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サフィ大忙し
ブリードさんに分かって欲しいの
まず、最初に言わなければならぬこと。
「一応、聖獣みたいにその地を守ってるつもりなんだよね?確かにこれまでは共存して守ってくれてたんだと思うよ?
だけど、結婚して浮かれすぎ!今は迷惑しかかけてないの気付いてまするか?
ブードたちがドタンバタンするから地震が起きちゃって、近くの人が大変になってるの。
仲良きことは美しきこと。しかしながら、騒音で近隣に迷惑をかけては言語道断!
あのね、いつまで新婚さんなのですか?巣作りしてからもう一か月くらいになるでしょお?
ジークだってよぼよぼしてたし、可哀そうだよね?このままだと、嫁ドラに逃げられるよ!いいの?
もしくは過労でジークが儚くなってしもうたらどうするの?」
畳みかけるようにこんこんと諭せば、ブリードは全く気付いてなかったみたい。
「なんと!地震を起こしておったとは!それは我の手落ちよ。すまなかった。
しかしなあ、ドラゴンの巣作りは数か月は続くものなのだぞ?何しろ数百年に一度くらいの周期だからのう。その分期間も長くなるのだ。
それに、我々くらいになると腹の中の卵に魔力をたっぷり込めねばならぬ。子はそう簡単にできるものではない。なかなかに大変なことなのだぞ?」
そ、そうなの?
俺はくるりとゲイルを振り返った。
大人なら知ってると思って。
「あのね、ドラゴンの巣づくり、数か月続くんだって。数百年に一度だからだって。あと、卵に魔力をたっぷりこめないといけなくて子供は簡単にはできないんだって。知ってた?」
するとゲイルは顔の前で手を振り振り。
「いくら俺でもドラゴンの子作りについてなんぞ知らん」
クリスもうんうんと頷く。
「ドラゴンの出産自体がめったにないし、ドラゴンに近寄れる奴はいねえからな。生体なんてよく分かっちゃいないんだよ。だからドラゴンは自然災害とか天災扱いされるんだ。今の話だって、たぶんこの世界初の知識だぞ?それこそ、学術書に記載されるレベルだ」
ほうほう。一応ブリードに聞いておこう。
「あのね、今聞いたこととか秘密にした方がいい?ガクジュツショとかに載せてもいい?」
「別に構わぬぞ?知られたところで我らには影響はないからな」
おお!太っ腹!
「ギルド長!今のガクジュツショに載せてもいいって!良かったね?」
「おお!助かるぜ!連絡しとくわ!」
意外なところで豆知識が増えてしまった。
が、その内容はと言えば、バース君たちに絶望をもたらしてしもうた。
「………数か月……。まだまだあれが続くのか……?」
「それだと冬に十分な食料が確保できねえ……」
うーん。確かに。今でさえ大変でボロボロなんだもんねえ。
あ、食料で思い出した!アレも言わなきゃ!
「あ、あとね、お肉なんだけど!牛のお肉は勝手に取ったらだめでしょ!
こないだ森で取ってこーいしたのは『リンロンに迷惑かけられたからその意趣返し!リンロンから取ってこーい』だったでしょ!バース連合、ブリードがもともと住んでるとこは、守らなきゃなところでしょ?人間が頑張って育ててるものを奪ったらいけません!」
ここ大事!牛の肉に味をしめちゃったのって、俺のせいだし。
するとブリード、これはちょっとだけ罪悪感があったみたい。
誤魔化すみたいに目をウロウロさせながら、
「しかし、雌に餌を運ぶのは雄の甲斐性なのだ。巣作りのときはなるべく良いものを与えたいだろう?」
なにその「気持ちわかるよね?」みたいなの。
俺はおもいっきり左右に頭を振った。
「人から奪ったものはダメでしょ。野生の野良を狩るのが男ってもんでしょうが!」
するとブリード、子供の俺相手では分が悪いと思ったのか、相手をゲイルに変えてきた。
「ゲイルなら分かるであろう?お主もサフィを作る際に雌に良いものを与えたであろう?」
「俺に番はいねえぞ?サフィは俺と同じ血は引いてるが、厳密にいえば俺の……姪の子、だからな。だがサフィにいいもんを食わせてやりたいから気持ちは分かるぞ?」
「そうだろう?」
ぱああ、と顔を明るくするブリードだが、ゲイルがきっぱりに言い放った次の言葉で打ちのめされた。
「だがなあ、男なら人様が育てたもんを奪ったらダメだろ。野生の生き物を狩る、近くにいなきゃ遠くまで狩りに行く!それが男ってもんだと俺は思う」
ゲイルううう!かっこよ!さすがゲイル!
「そうだよね!そうだよね!俺だってイカとか野生のやつを自分で狩って振舞ったし?
あのね、確かにジークにいいものを与えたいっていう気持ちは素敵。だけど、人のものをとったらばダメ。そこはちゃんとしましょう!」
「しかし、森の獲物を狩ると狩りつくしてしまうぞ?さすれば生態系が崩れ、他に影響がでるかもしれぬ。大きな魔物が減れば、その魔物が捕食していた小物が爆発的に増えることになるぞ?」
……ふむ。てことは、冒険者さんたちが狩りやすい獲物が増えるってことだよね?
大物が増えたらば困るけど、それならば問題ないんじゃない?
ごはん足りなくて困ってるっぽいし。あくまでもバースでの話だけど。
「一応、聖獣みたいにその地を守ってるつもりなんだよね?確かにこれまでは共存して守ってくれてたんだと思うよ?
だけど、結婚して浮かれすぎ!今は迷惑しかかけてないの気付いてまするか?
ブードたちがドタンバタンするから地震が起きちゃって、近くの人が大変になってるの。
仲良きことは美しきこと。しかしながら、騒音で近隣に迷惑をかけては言語道断!
あのね、いつまで新婚さんなのですか?巣作りしてからもう一か月くらいになるでしょお?
ジークだってよぼよぼしてたし、可哀そうだよね?このままだと、嫁ドラに逃げられるよ!いいの?
もしくは過労でジークが儚くなってしもうたらどうするの?」
畳みかけるようにこんこんと諭せば、ブリードは全く気付いてなかったみたい。
「なんと!地震を起こしておったとは!それは我の手落ちよ。すまなかった。
しかしなあ、ドラゴンの巣作りは数か月は続くものなのだぞ?何しろ数百年に一度くらいの周期だからのう。その分期間も長くなるのだ。
それに、我々くらいになると腹の中の卵に魔力をたっぷり込めねばならぬ。子はそう簡単にできるものではない。なかなかに大変なことなのだぞ?」
そ、そうなの?
俺はくるりとゲイルを振り返った。
大人なら知ってると思って。
「あのね、ドラゴンの巣づくり、数か月続くんだって。数百年に一度だからだって。あと、卵に魔力をたっぷりこめないといけなくて子供は簡単にはできないんだって。知ってた?」
するとゲイルは顔の前で手を振り振り。
「いくら俺でもドラゴンの子作りについてなんぞ知らん」
クリスもうんうんと頷く。
「ドラゴンの出産自体がめったにないし、ドラゴンに近寄れる奴はいねえからな。生体なんてよく分かっちゃいないんだよ。だからドラゴンは自然災害とか天災扱いされるんだ。今の話だって、たぶんこの世界初の知識だぞ?それこそ、学術書に記載されるレベルだ」
ほうほう。一応ブリードに聞いておこう。
「あのね、今聞いたこととか秘密にした方がいい?ガクジュツショとかに載せてもいい?」
「別に構わぬぞ?知られたところで我らには影響はないからな」
おお!太っ腹!
「ギルド長!今のガクジュツショに載せてもいいって!良かったね?」
「おお!助かるぜ!連絡しとくわ!」
意外なところで豆知識が増えてしまった。
が、その内容はと言えば、バース君たちに絶望をもたらしてしもうた。
「………数か月……。まだまだあれが続くのか……?」
「それだと冬に十分な食料が確保できねえ……」
うーん。確かに。今でさえ大変でボロボロなんだもんねえ。
あ、食料で思い出した!アレも言わなきゃ!
「あ、あとね、お肉なんだけど!牛のお肉は勝手に取ったらだめでしょ!
こないだ森で取ってこーいしたのは『リンロンに迷惑かけられたからその意趣返し!リンロンから取ってこーい』だったでしょ!バース連合、ブリードがもともと住んでるとこは、守らなきゃなところでしょ?人間が頑張って育ててるものを奪ったらいけません!」
ここ大事!牛の肉に味をしめちゃったのって、俺のせいだし。
するとブリード、これはちょっとだけ罪悪感があったみたい。
誤魔化すみたいに目をウロウロさせながら、
「しかし、雌に餌を運ぶのは雄の甲斐性なのだ。巣作りのときはなるべく良いものを与えたいだろう?」
なにその「気持ちわかるよね?」みたいなの。
俺はおもいっきり左右に頭を振った。
「人から奪ったものはダメでしょ。野生の野良を狩るのが男ってもんでしょうが!」
するとブリード、子供の俺相手では分が悪いと思ったのか、相手をゲイルに変えてきた。
「ゲイルなら分かるであろう?お主もサフィを作る際に雌に良いものを与えたであろう?」
「俺に番はいねえぞ?サフィは俺と同じ血は引いてるが、厳密にいえば俺の……姪の子、だからな。だがサフィにいいもんを食わせてやりたいから気持ちは分かるぞ?」
「そうだろう?」
ぱああ、と顔を明るくするブリードだが、ゲイルがきっぱりに言い放った次の言葉で打ちのめされた。
「だがなあ、男なら人様が育てたもんを奪ったらダメだろ。野生の生き物を狩る、近くにいなきゃ遠くまで狩りに行く!それが男ってもんだと俺は思う」
ゲイルううう!かっこよ!さすがゲイル!
「そうだよね!そうだよね!俺だってイカとか野生のやつを自分で狩って振舞ったし?
あのね、確かにジークにいいものを与えたいっていう気持ちは素敵。だけど、人のものをとったらばダメ。そこはちゃんとしましょう!」
「しかし、森の獲物を狩ると狩りつくしてしまうぞ?さすれば生態系が崩れ、他に影響がでるかもしれぬ。大きな魔物が減れば、その魔物が捕食していた小物が爆発的に増えることになるぞ?」
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