もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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学院生活 波瀾万丈⁈

ゲイル、吠える

お腹すきすきーな俺に、おかあさまが大慌て。

「まあまあまあ!サフィちゃんがお腹を空かせているわ!大変!」

「おお!すまなかったな、サフィ。サフィのお腹をなんとかせねば!」

すかさずクマさんが俺の朝ごはんを持ってきてくれる。

「おお!パンケーキ!!」

俺の大好物!しかもパンケーキ・クリーム&フルーツ・パンケーキと重、まるでケーキのような飾り付けまでされている。
んん?
よく見ると何か書いたプレートが!

「こ・ん・ぐ・ら・ちゅ・れー・しょ・ん?
え?お祝い?まさか婚約の?」

思わずぐるりんと振り返ると、クマさんが満面の笑みでグッジョブ!
ま、まさかこの短時間でこれを?!なんというプロ意識!
ぱちぱちぱちぱち!!
思わず拍手喝采!
お兄様もニコニコ。

すると奥からわらわらわらと料理人さんたちが出てきて、俺とお兄様に向かって拍手!
みんなこっそり聞いてたのね!

「あらまあ!……本当は叱らなきゃいけないんだけど……これは仕方ないわ。みんなこの日を待っていたんだものね。でも、見逃すのは今回だけよ?」

おかあさまとハルトおじさま改めハルトお父様……はまだ早いか。ハルトおじ様も苦笑。

「えっとお。パンケーキありがとう!だけども、まだゲイルの許可は取ってないのでね!仮りの、って感じでお願いしまする!」

ぺこり。

あ!そうだ!ゲイルのとこ行かなきゃ!

もったいないけど大急ぎでお兄様にお口をふかれながらパクパク食べた。
ちゃんとお兄様のお口にも半分運んであげたからね!独り占めはしておりませんのであしからず!






こうしてようやくゲートで伯爵家に。
ゲイルはちょうど朝ごはんの最中だったみたいで、食堂に押しかけた俺たちを見てびっくり!

「な、なんだ、みんな勢ぞろいで!
いや待て!嫌な予感がするぞ!言うな!聞きたくねえ!まだ早いだろ!」

両手で耳をふさいで「聞こえねえぞー!俺は何にも聞こえねえからな!」なんて言い出した。
これ俺もよくやるやつ!

そんなゲイルにお兄様がずいずいとせまっていく。
椅子から立ち上がり逃げるゲイル。
追うお兄様。
遂にゲイルは壁際に追い詰められてしまった。
こ、これはいわゆる……壁ドン?!
どうなる、ゲイル!
わくわくわく。もとい、ハラハラハラ。

「さ、サフィ!お父様を助けろ!」

「がってんしょーちのすけ!」

タタターっと駆け寄りお兄様とゲイルの間にズボッと割って入る。

「ゲイルは俺がまもーる!!」

突然にょきッと生えた俺にお兄様の勢いがそがれた。
今だ!ゲイル、逃げてええええ!!

「こおら。ダメでしょ?」

今度は俺が捕まってしまった。

「サフィいいいい!!」

慌てて俺を取り戻し、ぎゅうっと腕の中に抱き込むゲイル。

「サフィはやらんぞ!俺の可愛い息子だからな!」

「ゲイルうううう!大好きいいいい!」



「………私は何を見せられておるのだ?」

「私たち、なにをしに来たのだったかしら?」

「婚約の申しこ……「わーー!わーーー!わーーー!!聞いてねえ!聞いてねえぞ!!」

慌てて耳をふさぎなおして大声を出すゲイル。

そ、そうだった。婚約の申し込み!
ゲイルをお助けしてはならぬのでした!

「ゲイル、ごめん!俺はお兄様の味方しなきゃなのでした!」

ぐいーっとゲイルの腕にぶらさがり腕を外す。

「サフィ?!お父様を裏切るのか?!」

くわっと眉をあげてゲイルが吠えた。
しかし俺はひるみませぬ。だってだって。

「報連相は大事ですので!」




こうしてようやくゲイルに話を聞いてもらうことができたのだった。

大騒ぎしている間に、マリーとティガーが来たので、二人に頼んでキースも呼んできてもらう。
だって俺の大事な家族で相棒ですのでね。




集まったみんなと向かい合うように、お兄様と俺。その後ろにおかあさなとハルトおじさまが並ぶ。

「私からお願いがあります。単刀直入に言います。ゲイル、サフィに婚約の申し込みをしたい。
サフィから了承は得ている。私はサフィを愛している。
もちろん、サフィがまだ10歳なのは承知している。
それでも……サフィの婚約者という地位を誰にも渡したくないのです。婚姻を結ぶのは成人するまで待ちます。
どうか……許可してほしい」

言ってお兄様がふかぶかと首を垂れた。

「………ついに言われちまったか……。いつかはと覚悟はしていたんだが。ちと早すぎねえか?」

「婚約を結んだからとすぐ王城に住めとはいいません。でも、私はサフィと共にある確固たる権利が欲しいのです」

ゲイルがチラリとキースを見た。

「キースはどう思う?」

「あ……ああ。俺は…………言っていいのか?」

こくりとゲイルが頷いた。

「今を逃せば後はねえと思うぞ?」

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