もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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新たな目標

パパたち動く!

俺の言葉は二人のパパ(ひとりは願望)を動かした。

パパは自分の代であっというまに「身分至上主義から国民至上主義へ」という大きな改革を成し遂げただけのことはあり、一度こうと決めたら話は早い。
公爵だって、これまでは「陛下の忠実な家臣」botだったのだけれど、俺との件から自ら動くこと、自分の考えをきちんと口にすることを学んだ。更にゲイルの件でパパにだって言いたいことを言い返し堂々と渡り合うようになった。
そんな今の二人が同じ方向を向けば……、そう、最強なのだ!

ホントはゲイルがいたらゲイルが最強なのだろうけれど、法案という話になるとさすがに巻き込んだらダメ。踏み込んではならない領分というものがございますのでね。
鶴の一声ならぬゲイルの一言でなんでも完了してしまいそうだもん。



ということで、新法案。「同性同士の婚約並びに婚姻を正式に認める。異性同士の婚姻と同様に扱うものとする」
はさっそくおっちゃんたち貴族院を集めて審議されることとなりました。

一応発案者ということで俺とレオンも参加。
本当は俺はまだ子供だし正式に王家に加わったわけでもないのだけれど、「発案者だから」と特例ということでおっちゃんたちも認めてくれたのであります。

「おお!サフィ、久しぶりだなあ!たまには顔を見せに寄ってくれ」
「うちの領地もかなり変わったのだぞ?一度遊びに来ないか?」

次々に声がかかる。
え?もしかして……俺に会いたいからって特例認めたわけじゃないよね?まさかね?

「えっとね。俺も学校が始まったし、王妃様のお勉強もあるしでとっても忙しいのですよ。それに忘れてるかもだけど、俺A級冒険者ですし!たまには依頼をこなさないと、ライセンス取り消しになっちゃうでしょお!」
「孤児院増やしたり支援したりしてるって聞きました。とってもよき!」

お返事しながら進んでいるのですが……
俺の頭を撫でまわすの、デフォルト?せっかく綺麗に編めたみつあみがクシャクシャになっちゃったでしょ!

「撫でる時にはそっとお願いします!髪の毛の流れに沿って!」

プンスカしながら要望をのべれば、慌ててそおっと撫でてくれた。
離せばわかる人たちだからね。



レオンのおかげでもう草稿もできているから、話はスムーズ。
複写したものをみんなに回して確認してもらう。

でもってパパたちにした説明と同じ説明をもう一度繰り返すと「確かに」だの「うむ」だの言いながら結構真剣に聞いてくれた。



「ということで、早急に新法案を通すようお願いしたいのですが、いかがでしょうか?」
「私もサフィと同じ考えだ。この草案はもう5年も温めていたものなのだ。そろそろ現状に合わせた法整備をすべきではないか?」

俺とレオンに言葉に、パパと公爵も同意。

「私も二人の意見に同意する。後継の問題さえ解決できるのならば、許可してもよいのではないか?」
「私も陛下と同じ意見です。後継については、遠縁の者から養子をとればよいのではないか?そもそも、正式に婚姻した夫婦でも子ができぬことはままあるもの。ならば、希望すれば事実婚ではなく正式に婚姻できるよう法整備してもよいだろう」

するとここでフィラーのおっちゃんが手を上げた。

「政略婚はどうなさいますか?異性であれば、女性の貞操の問題から夫の側にはそれなりの責任が生じます。白い結婚であれ同様です。
しかし、同性同士ではそれは通用せぬでしょう。政略の道具として居に添わぬ婚姻を強いられたり、それを繰り返すものがでるのでは?上位からの婚姻の申し出はよほどの理由がなければ断りにくいものですし」

確かに。事業の提携のために、簡単に結婚させて簡単に離婚させて、みたいに便利に使われる人がでてしまうかもしれない。書類上だけの婚姻とか。同性同士だとそういうのが簡単にできてしまいそう。

「うーん……。じゃあ、縛りをつけたら?」

「縛り?」

「そう。簡単じゃなければよいのですよね?
同性同士の場合は、向こう5年間は離婚を禁止する、とか、離婚したら3年間は再婚を禁止する、とか。
そうするとインターバルが結構できますよね?離婚と再婚繰り返すハードルはかなり上がるでしょ?」

「確かに。少なくとも、『生半可な気持ちで簡単に』とはいかなくなるだろうね」

「ふむ。では、無理やり結婚させられたものは?その縛りに苦しめられるのではないか?
異性であれば『白い結婚』を訴え女性の側から離婚を要求することもできる。しかし、同性ではそれも難しかろう。そもそもそれを証明できぬのだからな」

「白い結婚というと、『お飾りの妻』ですか?」

聞いてみれば、みんななぜか微妙な表情で俺ではなくお兄さまを見つめる。


「……まあ、形だけの妻という点ではそういえるのかもね?」

ふむ。

「では、相談所?相談室?みたいなのを作ってそこに訴えて貰ったらどうでしょうか?どうしても離婚したい理由を訴えて貰い、それをもとに相談室が調査。納得できる理由であれば離婚を認めるというのは?
そういう機関があるっていうだけでも、抑止力になりませぬか?」

「……うーむ。相談室か……」

「調停員?離婚調査室?名前はなんでもよきですけれどもね。調査しなくても、うそ発見器みたいなのを作ってそれで判断してもよいのでは?」

なんとなく思いついて言ってみると、みんな一斉に俺の方を向いた。

「うそ発見器?どういうものだ、それは?」
「聞いたことがないぞ」
「魔道具か?どういう理論でできているのだ?」






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