もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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俺はA級になる!

ドラゴン問題解決しました

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結局ブリードは「素直そうな小柄」ではなく「懐かぬものを懐かせる」ほうを選んだ。
つまり、ジークである。
在りし日の偉そうな態度を思い出すと、なんだか涙が……。

どうやって雌にされてしまうのかわからんが、ご冥福を祈る。
いや。お幸せに!



自分の運命が決められてしまったことも知らずに、ジークはハグハグと肉を堪能している。

「我が狩ってきたものが一番大きいぞ!」

なんて威張っているジーク。
さっきまでの俺なら「うるさいなあ」と思ったかもしれないが、今の俺はジーク可哀そうな犠牲者に優しくしてやりたい気持ちでいっぱいなのだ。
したがって俺はめいっぱいジークを褒めてやった。

「凄いね!ジークが獲ってきたお肉が一番でっかい!さすがジーク!」

俺の反応で犠牲ドラゴンを察したのか、周りのみんなも一斉に褒める。

「たしかに、とても大きい肉です!」
「素晴らしいですよ!!ジーク様!」

まんざらでもなさそうに「そうかあ」とニヤニヤしているジークに注がれるブリードの目が優しい。
だがその優しさが逆に怖い。その目、もう完璧「俺のジークはかわいいなあ」じゃん!



ジークの幸せは長くは続かなかった。
遂にブリードが動いたのだ。

「うむ。ジーク。
お主を我の番にしてやろうぞ。我と共に来るがよい」

いきなり直球だね⁈

あんぐりと開いたジークの口から肉の塊がゴトリと落ちた。

「どうした?喜ばぬのか?
ブリザードドラゴンの番となれば、主もそれなりの力を得るのだぞ?」

ジークの目がすごい勢いでぐるぐるしている。
脳筋な感じみたいだから、まだ状況がよく理解できていないのかもしれない。
あまりにも哀れすぎる。
こんなジーク、見たくなかった!

仕方なく俺はジークのお腹をつんつんして教えてあげた。

「あのね、ブリードがここら辺に来たのは、番探しのためだったんだって。
この辺にアイスドラゴンが沢山いるっていうので来てたの。
ジークは雄だけど、そこは大丈夫。選ばれたドラゴンは雌になるみたいだから。
安心してブリードに番われてくださいませ。
ブリードの縄張りに連れてってくれるっていうから、住むところもできるよ。良かったね!」

ガビーン!
ジークはまさしくそんな顔になった。
ドラゴンって意外と表情豊かだよね。今日は驚くことがいっぱい。

まるで助けを求めるかのように俺を見るジーク。

「サ、サフィ!そ、そう、実は私はサフィとこの地を守ると約束したのでございましたっっ!!残念ですが、そういうわけでおことわ…

「おお!そうか!丁度良い。我はサフィの眷属になった。
サフィと我は繋がっておるのでな、お主も安心するがよい」

「そういうことなので、ごめんね?お気持ちだけ頂いておきます」

ぺこーり。

絶望に染まるドラゴンの顔、初めて見たかもしれない。
ジークはきょろきょろと救いを求めるかのように当たりを見回した。そして辺境勢に気付くとパアッと顔を明るくする。

「そ、そこの人間ども!
我もそなたらに力をかしてやろうぞ!
どうだ!我もこの地に欲しかろう!」

必死かよ!
しかしムキムキマッチョはつれなかった。

「いや、ブリードがいるしなあ。呼べば来てくれるらしいですし」

「それに辺境うちにはフリューゲルもいるからなあ。うちはそれで……」

まさかのお断り!

「う、嘘だろう…我はアイスドラゴンぞ?」

だよねえ。他所なら大歓迎だと思うよ?
だけどここにはフリューゲルがいる。ブリードも呼べば来る。
マッチョたちは余所者アイスドラゴンよりも、頼りになりそうなブリードたちのほうをとったのである。





こうしてジークはあっけなくブリードに連れられて行った。

「サフィ、またなー!楽しい余興であった!
必ず我を呼ぶのだぞーーーー!!」

「あああああーっ!なんでこんなことにいいいいい!」

上空からドラゴンの涙が降ってきた。

「おお!貴重品だぞ!瓶を出してくれっ!!」

「獲れたかっ?!」

「おーい!もう終わりかーっ?」

さすがにちょっとかわいそうかなって思った。
だけど、ドラゴンだってひとりより2人の方が楽しいし幸せだと思うよ?
ジーク、幸せになってねーっ!


フィリューゲルはともかく、残されたゴーンはがくがくと震えていた。
下手をしたらあれはゴーンだったかもしれないのだ。ゴーンの性格でブリードと暮らすのはキツかろう。
ブリードの趣味が変わっててよかったね、ゴーン。

「は……はわわ………わ、わ、われ、我はどうすれば………」

うーん。そうだよねえ。
ドラゴン三つ巴は解決したけど、まだゴーンが残ってる。
正直、ゴーンとジークが共闘すれば何とかなったかもだけど、フリューゲルとゴーンだけになっちゃうと、ゴーンの負けは確定だもん。かといって、ドラゴンにはナワバリってものがあるし。
ゴーン、新しい住処を見つけられるのだろうか…。

するとフィリューゲルがいい解決案を出してくれた。

「仕方がない。番おう」

ほえ?!なんですと?!

「我もそろそろ番ってもいい年齢。急ぐつもりはなかったが……。
雄同志では同じ縄張りに住めぬ。
だが、お主が我の番となるのであれば、ここにおいてやろう。
どうする?」

ゴーン、ある意味またまたピンチである!

でもハッキリいってあの愉快犯的なところがあるブリードよりも、フィリューゲルのほうがどんだけもマシだと思う。そもそも常識ドラだからこそ、辺境で人間と共存してくれていたんだもの。
包み込むうような優しさと包容力があるはず。たぶん。
てゆーか、もうそれしか道はないんだから、そう思って諦めて欲しい。
ゴーンとフリューゲルならなんか仲良く住めそうだし。
あ、赤ちゃん生まれたら見せてね?






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