もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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サフィ大忙し

落としどころを決めましょお

俺はバース勢に聞いてみた。


「あのね、牛を狩らないでって言ったらばね?その代わりに森の大きな魔物を狩りつくしちゃう感じになって生態系が崩れちゃうけどいいか、って。そうすると、大きな魔物が食べてた小物が、捕食者が居なくなって爆発的に増えちゃうんだって。でも、それだったらバースの冒険者さんたちで狩りまくればいいよね?
大物が増えたら困るけど、小物が増えるのは歓迎なんじゃないかと思うんだけど。どうでしょうか?」

話してる間にみるみるバース勢のお顔が明るくなった。

「先も言ったように、もともとバースではブリザードドラゴンが大物を定期的に間引いてくれていたんだ。だから大物を狩るような冒険者はよそに行っちまってバースには中低ランクの冒険者しかいねえんだよ。
小物が増える分には大喜びだ!どんどん狩るから問題ない!むしろ助かる!」

「だと思った!じゃあ、牛さん問題はこれで解決だね!
てことで、ブリードは牛は狩らずに大きな魔物を狩りまくってください」
バースの人は小物が沢山取れたら儲かるでしょ?そのお礼にギルドから牛を何頭か定期的にプレゼントしてあげて?
ってことでどうでしょうか?」

ブリードもふむふむと頷く。

「我の地の者に迷惑をかけるのは本意ではない。我は異論はないぞ?」
「俺たちも助かる!それで頼む!」

おおお!
周りから歓声が起こりパチパチパチと拍手が巻き起こった。
よきかなよきかな!


ここでゲイルがひとこと。

「で?ドタンバタンの方はどうする?」

あーん!そこあえてスルーしたんだけど……どうしようか?

するとキースが、おもむろにこんな提案をしてきた。

「要するに地盤が安定していたらいいんじゃねえか?」
「ん?地盤?」
「あれだ、その、ちょっとサフィ耳塞ぐぞ?(…………)のドタバタで地面が揺れるのが問題なんだろ?なら地面が揺れなきゃいいわけだ。違うか?」
「確かに、俺たちが困っているのは地震なんだ。地面が揺れなきゃ問題はない」

そりゃあ地震って地面が振動するって書いて地震だからね。揺れなきゃ地震はないよね。
何を当たり前のことを言うておるのですか?

みんながそういう表情でキースを見つめれば、キースはあっさりと解決策を出してきた。

「ゲイルとサフィとブリードで巣の周辺の地面を固めて来いよ。巣の周りを大きく囲うように、地面の中に防護壁みたいなもんを作っちまうんだ。そうすりゃその周りに振動は伝わらねえだろ?問題解決だ!
ついでに卵に魔力を分けてやって来い。早く赤ちゃんドラゴンが見れるぞ?」

おお!要は耐震シェルターみたいなのでブリードたちを囲っちゃえってことね!理解した!
それってばナイスアイディア!

そうしたらゲイルが「こんな感じでいいか?」とサラサラっと図を描いてくれた。

ブリードたちを真ん中に、円を描くように深い深い溝みたいなのを掘る。そこに半分埋まって半分地上にって感じでブリードの永久凍土の障壁をおっ建てる。
緩衝剤代わりにその壁の周りをぐるっと柔らかな土で囲んだら完成!

「いい感じでは?ブリード、これってできそう?」
「うむ。簡単だ。この程度ならば我だけでできるぞ?溝はどれくらい深く掘ればよいのだ?」
「うーん……3メートルくらいの深さかなあ?岩盤は壊さないように配慮してくれる?もし壊しちゃったら永久凍土で補強しておいて。逆に岩盤が緩んじゃう可能性があるから」
「分かった。……周囲は良いが、巣の下はよいのか?」
「そうか!巣の下も、柔らかな土を3メートルくらい作って、その上に固い凍土、って感じにできるかな?」

ん?てことは凍土の上にブリードさんたちが寝るの?それはちょっとかわいそうなのでは?

「はいはいはーい!!その巣には俺が素敵な毛皮をプレゼントいたしましょう!その凍土の上に敷いたらふかふかでしょお?どう?」
「おおお!それはよい!ジークが喜ぶ」

うむ。これで解決!
決まりだしたらあっという間に話が纏まった。良かった良かった。

この辺になるとバース勢はお口ポカーンで静観の態勢。
みんなもブリードと話ができたら、こんなことにならなかったのかもね。

そう思った俺は、一応ブリードに提案してみることに。

「ブリード。あのね、今回のことって双方の意志の疎通が無かったことが原因だと思うのです。話し合いだいじ。
だから、バースの冒険者さんたちの誰かにブリードと話ができるように、あの『指でちょん』っていうのやってくれない?そうしたらブリードもお願いとかできるでしょ?お互いに良くないですか?」

その地の聖獣に近い扱いのドラゴンとしては、威厳とか権威とかあるのかもしれないけど。

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