もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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新たな目標

俺のやりたいこと?

先例よりも3年も早い中等部のうちにまるで青田買いのような人材確保。レオンのスカウトは着々と行われたのでした。



その日は王城に顔を出した俺は、さっそくレオンの元へ。
ゲイルの所に入り浸るとお兄さまが闇を纏い始めるからね。

「ただいまー!」

元気に執務室に顔をだせば、机にかじりついていたレオンが顔をあげ、嬉しそうに破顔する。

「サフィ!今日はこちらなの?泊っていける?」

素早く走り寄ってきたレオンがその勢いのまま俺を抱き上げた。

「あのね、さっきちょうどミカとキースが帰ってきたんだよ?」

「!帰ってきたの?!どうだって?無事に認めて貰えた?」

それが……とレオンが苦笑した。

え?もしかして上手くいかなかったの?
予定よりも少し帰るのが遅れているとおもえば、そういうこと?
ゴリラめっ!うちのキースのどこが気に入らないというのっ?!
内緒だけど身分だってあるし、なによりS級冒険者だよ?
なんならきっと辺境の誰よりも強いからね?!
ミカミカのお相手としては最高の逸材じゃんか!

むむ、と額にしわを寄せた俺に、レオンが慌てて訂正した。

「何か悪い方に考えていないかい?逆なんだ、逆。
実は……もう式を挙げて戻ってきた」

「……え?何って?」

今おかしな言葉が聞こえた。空耳かな?
だってキースたち、「婚約しましたよ」って伝えにいったんだよね?
あれ?俺の勘違いだった?

「そうなるよね?全く……辺境はこれだから……。
聞き間違いじゃない。もう式を挙げて戻ってきたんだ。入籍もすませたらしい」

「はああああ?!えええ?辺境で?婚約じゃなくって、式と入籍まですませちゃったの?
え?辺境伯たちって、二人の婚約知ってたの?予め準備して待ち構えてたとか?」

俺の言葉にレオンは黙って首を振った。

「二人が行って初めて婚約を知ったらしいよ?」

「それでいきなり式?辺境の人、おかしいんじゃない?」

無謀だの、速攻だのと言われる俺ですら「あり得ない」とおもうスピードですよ?
そもそもミカミカって高位貴族の息子だし王太子の側近なんだよ?
キースだって出奔してたけど王族だし、そこはもうないことこしたとしても外国にも名の知られた超有名なS級冒険者なんだよ?あと俺の家族だし。
普通なら貴族や知り合いとか沢山招いて結婚式を挙げるものなのではないの?
ってゆーか、俺もレオンも招待されてないっ!
一番身近な人っていったら、絶対に俺たちなのにっ!
俺たち抜きで勝手に式をあげるなんてっ!

俺、キースにはとっても苦労を掛けたりお世話になったし、申し訳なかったとは思ってるから、キースの幸せを最前列で祝う気満々だった。
家族としていろいろ式の準備をお手伝いしたかったし、お祝いだってサプライズであげたかった。

なのになのに……

「俺たち抜きで式を挙げたですとおおおお?!あのゴリラめっ!なんてことをっ!!」

「サフィ、サフィ!彼らはミカの身内だから!家族だからね?!」

「俺だってキースの身内だし家族ですが?!
レオンだってミカミカの身内でしょおが!誰よりも一番近くでお互いに支え合ってきたでしょっ!
なのになのにいいい!なんてことっ!」

そりゃあ、キースが歓迎された結果だというのは嬉しいよ?
結婚まで認めてくれたのも嬉しい。
でも、あまりにも不義理ではないですか、辺境さん!!


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