もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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俺とレオンの婚約式

サフィちゃんコンサート

みんなにはそのまま広場でお待ちいただき(おもてなしは忘れませぬぞ。
座席に即席のティーコーナーとケーキ、クッキー、タルトなどのデザートコーナーを設置。
お待ちいただいております間に、おいしいおやつをご堪能くださいまし)
30分。

「お待たせいたしましたーーーー!!」

大急ぎでお着換えし、お互いのお色の衣装に登場した俺たち。

せっかくなので、イベント前に皆様に元気になっていただきましょー!
婚約式大サービス!

「特大ヒーーーーール!!」

びっかああああああん!!

あのジークがみるみるうちにシャッキーーーン!ボロボロからぴっかぴかドラゴンに戻った。

「おおおおおお!!力が漲ってきた!!」
「ジーク!おお!なんとまた美しく……!!」

ブリードの目がキラリんしたところでゲイルが「おさわり禁止」と間に割って入ってあげている。
優しいお父様、好きーーー!!

みんなも元気もりもりお肌つやっつやになってルンルンしている。

リンロンも「あれ?」「おおお?!」と腕を回したり腰をトントンしたり、お肌をなでなでしたりし、驚愕の表情で俺を見た。

「……ヒールしましたのでね?これからのコンサート存分にお楽しみくださいませ!」

みんなめっちゃ張り切るから。そのテンションについてこれるかなーっ?




ブリードとジークのところに行ってこしょこちょっとご相談。
せっかくなので、演出としてドラゴンさんにもご参加いただきまする。

さささささっとみんなの前らへんに即席のステージを作ってくれてあった。
ステージにあがり、すうっと息を吸う。
こくり、レオンに向かって頷くと、レオンは席のほうに……いかずにステージの前にかぶりつきで座った。
そこ?!特別席じゃん!!
まあ、婚約式ですのでね。

「じゃあ、みんなーーーーー!!今日はきてくれてありがとおおおおおお!!!」

「をおおおおおおおお!!!」

野太い怒号に、初参加の面々(お友達勢、帝国、リンロン)がぎょっとしたように飛び上がった。
これでビビったら負けですよ?


「きょうはあ!みんなの大好きなあの曲をやるよおおおお!!
五年ぶりだけれども、覚えてますかあああああ?」

「覚えておるぞおおお!!」

「合いの手も忘れておりませぬなっ?」

「おおおおおおお!!」

「では、えいえい、おーーー!!!」

「「「「「えいえい、おーーーーーー!!!」」」

ここでブリードがしゅうううっと息を吐く。
ステージに降り注ぐキラキラ輝くスターダスト。

「ねえどーしてー♪
すーごくすごーく、すきーなーことーーーー♪
ただーつたえたーいだけ」

今日はロマンチックに。あの名曲をくるーりくるくると回りながら歌いまする。
時々目があった相手にむかってウインクも忘れずに。

「あーいしてるうー♪
あーいしーてるうー♪るるるー♪」

胸の前で手を組んでしんみりと歌い上げ。

「さあここからは、手をあげてー!
手拍子!
いくよーーーー!」


はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!

「らぶらぶ あいをーさーけーぼー!」

「「「「「はいっ!」」」」

「あーいをーよーぼーおーー♪」

「「「「「はいっはいっ!」」」」」

「みんな全力で乗ってきたー?
さあ、そこのリンロンもごいっしょにー!手をあげてーーーっ!
準備はいいーっ?せーーーーのーーーーっ!はいっはいっ!!」

「らぶらぶ あいをーさーけーぼー!」

「「「「「「はいっ!」」」」」

「あーいをーよーぼーおーー♪」

「「「「「はいっはいっ!」」」」」


一曲終わったときには、おっちゃんたちキラッキラの笑顔。
リンとロンのお顔もなんだかぼうっと上気している。

レオンとゲイル(ゲイルも前列に出てきました)は拍手しすぎて手が真っ赤!
ちょっときみたちおさえておさえて!


よおおおっし乗ってきたぞおおお!

「じゃあ、いくよー!二曲目は、あの名曲!
学園が天国ーーーーーっ!!」

片手を突き上げたてのりヘッドバンギングーー!

「ヘイッヘイッヘイッヘイッ!」

「「「「「ヘイッヘイッヘイッヘイッ!」」」」」

みんなも肩を組み片手を突き上げノリノリでたてのりヘッドバンギング!

じゃあ次はーーー!
両手を上下に振ってモンキーダンス!

「ヘイッヘイッヘイッヘイッ!」

「「「「「ヘイッヘイッヘイッヘイッ!」」」」」

「もーいっかーい!ヘイッヘイッヘイッヘイッ!」

「「「「「ヘイッヘイッヘイッヘイッ!」」」」」

ミンミンコンビはともかく、ミルくんとリースくまでのりのりで見たこともない笑顔でモンキーダンス!
めっちゃ楽しいいいいい!!

「じゃあ、右サイドーーー!王国勢ーーーー!イエーーーイ!」

「「「おーーーーー!イエーーーイ!」」」

「じゃあ、左サイドーーー!帝国勢ーーーー!リンドールとロンドーー!イエーーーイ!」

「「「イエーーーーイ!」」

「こんどはみんなでーーー!イエーーーーイ!」

「「「「「イエーーーーイ!!」」」」」

「センキュウ!」

ジャカジャン!
エアギターを決めてビシっと止まる。キマッタアアアア!



数曲ご披露したころには、みんな席から前に出てきてステージの前にぎゅうぎゅう詰めに。
帝国も王国もリンドールもロンドも関係なく。おっちゃんの横にビビ姫、その横にセオ、公爵、ミンミン、リースくん……という感じで国も人も入り混じって楽しそうに肩を組み腕振り上げていた。

どの人も汗だくでピッカピカな笑顔。
身体を動かして大きな声を出してみんなで歌うと、ストレスも何もかも吹っ飛ぶよねー!分かる分かるー!

ドラゴンまで羽根をバサバサ言わせて楽しそうに身体をゆすっていた。
時々ドスンドスンするもんだから、みんなの身体がピョンピョンと浮き上がる。
それすらも楽しい!


最後はレオンにもステージに上がってもらった。
みんなおなじみのいつもの曲なら歌えるでしょ?
歩くやつ!

レオンと一緒に手をつないで歌う。

「みんなもお隣の人と手をつないでー!!一緒にその場で足踏みしてーーーー!」

「あーるーこー♪あーるーこー♪……………






こうしてサフィちゃんコンサートは大盛況に終わった。

ロンドなんぞ毒気が汗と共に流れてしまったようで、スッキリした表情。
汗であの似合わないケバケバメイクもすっかり流れ落ち、現れたのはなんと普通に可愛いお姉さま。お胸は……げふんげふんだけど、この人あのボワンボワンした変てこドレスやめてシンプルにした方が似合うとおもう!!
いつの間にかビビさんとセオ、メーゼン殿下で横にならんで踊っていたらしい。
そのことにはっと気づき「しまった!」から困ったみたいな顔になり、ついに小さな声で「…………ごめんなさい。本当にご迷惑をおかけしました。殿下があまりにお綺麗で、嘘をついたら私のものにできるかと……周りを巻き込み酷いことを…。きちんと賠償の品は送らせて頂きますので………どうかお許しくださいませ…」
と頭を下げたのだった。
うん。きちんと謝るのって大事。お城での謝罪には心がこもってなかったけど、今のにはちゃんと心がこもってた。

メーゼン殿下もセオさんにもそれは伝わったみたいで表情が緩んだ。
「もういいですわ。レオンハルト様が全てこちらに良いように取り計らってくださいましたしね?」
「もう凝りたでしょう?」
と言ってくすりと笑ってくれたのだった。

なんか「一緒になって汗を流したらもう友達」みたいな謎の力が働いておる。
戦争になるところだったのに、そんな簡単に許しちゃっていいの?
でも、これがリンドールなのかも。優しい妖精さんの国。
鎖国してきて良かったね。開国してたらすぐ騙されて潰されちゃいそうだもの。
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