにぴょんぴょんとアホ毛が!
そんな俺を見て冒険者たちも笑い出した。
「あははは!かわいいじゃねえか!」
「生まれたばっかのヒナみたいだぞ」
俺も頭を触ってみたら、なんか触ったことない感触!
未知の世界が頭に広がっておる!
「うひゃあ!もわんもわんしてる!
見たい!どうなってるのー?
鏡!鏡ちょーだいっ!」
なんとか少しでも見えないかとくねくねしてたら、笑いを堪えながらゲイルが鏡を貸してくれた。
「!!ボンバってる!
俺のあたま、爆発した!」
「ギャーッハッハッハ!!ボンバー!!」
「ふ、ふはははは!たしかに爆発しとるわ!!」
「あっはっはは!笑わせないでくれ!」
誰かが爆笑しながら櫛を持ってきてくれて、そこから何故か「サフィヘアアレンジメント大会」が開催された!
あちこちで俺はいじり倒され、三つ編みされたり、くるくるにされたり、編み込みされたり花を飾られたりしたのでした。
楽しかったからヨシ!
入学式の後で必ずギルドに来るようにって、ギルド長に言われていたのだ。
「こんにちわー!!」
ギルドに入ったとたん。
わあああああ!!!
俺はみんなに囲まれてわっしょいわっしょい!
「ひゃあああ!!ちょ、ちょっと、なにいいいい?!」
ぽーんぽーんと放り投げられながらあっと言う間にギルドの中央の椅子によっこいしょ!と座らされた。
なんと、椅子の前のテーブルには大きなケーキが!
しかも「サフィ入学&冒険者登録おめでとう!」と書いてある!
「ようこそギルドへ!冒険者サフィ!」という横断幕まで張られているではありませんか!
しかも!いい匂いがすると思ったら、あちこちに花が飾ってある!
これ、いわゆるパーティー会場じゃね?
え?あれ?ギルドだよね?ここ。
こ、これって俺の?!え?
みんなが俺のために用意してくれたの?!
「マジですか?!えええええ?!」
嬉しすぎてフンフンしながら周りを見ると「どうだ?」と言わんばかりのドヤ顔の冒険者たち!
「驚いたか?」
「わっはっは!大成功だ!」
「「「「サフィ、おめでとう!!」」」」
なんか言いたいのに、胸がいっぱいになって言葉が出ない!
俺はお口をぱくぱく。
ちょ、ちょっとお!ちょっとおおおお!!!
もう!みんなってば、みんなってば!
ゲイルもニヤニヤしながら遠巻きに俺を眺めている。
ゲイル!知ってたでしょお!
こんなサプライズがあるなんてきーてないから!!
「嫌だったか?」
俺はぶんぶんと首を横に振る。
「もう!もう!
こんなの、嬉しいしかないでしょ!
すっごく嬉しいに決まってるでしょーーーー!!
みんなってば!もう!最高すぎるよーーーっ!!!」
胸が震えるって、こういうことをいうんだね。
すっごくすっごく嬉しい!
感動に震える俺の首に、ギルド長が恭しく何かをかけてくれた。
「ようやくだな。サフィ!
これで正式に冒険者だ!
新米冒険者、サフィ!しっかりと依頼をこなせよ!」
「?!これって!」
「ああ。冒険者登録証だ!これで本当の冒険者デビューだぞ!」
う、うわああああ!!
ついに!ついに俺も正式に冒険者!!!
これって憧れの冒険者プレートじゃん!
おおおおお!
サフィ、って名前のほかに(冒険者プレートには家名は書かないの。いろいろあるしね)、通り名として「サンダーエンジェル」って書いてある。
ちょっとお!何してくれちゃったの!ギルド長のお茶目さん!
ギリイと睨むと、ギルド長がニヤリと笑った。
こいつ、確信犯だ!
もうギルド長は抱っこ禁止!
でも、でも!!
「俺、俺も!!
俺も冒険者!
冒険者になりましたーーーー!!!
やったああああ!」
椅子の上に立ち上がると、冒険者証を掲げ、高々と宣言!
ここに通ってもう4年になる。
遂に、遂にこの時が来たのだ!!!
パチパチパチパチ!
「「「「おめでとう!」」」」
あちこちから拍手、拍手、拍手!
嬉しいがすぎてジタバタじたばたしてたら、危ないからって椅子から降ろされた。
でも、それでも抑えきれずにぴょんこぴょんこ。
足元が勝手にステップを刻む。
その辺の冒険者の手をつかまえてくるりくるり。
「冒険者見習い」っていう変な立場の俺を受け入れて見守ってくれてたみんな。
ラッキーチャーム扱いで膝にのせたりハグしたりしながら「ここに居ていいんだぞ」って色々な形で示してくれた。
命はって生きてるだけあって貪欲だから「ラッキーくれくれ」も勿論あるけど、それだけじゃない。
乱暴な口調にも気遣いがあった。ぽん、と背を叩く手には優しさがあった。
サフィ専用「冒険者がたまたま貰ったオヤツ箱」に俺のためにみんながお菓子を買って入れてくれてたの、知ってる。
俺が生意気なことを言っても「子供のくせに」なんて絶対に言わなかった。
大好きなみんな。
みんながいたからこの日を迎えることができたんだよ。
俺はピタリと動きを止めると、みんなに向かって半泣きで叫んだ。
「みんな、大好きーーーーー!!
最高の仲間ーーーーー!!!」
そこに。
「やったな、サフィ!」
たぶん本日のサプライズの立役者キースが現れ、ひょいっと俺を肩車した。
そしてぐるりと冒険者たちを見回し、こう宣言する。
「俺はサフィとパーティーを組む!
もうソロはやめだ!これからはサフィとチームで依頼をこなすことにする!
みんなもそのつもりでな!」
「!そうなのです!
俺とキースはパーティーですのでね!!
そのつもりでおねがーーーい!!!
あとねえ、キースも俺の家族になりましたのでー!
そこんとこもよろしくでーす!」
きゃっきゃと肩の上ではしゃぐ俺。
「こ、こら!サフィ!危ないぞ!」
とたんあちこちからブーイングの嵐!
「どういうこと?!」
「えええ?ずりいぞ!
俺だってサフィをチームに入れようって思ってたのに!」
「抜け駆けだあ!サフィって絶対にツエエだろ!
Aランクのお前と組んだら、ギルド最強じゃねえか!」
「おまけに、家族?!はあ?!みんなのサフィなのに!!ずるいじゃねえか!」
「羨ましいだろ?
そうだなあ。俺について来れるなら仲間に入れてやるぞ?どうする?」
ニコッ。
そ、それ絶対無理なやつですよねー?
キースってば意地悪さんっ!
「だ、大丈夫だよ!
いざって時には俺がみんなを助けるし、守ってあげますのでね!
俺ツエエだから!」
俺は慌てて冒険者たちにフォローを入れた。
のだが。
何故かみんな下を向いていじいじ。
「…そうだよなあ…サフィ、こう見えてサンダーエンジェルだもんなあ」
「外見は可愛いのにえげつねえからな…」
「俺、このチームに加わる勇気ねえわ…」
何でだよ!
あと、家族の件については、ゲイルの「ああ。サフィの護衛を頼んだんだ」であっさり解決した。
「サフィの護衛なんてA級しか無理だもんなー」「そらそうだわ」ってね。
それまでズルイズルイいってた冒険者が急に「頑張れよ」「いや、大変だよなあ。無理すんなよ」とか言い出したの、納得いかない。
俺ってそんなに大変な護衛対象だろうか?
この日、ギルドのカフェは食べ放題飲み放題になった。
なんとゲイルとギルド長の奢り!
「みんな!サフィが世話になった!ありがとう!
今日は俺の息子の特別な日だ!みんなで祝ってくれ!」
「俺からもサフィに祝いだ!
サフィがここの仲間になってくれて、俺も嬉しい!
最速でS級になれよー」
「ちょ!俺まだ駆け出し!10歳!
S級はハードル高すぎでしょー!」
「いやいやサフィならいける!
俺も鍛えてやるしな!」
無駄な信頼が重い…!
「俺も早くS級にならないとな。サフィに抜かれちまう」
「おう!キースも気合い入れろよ!
サフィならすぐ追いついて来るぞ!」
キースまで!
ギルド長といいキースといい、なんか俺の評価高すぎない?
ゲイルをちらりと見たら「突然だろ」って顔で満足そう。
お父様が1番ガチだった!
一方、冒険者たちはお祭り状態。
「ひゃっほー!!」
「ゲイル、太っ腹あ!」
「サフィちゃん、おめでとー!!カンパーイ!」
「ようやく正式に仲間だな!カンパーイ!」
みんな飲めや歌えやの大騒ぎだ。
それでも変わるがわる俺のとこに来て「おめでとう」の言葉とともに素敵なプレゼントをくれる。
学校で使うようにって、万年筆だとか、ポーチだとか。髪を留めるピンや、襟元につけるブローチなんてものまで!
冒険者にしては上品なプレゼント。
みんな一生懸命選んでくれたんだろうな。
照れ臭そうに「気に入らなきゃ捨ててくれ」とかいうの。
みんながくれたってだけでむちゃくちゃ気に入るし!
絶対大事にするからね!
「孤高の」って言われて普段はムスッとしてる冒険者(いつもこそっと俺に珍しいものくれる)ランガも、耳を赤くしてカバンをくれた。珍しい素材の、手作り!
もうさあ!
ここの人、みんな最高すぎない⁈優しいかよ!!!
俺は幸せすぎてニコニコによによ。
口元がどうしても綻んじゃう!
最高の気分!
キースがこそっと俺の耳にささやいた。
「あのな。
夜に渡したいものがあるんだけど。時間くれるか?」
「?うん!いいよ」
俺もキースにしゃがんでもらってキースの耳にこしょこしょ。
「あのね、キース。俺とパーティー組んでくれてありがとう!
あと、このお祝いキースの発案でしょ?それもありがとうね!最高のプレゼントだよ!」
「え?なんで俺だって分かった?」
ふは!それはねー!
こういう優しさがいかにもキースだから!
みんなでワイのワイのやってたら、おっきな籠を抱えて続々と街の人が!
「サフィちゃんのお祝いだって?」
と、パンやお菓子や料理を持ってお祝いに来てくれた!
「あのおチビちゃんがもう学生さんなんだねえ!」
「冒険者なんて大丈夫か?危ないところへは行かないようにな?誰かと一緒に行くんだぞ?」
「学校でいじめられたら、おいちゃんに言えよ!やっつけてやる!」
「あんた、学校にいるのはお貴族様だよ!平民がそんなこと言って大丈夫なの?」
「……おいちゃんが慰めてやる!!」
「wwww」
みんなして俺を励ましたり抱っこしたりなでなでしたり心配したり。
自分のことみたいに喜んで心配してくれる。
「あのね、俺ツエエので!大丈夫だよ!
A級のキースとパーティー組んで行くし!」
「学園のみんなは、凄く優しかったよ!よきお友達もできました!楽しかった!」
「いじめる人とかいないから安心してね!」
みんなに構われすぎて、俺の頭はボサボサに。
「あっはっは!アンタら、撫ぜすぎ!
サフィちゃんの頭をみてごらん!
鳥の巣になっちまってるよ!」
「うわ!マジか!」
「す、すまんすまん!」
慌てて撫で付けてくれるも、あちらこちらにぴょんぴょんとアホ毛が!
そんな俺を見て冒険者たちも笑い出した。
「あははは!かわいいじゃねえか!」
「生まれたばっかのヒナみたいだぞ」
俺も頭を触ってみたら、なんか触ったことない感触!
未知の世界が頭に広がっておる!
「うひゃあ!もわんもわんしてる!
見たい!どうなってるのー?
鏡!鏡ちょーだいっ!」
なんとか少しでも見えないかとくねくねしてたら、笑いを堪えながらゲイルが鏡を貸してくれた。
「!!ボンバってる!
俺のあたま、爆発した!」
「ギャーッハッハッハ!!ボンバー!!」
「ふ、ふはははは!たしかに爆発しとるわ!!」
「あっはっはは!笑わせないでくれ!」
誰かが爆笑しながら櫛を持ってきてくれて、そこから何故か「サフィヘアアレンジメント大会」が開催された!
あちこちで俺はいじり倒され、三つ編みされたり、くるくるにされたり、編み込みされたり花を飾られたりしたのでした。
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