もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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俺はA級になる!

ドラゴンドラゴンドラゴン

おおおお!!
ドラゴン、でっかあああい!!

間近で見たその迫力に、俺は大興奮!

「ふわああああ!!かっこよ!!
でっかあああい!!鱗とかピッカピカ!
すんごい強そう!!」

感動していたらば、ドラゴン方面から「ぐぎゅるるるるる」みたいな音が聞こえた。
結構な音だったね?!

思わず「?!」と見つめれば。三ドラ気まずそうにそっと目をそらした。
やはりお腹が減っていた模様。
それなのにいきなりお肉を奪わずきちんと筋を通す姿勢が素晴らしい!
名乗りから入るあたり、とっても礼儀正しいな、フリューゲル。

しかしその上から目線はいかがなものでしょうか?

「近いけど貢ぎものではありませぬ。
これは仲良しの印なのです!
もとから辺境にいたの、フリューゲルでいいんだよね?
これまで人間と上手に共存してくれてありがとう!
これからもよろしくお頼みもうす!」

うむ、とフリューゲル。
目は肉に釘付けである。
肉でおびき寄せ作成は大成功だっていうことだね!

しかし、肉を与える前に話をせねば。
すまぬがしばし待たれよ!

「用なのですが、三ドラさんたちの喧嘩でみんな迷惑しているのです。
てゆーか、正確にはそこのジークとゴーン!
辺境に来て先住者に喧嘩売って迷惑かけてるのは、どうなのですか?
森が荒れるし、街に影響でそうだし近寄れないしでみんな困ってるのですが⁈
それに対してどう思いますか?」

「ああ?ドラゴンに口だしをするか、この人間風情が!」

言いかけたジークにバッチーン!

「ギャッ!」

キースが動く間も無く聖女の力が発動!
悪いことして注意されたのに、反省もせずに注意した人に敵意を抱いたんだから自業自得。

ビリビリってなりながらも、ジークさらに逆ギレ。

「キサマ、我に何をした!」

俺に手を伸ばして今度はバリバリーン!

「ヒギャッ!」

懲りないねえ。

プスプスーと身体から煙をだして倒れたジーク。

「ひいいい!な、なに?」

それ見た、ゴーンは涙目。
キースは「意外と威力あるんだな?」と感心しきり。
ドラゴンを前にしてさすがの余裕でありますな。

ちなみにフリューゲルは「ほう!」と目を丸くしてちょっとワクワク顔。


「う、あ、あの、あのうっ!
あなたさまはなにをなされたのでしょうか?」

すんごい下手に出てきたね、キミゴーン

「俺は聖女だっていったでしょ?
敵意があるものを弾く仕様となっておりますので、あしからず!」

ぺこりんちょ。

「ひいいい!敵意ありません!全くございません!」

すざあああッと、ごめん寝のような体制になるゴーン。
空気読める系ドラゴンだったらしい。

「……聖女にそのような仕様があるのなら先に言え……」

まだプスプスーとなりながらジークがぼやく。
君は空気読めないね。もっかいいっとく?

「ほうほう!聖女とはそのような力を!面白い!」

フリューゲルはものすごく楽しそう。

「まだまだ我の知らぬこともあるようだ」


これでみんな俺に注目してくれましたね?

「みなさまお話を聞いてくれる気になりましたでしょーか?
あ、そこの迷惑な二ドラ!お座り!」

「はいいい!」

ゴーンが素早くビシッとお座りし、ジークはいかにも嫌々って感じて座り直した。
動きながら、痛いのかときどきビクってしてる。
おまけにまだプスプスしているので、ここはいっちょヒールしてやることにしよう。
煙が気になるしね。

「ヒール!」

ピッカーン!

一瞬でジークの鱗はピッカピカ。

「おおおおお!治ったぞ!鱗がまるで新品のようだ!
どうだ、カッコいいだろう!
それも聖女の力か。人間にもすごいのがいるのだな」

キョロキョロと身体を見回し、感心するジーク。

「一応言っておくが、サフィは特別だからな?普通はこうじゃないぞ?」

キース、注釈をありがとうね。





こうしてお話合いの体制になったので、円座になってみました。

「あ、お腹空いてるでしょ?
仲良しの印のお肉、ご遠慮なく。喧嘩しないように一山づつね?」


どうぞどうぞとおすすめすれば、待ってましたとばかりに一斉にかじりついた。

「おおおお!香ばしい!美味いのう!」
「焼けた肉は久しぶりだ!」
「焼いた肉ってこんなにおいしいのか!」

三ドラとも涙を流さんばかりに喜んでいる。
あんまりにも喜ぶので、ちょっとびっくりした。

「あれ?焼いたお肉、食べないの?
ファイヤーしないの?
生肉ばっかり?」

「凍らせた肉も食べるぞ?
何しろ我らはアイスドラゴンだからな。
炎は扱えないのだ」

そうか。氷魔法が中心だから、炎は弱点になっちゃうもんね。
ちょっとかわいそうかも。




なんとなあく打ち解けていい感じの雰囲気になってまいりました。
良かった良かった。
あとはどうすればいいのか、具体的な話し合いにうつりましょう。
みんなきちんと話が通じるタイプみたいだし、この感じならいい感じに折り合えそうじゃない?



さあ、話し合おう、というところで。

強大な強大な魔力がドーンとやってきた。



「「「!!!」」」

「サフィ!!」

三ドラがとっさに俺たちを庇うようにして翼で囲ってくれる。
おお。優しい!

あっちの方騎士団は俺のシールドでばっちりガードしてるから問題なっしんぐ。
こっちもシールドしたほうがいいのかな?



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