もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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俺はA級になる!

辺境へレッツゴー!

とにもかくにも辺境へ!
月曜日には学校があるから、早急に向かわねばなりませぬ。ギルド前でサクッと計画をば立てましょう!

「ミカミカ。辺境へは馬車でどれくらいかかる?」

「うーん。辺境だからなあ……。野宿しながら走れるだけ走って最低ニ日はかかるな」

それじゃあ困る!倒す時間とか考えたら、言って戻って五日はかかっちゃう!
うむ!では奥の手を!

「そこを短縮します!」

「どうやって?サフィ、馬に乗れるのか?」

「馬には乗れませぬが、ルーには乗れます!」

「はあ⁈」

「ルーくーん!ルーダー!すまぬが、ちょっくら辺境までみんなをお願いできまするかのう」

ぼわわわーん!とおなじみルーくん親子登場!

「はーい!サフィー!来たよー」
「久しいのう!辺境に送れば良いのか?」

「うん!契約したときの約束覚えてるよね?
ドラゴン退治に行きますので!送迎をお願い!」

「ご褒美ある?」
「こら、ルー!あさましいぞ!」

「しょうがないなあ。ルーくん用の新しいポーチ!ティガーに頼んであげる!」

「え?いいの?あのね、今度は水色にして!」

「りょーかーい!」

ルーダとルーくんが本来の大きさになり、しゃがんでみんなに背中を見せた。

「さ、サフィ?まさかと思うけど…」

「れっつライド!乗るよーみんな!」

「いや、何言ってんだサフィ⁉︎これでも聖獣さまだぞ⁈」

これ、と指差してるあたり、ミカミカもふけーじゃん!

「でも2フェンとも俺の眷属だし。冒険者は使役獣とか普通に使うものなんだよ?」

「まあ、確かにサフィの使役獣といえなくもないからなあ」

キース!さすが話がはやい!

てわけで。

ルーダにはレオンとミカミカが。
ルーには俺とキースが乗ることになった。
レオンは俺と乗ると頑張っていたんだけど、この中で「馬とか乗るのが上手な人」はキースとミカミカ。
したがって二人がそれぞれ俺とレオンを前にして手綱(というか首輪)を握ることになったのだ。

俺だって乗れるのにい!

「今回は遠距離になるからな、飛ばすぞ?
キースの言う通りにするがよい」

ルーダに諭されしぶしぶそうなった次第。



俺がキースの腕に囲われるようにして乗フェンするのを見てレオンがぐちぐち。

「キース!あまりくっつかないように。でもサフィを離さないようにね?命にかえても守ってくださいね?」

「命にかえても守るが、くっつかないのは無理だぜ?」

ワザとぎゅむっと俺を抱きしめるキース。

「あああ!離れて!」

こら!レオンを刺激しないの!

「レオン!もう黙れって!諦めろよ、ほら!乗れ!さっさと行くぞ!」

「さあ、しゅっぱつしんこー!!」

ルー親子が地面を蹴る。

ひと蹴りでグン、と一気に宙に飛んだ。

「わああああ!」

すごいすごいすごい!
あっという間にギルドも米粒だ。

唖然と空を見上げる冒険者に俺は大きく手を振った。

「行ってきまーす!!」

誰か知り合いいるかなあ、と見下ろせば

「こ、こらサフィ!身を乗り出すな!危ないぞ?」

キースにぎゅうっと身体で押さえ込まれてしまった。残念!



耳の横をゴオゴオと風が通り過ぎる。
風圧で目が乾いちゃいそう!

「ガード!」

前に風避けのような空気の層を作ってみた。

「おお!むちゃくちゃ楽!」

「サフィ、よくやった!」

「え?なんだそれー?サフィー!なにやったー?」

風で髪をバサバサ言わせながらミカミカが声を張る。

「えーっとねーえ!風のー防護壁みたいなやつー!やってみたー!」

ピーン!という顔をするミカミカ。
しゅん、と髪のバサバサがマシになったところを見ると、あっちもうまくやれたようだ。

風圧が楽になった分、周りをよく見る余裕ができた。

「ねえねえ、キース!あの赤い山って、レッドドラゴンとかいそうじゃない?」

「ああ、よく分かったな!あそこはレッドドラゴンの棲家だ。あそこは鉄を含む石があってな?ドラゴンのおかげで、溶けた状態で手に入るから保護されてるんだ」

「へー。共存?利用?できたらいいんだね」

「まあそうだな。ドラゴンも敵じゃない。基本的に棲み分けできれば問題ないんだ。ただ、人里に降りれば話は別。討伐対象になる」

うむうむ。とすれば、今回のドラゴンも棲家を離れて辺境に出たから討伐依頼が来たわけか。
理解した!

「アイスドラゴンは、通常Aランク。このランクになると意思疎通を図れる個体もあるら、その上位種のブリザードドラゴンだと伝説級でSランクになる。これはもう神話レベルだな。伝承しかない。俺もまだ会ったことがない」

「意思疎通?」

てことは、ドラゴンスレイヤーではなくドラゴンフレンドになれる可能性も?
仲良くなって、ドラゴンライダーとか最高じゃない⁈

俄然やる気になってまいりましたよー!!

「ブリザードドラゴンなら、我の知り合いもおるぞ?永く会ってはいないが……酒好きでな?なかなかに愉快なヤツだ」

「マジか!実在するとは!」

「ええ?ルーダ、ドラゴンの友達がいるの?」

「永く生きたものになると、神獣に近い力を持つのよ。土地神、といえばわかるか?
そういうものになると、倒せば災いを呼ぶ」

うーん。土地神かあ。
なんだかフラグの予感。


















 悪役令息の役どころからはサクッと離脱することにする。 #アルファポリス https://www.alphapolis.co.jp/novel/410813407/349928386
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