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新たな目標
ロイド先輩
ところで。先ほどからずっとスッと気配を消していらっしゃるロイド先輩?
にこっと微笑みかけると、にこっと微笑み返されました。
「関係なさそうなお顔をしていらっしゃいますが、確定ですので」
「え?何が?」
「リオはことと次第により急遽公爵家を継ぐ可能性も無きにしも非ずだから一旦保留といたしまして。
ロイド先輩。諦めてください」
「………僕なんて特に特筆すべき能力もないし、王宮でお役に立てるとは思えないんだけどなあ……」
「そこです!」
「え?」
「周りをよおおおくご覧ください!」
「………」
「何が見えますか?」
「……生徒会室?あとは、リオ先輩とオル先輩と、アーシャとルーシュ?」
「そう。個性的な面々ですね」
「……まあ、そうだよね。優秀さは時に個性にもなるからね」
「こう言う言い方もアレなのですけれど。レオンは俺の周りに俺の優秀なお知り合いを集めておりまして。
もちろんそこにはロイド先輩も入っておるのです。
ロイド先輩は文書処理能力に優れていますよね?計算能力も。
でもって、それを当たり前みたいに思っているようですが、違うのですよ!」
俺は握りこぶしで主張した。
「世の中にはね、書類を処理できない人たちが沢山いるのです。
優秀でなんでもできるのに『周りだって書類なくても分かるよな、後でいいだろ』みたいになっちゃってる人が!
例えばゲイルとかゲイルとかゲイルとか!」
俺の言葉で如実にリオ以外がショックを受けた。
「う、嘘だろ?あのゲイル伯が?!」
「え?ゲイルってサフィのお義父さまのゲイル様よね?嘘でしょお?!」
「……そ、そんな……。完璧なお方にそのようなことが……」
「ちちち。ゲイルが完璧だからこその弊害なのですよ。
あのね、なんでもかんでも『ゲイルならいけるだろ』ってゲイルに集まっちゃうの。でもって優秀なもんだからそれをサラリとサクッとこなすのですよ。そうすると普通の人の何倍もお仕事はあるし、書類だって溜まるでしょ?
仕事が早いばかりにその量が半端ないの!」
でもって、その処理のお手伝いしてたのが、俺です、俺!
俺なら実質王家みたいなものだから、守秘義務とか大丈夫だしね。こう見えて計算とか書類とか得意なので。
「それを踏まえたうえでお聞きします。
個性的な連中は、なればこそどこか抜けておるのです。
でもロイド先輩は自分を『普通』だと思っているがゆえ、抜かりがない!
書類も完璧に仕上げるし、スケジュール管理もばっちり!
割と大雑把なメンバーが多い中、ロイド先輩意外にそんな人いる?
一応いるって言えばいるんだけど、ミルくんは宰相さんという大変なお仕事に目をつけられているし、リースはリースで司法なんかを……ね。そっちはそっちで大変そうなのです。
全体に目を配って秘書的にフォローして下さる方が必要なの!切実に!!」
聞いていたみんなが「あーーー!」みたいになった。
うん。でしょ?
行動力も企画力も判断力もある方々って、意外と書類関係貯めてしまいがち。
あちこち動いてるからというのもあるんだけどもね。
そもそも椅子に座っていないから……。
「つまることろ、文官候補はロイド先輩意外いないのです。
どうしてもどうしてもどうしても無理ならば諦めますけれど……」
しょんぼりと肩を落とせば。
ロイド先輩の右と左の腕をアーシャ先輩とルーシュ先輩ががっつりとつかんだ。
「こいつが引き受けるんなら、俺らも引き受けるぜ?」
「そうね。ずっと共に頑張ってきた仲間ですもの。一蓮托生よね?」
「なんか……サフィがごめんね?ボクもお手伝いしたいんだけど……うち、今大変なことになっててね……。
無理かもしれないから……」
遠い目をするリオ。
うん。正直……ライは諦めたほうがいいかもしれない。
いや、いっそナージャをこっちに引っ張り込む……
うん、聖女さまもまだまだお若いし、帝国のダメ王も久しぶりに夫婦で仲良くしているみたいだし、弟とか妹とか期待できるのでは?
それもありだね。うん、あり!
「………望んでも却下されるものもいるのだよ……」
オル先輩がしょんぼりと呟いた。
ごめんね、レオン、焼きもち焼き屋さんだから。
にこっと微笑みかけると、にこっと微笑み返されました。
「関係なさそうなお顔をしていらっしゃいますが、確定ですので」
「え?何が?」
「リオはことと次第により急遽公爵家を継ぐ可能性も無きにしも非ずだから一旦保留といたしまして。
ロイド先輩。諦めてください」
「………僕なんて特に特筆すべき能力もないし、王宮でお役に立てるとは思えないんだけどなあ……」
「そこです!」
「え?」
「周りをよおおおくご覧ください!」
「………」
「何が見えますか?」
「……生徒会室?あとは、リオ先輩とオル先輩と、アーシャとルーシュ?」
「そう。個性的な面々ですね」
「……まあ、そうだよね。優秀さは時に個性にもなるからね」
「こう言う言い方もアレなのですけれど。レオンは俺の周りに俺の優秀なお知り合いを集めておりまして。
もちろんそこにはロイド先輩も入っておるのです。
ロイド先輩は文書処理能力に優れていますよね?計算能力も。
でもって、それを当たり前みたいに思っているようですが、違うのですよ!」
俺は握りこぶしで主張した。
「世の中にはね、書類を処理できない人たちが沢山いるのです。
優秀でなんでもできるのに『周りだって書類なくても分かるよな、後でいいだろ』みたいになっちゃってる人が!
例えばゲイルとかゲイルとかゲイルとか!」
俺の言葉で如実にリオ以外がショックを受けた。
「う、嘘だろ?あのゲイル伯が?!」
「え?ゲイルってサフィのお義父さまのゲイル様よね?嘘でしょお?!」
「……そ、そんな……。完璧なお方にそのようなことが……」
「ちちち。ゲイルが完璧だからこその弊害なのですよ。
あのね、なんでもかんでも『ゲイルならいけるだろ』ってゲイルに集まっちゃうの。でもって優秀なもんだからそれをサラリとサクッとこなすのですよ。そうすると普通の人の何倍もお仕事はあるし、書類だって溜まるでしょ?
仕事が早いばかりにその量が半端ないの!」
でもって、その処理のお手伝いしてたのが、俺です、俺!
俺なら実質王家みたいなものだから、守秘義務とか大丈夫だしね。こう見えて計算とか書類とか得意なので。
「それを踏まえたうえでお聞きします。
個性的な連中は、なればこそどこか抜けておるのです。
でもロイド先輩は自分を『普通』だと思っているがゆえ、抜かりがない!
書類も完璧に仕上げるし、スケジュール管理もばっちり!
割と大雑把なメンバーが多い中、ロイド先輩意外にそんな人いる?
一応いるって言えばいるんだけど、ミルくんは宰相さんという大変なお仕事に目をつけられているし、リースはリースで司法なんかを……ね。そっちはそっちで大変そうなのです。
全体に目を配って秘書的にフォローして下さる方が必要なの!切実に!!」
聞いていたみんなが「あーーー!」みたいになった。
うん。でしょ?
行動力も企画力も判断力もある方々って、意外と書類関係貯めてしまいがち。
あちこち動いてるからというのもあるんだけどもね。
そもそも椅子に座っていないから……。
「つまることろ、文官候補はロイド先輩意外いないのです。
どうしてもどうしてもどうしても無理ならば諦めますけれど……」
しょんぼりと肩を落とせば。
ロイド先輩の右と左の腕をアーシャ先輩とルーシュ先輩ががっつりとつかんだ。
「こいつが引き受けるんなら、俺らも引き受けるぜ?」
「そうね。ずっと共に頑張ってきた仲間ですもの。一蓮托生よね?」
「なんか……サフィがごめんね?ボクもお手伝いしたいんだけど……うち、今大変なことになっててね……。
無理かもしれないから……」
遠い目をするリオ。
うん。正直……ライは諦めたほうがいいかもしれない。
いや、いっそナージャをこっちに引っ張り込む……
うん、聖女さまもまだまだお若いし、帝国のダメ王も久しぶりに夫婦で仲良くしているみたいだし、弟とか妹とか期待できるのでは?
それもありだね。うん、あり!
「………望んでも却下されるものもいるのだよ……」
オル先輩がしょんぼりと呟いた。
ごめんね、レオン、焼きもち焼き屋さんだから。
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