もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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新たな目標

うさうさパニック

こうして丸投げしたのとで、俺はまた日常に。
バースくんたちもゲイルにたんまりとお土産を貰い(すっかりゲイル信者になっていた)別れを惜しみながらバースに帰って行ったのでありました。

後はまた良い報告を聞けることを祈ろう。
そこは俺たちの考えることじゃない。バースくんたちのお仕事だからね。





しょんぼりと最後まで「ゲートで通えばいいのでは?」とか「ゲイルにも部屋は用意してあるよ?」だの言っていたレオンをふりきりようやく帰ることができた伯爵家。

「ゲイルーーー!ただいまー!!!」

呼ばれて飛び出てじゃじゃーん、と元気にゲートをくぐれば、ドタドタドタっという音と共に大好きなお父様登場!

「サフィーーーーー!」
「ゲイルうううううっ!」

ぴょーいっガシッ!
久しぶりのジャンピング抱っこをかまし、しっかりと足を絡ませる。
肩にすりすりぐりぐり、ふんふんふんふん。
あーーー!ゲイルの匂い!すんごく落ち着く。
身体の奥底から途方もない安心感みたいなものが込み上げてきて、反射的にとろおんと眠くなってくる。

「……ゲイルう……抱っこお………」
「抱っこ卒業だったはずなのになあ?ははは。てか、俺も!」

うとうとする俺のほっぺにすりすりし、頭頂をスーハー。

「あーーー。ようやく息子が帰ってきた……長かったぜ……。
サフィ、お父様頑張った?」

胸を張るゲイル。

「うん。めちゃめちゃ頑張ってくれた。さすがお父様!」

ぐりぐりぐりぐり。頭をこすりつけて甘える俺。
ゲイルってば使用人さんたちを通いにしてるから、バースくんたちがいる間も「時間外労働はダメだろう。俺がいるから大丈夫だ。休んでくれ」とかいって夜は帰してたに違いないの。
でもって、ゲイルがひとりでせっせとお世話してお相手してたんだと思うの。
何気に万能だし。

分かってるけど、ゲイルなら大丈夫だってゲイルに丸投げした俺。
甘えちゃってごめんね?ありがとう、ゲイル。
でも、ゲイルなら俺がゲイルの厚意に甘えたことを喜んでくれると思ったの。
そう、全部ひとりでやるなよ、って言った言葉を実行できるようになったんだよ、俺。
遠慮なく甘えても大丈夫だって、ちゃんと覚えたんだよ、俺。

「でもね、これからも、俺の手に余りそうなこと、大人におまかせできることはお任せしていく所存。
だって俺はまだ子供だから。
それでいいんだよね、ゲイル」

大好きだからこそお任せできる、そんな俺の気持ちなんてゲイルはとっくに承知の上。

「ああ。さすがは俺の息子!信じてくれて嬉しいぜ!
息子のために何かしてやれる、ってのが親の幸せなんだ。俺から奪うなよ?」

抱っこしたまま額をコツンと合わせ、ゲイルが笑う。

「うん。これからも俺のためによろしく!
でも、ゲイルのために俺ができることがあれば言ってね?それが息子の幸せですのでね?」




久しぶりの俺の部屋には、なにやら色々なものが増えていた。

「……は?え?ウサギ?デカすぎない?!なんでいるの?!」

俺とゲイルのベッドの上に、巨大なウサギが寝そべっている。
どういうこと?!ペットなの?いつの間に?

「あーー、それなあ、ぬいぐるみ?
あいつらが作ったんだよ。旅をしながら食った獲物の毛皮で作ったんだと。
世話になった礼だって言ってたぞ?」

はあ?!
ぬいぐるみというにはリアル!本物の毛皮で作ってあるからか、手触りもウサギ!
中身は綿だから、本物のウサギと違ってふっかふか。
そして……でかい!
ホーンラビット自体が普通のウサギとは違って50センチくらいあるんだけどこれは70cmくらいな感じ。

「枕にできるんだとさ」

確かに!
でも正直……剥製の中に綿が詰めてあるみたいで、複雑……。
生きているのならひたすら愛でるんだけど、ここまで見た目がリアルなぬいぐるみは、逆に可愛がりにくい……。

「逆にもう少しリアルさをなくしてデフォルメして小さく作ってくれたらかわいいのにね……」

その厚意は嬉しいが……残念だよバースくん。

「えっとお……」

言いよどむ俺にゲイルが苦笑。

「いいぞ。正直に言ってみろ」
「微妙。なんていうか、リアルすぎて無理です。
これはエリアスにあげよう!」

俺からのプレゼントだって言えば喜んで受け取ってくれるはず。誰もが幸せな解決法だ。




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