もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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ミカミカとキースの結婚式!

キースとミカミカ

とりあえずキースの背をさすってみた。
「どうどうどう」と宥めながら。

すー。はー。深呼吸し、なんどか頭を振った後、ようやくキースが復活!
元のイケメンを取り戻し、キラッキラびっかんびっかんの笑顔でミカミカに向き直る。

「心の準備はしていたつもりだったんだが、それを軽く超えてきたな。ミカエル……綺麗だ。
天使が舞い降りたのかと思ったぜ」

そういうキースこそがゼウス様のよう。
キースはそのまま恭しくミカミカの手を捧げ持つと、ミカミカの目を見つめながらその手の甲に親愛のキスを落とした。
言葉を失って無言のまま「かああっ」と首まで赤くなるミカミカ。

え?俺いま何を見せられたの?ちゅう?ちゅうだよね?
お口にしたわけじゃないけど、なんか……なんか……えっち!とってもえっちな感じがしました!!
なんか大人っていう感じ。二人とも確かに大人なのだけれども。
雰囲気がね、なんか……。

レオンが慌てて俺の目を塞ぐがもう遅い。しっかりと見てしまいましたのでね!
それにレオンだって俺にしてるでしょうが!大人のちゅうまでしたくせに!

それにしても目の前でされるとすんごい迫力です。
二人とも美形だし光り輝いているから、もう宗教画の世界。一瞬映画見てるのかとおもったもん。
これはスクリーンなのではなく現実。俺の家族キースとミカミカなのでござります。
そう思うとちょっと照れちゃうけど、これぞ目の保養。
ゲイルのキス事件でお腐れ申したお母様の気持ち、今の俺なら理解できる気がする!

無理やり手を引き剥がせば、レオンが「サフィは見てはだめだよ?」とぎゅっと俺を抱きしめる。
ティガーも真面目な表情でキースに向かってお説教。

サフィラス様こどもがいるのですよ?式までは控えてください、キース」

マリーは……「はあああん!美しいですうっ!!」と身もだえしていた。その顔アウトだからね、マリー!




俺たちの見守る中、キースはそのままミカミカの前に膝まづく。

「君と出会えてよかった。俺を選んでくれてありがとう。君の横に堂々と並び立つ権利を得られることを誇りに思う
レオンとサフィへの君の献身を俺は知っている。君がどれだけ頑張ってきたのかも想像に難くない。
ミカにとって最優先はレオンだろう。それでいい。
俺にとって最優先はサフィだ。
お互いにそれが許されるのは、俺たちだから。
お互いへの気持ちとは違うと分かっているからだ。
ミカと共にあれるのは俺だけだ。そして俺の横に立てるのはミカエル、お前だけなんだ。
これからは俺も君と共にレオンとサフィを護ると誓う。
だから……俺に君を護らせてくれ。
君は強い。そして美しい。だが、弱い。俺はそんな君が愛おしい。
俺の未来はお前のものだ。だからどうか君の未来を俺にくれ」

レオンと俺優先だなんて言っちゃうところがいかにもキースらしいと思った。
でも、これがミカミカとキースなんだろう。
深いところで二人は理解しあってる。

ミカミカの美しいアメジストからきれいな雫がぽとぽとと零れ落ちる。

俺は言葉もなく二人に見惚れていた。
今俺は世界で一番美しい光景を目にしているんだと思う。

ミカミカもすっとキースの前に膝まづいた。
同じようにキースの手を捧げ持ち、手の甲にキスを落とす。

雄弁なキースに反して、普段おしゃべりなミカミカの口から出たのは一言だった。

「キースの未来を俺にくれ。俺の未来はお前にやる」


「……っ」

俺を抱きしめるレオンの手に力が入った。
うん。うん。分かるよ、レオン。俺も胸がいっぱいだもん。
俺たちの大切な人が、今日新しい道を歩みだす。
俺たちのキースに、ミカミカに、これからは二人だけの世界ができる。それが少しだけ寂しい。
でも、絶対に幸せになれるってわかってるからそれ以上に嬉しい。



俺はミカミカに向かって頭を下げた。

「ミカミカ。これまでレオンを護ってくれてありがとう。
あのね、キースのことをどうかよろしくお願いします。
俺の大切な相棒で、大切な家族なの。
キースは強くてカッコいいけど、寂しがりやだから。
大事にしてあげて。沢山好きって言ってあげて。
俺ね、二人のことが大好き。ふたりでたくさん幸せになってね」

するとレオンもキースに向かって頭を下げる。

「キース。君とは色々あった。君は私の最強のライバルであり、友だ。
私は君が一番怖かった。それは君が素晴らしい男だと分かっていたからだ。
サフィとミカエルを任せるとしたら、君しかいないと思っている。
ミカエルは私にとって大切な親友であり家族だ。
ミカがいたから、私は正気でいられた。生きていられた。
どうか、ミカを頼む。ミカは強いが、脆い。
だから、君がミカエルを護ってくれ。………ミカを幸せに」



「……ああ。レオンもキースも任せとけ!サフィもな!
俺たちは幸せになる。俺とキースは最強の夫夫になる。
そんでお前らを護ってやるからな!任せろ!」

「ああ。分かってる。俺にとってもレオンは……皇太子というより対等なライバルだった。
ライバルであることを許してくれてありがとう。
お前にだからサフィを譲ったんだ。
ミカエルを任せてくれてありがとう。ミカに出会えたのはお前のお陰だ。
大切にする。必ず護ると、幸せにすると誓う」

ミカミカは俺と、レオンはキースとぎゅっと抱き合った。
今までありがとう。俺たちの大切な人をよろしく。





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