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第2章
ある梅雨の日 その9 ~忍の奇策~
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今回の期末テストもエリカの孤軍奮闘の末、無事三佳の数学赤点回避に成功し、夏休みまで残すところテストの返却と終業式のみとなったタイミングで、三佳は剛に今回参加するのは忍が乗り気では無いことを考慮してエリカとすみれの二人だと話した。
剛は男子二人、女子3人で奇数になるとアトラクションを乗るときも一人浮くことになるので、あと1人誰か誘って方が良いだろうと三佳に提案した。また剛サイドで男子を誘ったが、誰も都合がつかなかったので、誰か誘うように三佳にお願いした。
剛はクラスメイトや部活の仲間に一通り声を掛けたが、本当に都合がつかなかったのか、面倒事に巻き込まれたくなかったのか不明だが、どちらにせよ結局拓実以外に参加者を見つけることができなかった。
三佳は剛に言われた通り自分で男子の参加者を探そうと思ったが、三佳には遊びに誘えるような男友達はいなかった。またエリカも拓実や剛以外には思いつかなかった。結局、すみれと忍に相談したところ、意外な所から援軍の話が来た。
「私で良ければ1人、2人くらいなら当てがあるけど、どうする。誰でもいいんでしょ」
「忍、本当にいいの。忍がこんな話に乗ってくれるなんて意外だわ」
エリカが忍の反応に驚きを示した。
「確かに私以上に部活命で、男子との関わりもほとんどないと思っていたのに、忍が男子に宛てがあるなんてビックリだよ」
三佳も意外だと素直に返事をした。
「あたしをなんだと思っているのよ。言っておくけど、女バスは男バスと一緒に練習することもあるし、あんたらよりよっぽど男子との繋がりもあるんだから。まったく」
忍は二人の反応に不満そうな表情で言い返した。
「そうなんだ、でも、誰を誘うつもりなの、バスケ部って誰がいたっけ?」
「そりゃ一と二郎だよ」
「一君に二郎君?誰だっけそれ」
「あ、そうか、えっと一ノ瀬と山田のことだよ」
「一ノ瀬君と山田君ってうちのクラスの」
「その通り!」
忍が三佳の問いかけにテンポよく答えていった。
「一ノ瀬君は生徒会もしてるし結構話したことあるけど、山田君っていつもだるそうにしてる彼だよね。あまり話したことないな。正直存在感も薄いし、私彼の事はよく知らないわ」
それまで様子を見ていたすみれが正直な印象を話した。
「まぁ皆のイメージ通りの二人だけど、あたしはバスケ部で1年以上一緒だからさ。なんだかんだ言って学校の男子だとあの二人が一番付き合いが長いし、どうせ男子バスケ部は夏休みの期間は暇だろうしね。二人とも良くも悪くもデートの邪魔をしないと思うから、今回の話にはちょうど良いと思ってね」
忍はすみれの言い分を肯定しつつ、二人を誘う理由も説明した。
「デートって事では無いけど、まぁ同じクラスだし、全然知らない人よりはいいかもね」
エリカがデートという言葉を軽く否定しつつ、忍の提案を肯定した。
「確かに一ノ瀬君なら空気読んでくれそうだし、山田君はある意味で空気になってくれて邪魔にならなさそうだし良いかもね」
「笑顔できついこというね、三佳」
「だってそう言うことでしょ、忍が二人を推薦する理由は」
「まぁそういうことだよ」
ツッコミを入れたすみれに間髪入れず返答する三佳に忍が言葉少なげに肯定した。
話しがまとまったと感じたエリカが最後に忍に確認するようにお願いした。
「それじゃ、忍、悪いけど二人に声かけてもらえるかな」
「了解。このあと部活の時にでも話してみるよ」
そんなこんなで3人は忍の提案に納得をして、忍に2人の勧誘をお願いすることになった。
忍はさっそく部活の準備運動中に二人に話してみることにした。
「一、二郎、ちょっと良い」
「何だ、忍。練習試合でもやるのか」
「いや、違うよ、部活の話じゃないんだけど」
「そんじゃなんだよ。バスケ以外の事で忍が話しかけるなんて珍しいじゃんか」
「なにそれ。私を何だと思っているのよ。もう、そんなことはどうでも良くて。それが夏休みなんだけど、ペンギンランドに行きたくない?」
「はぁ、何を言ってんだ、忍。熱でもあるのか」
二郎は忍の突然の遊びの誘いに、冗談でも言っているかという表情で冷たく返事をした。
「いやいや、冗談じゃなくて。夏休みになったら遊園地に行きたいかどうか聞いてんのよ」
「お前な、一とデートに行きたいなら、俺なんて無視して二人で楽しんでこいよ」
二郎はいまいち忍の意図が理解できず、冗談を言う口ぶりで言い返した。
「何を言ってんだよ、二郎。どちらかと言えば、二郎の方が忍とも付き合い長いだろ。高一の頃からクラスも部活も同じなんだから。それにこの前言っていただろ、学年の女子なら忍が一番マシだって」
一が二郎の過去の発言を暴露し、二郎を冷やかすように言葉を返した。
「バカ、そんなこと言ってないだろ」
「バ、バカは誰よ!あたしが行くとは言ってないでしょ、バカ二郎、アホなこと言ってんじゃないわよ」
二人のやり取りに少し顔を赤らめながら、忍が自分の不参加を話すと、二郎がすかさずツッコミを入れる。
「アホはお前だろう。忍が行かないなら誰が行くんだよ、意味がわからんわ。一、やっぱり忍が一番マシなんて言ったのは間違いだったわ」
「何をあんた、偉そうに上からものを言って、あんたみたいな年がら年中やる気のない顔している朴念仁なんて誰も相手にしないから、私がかまってあげているんでしょ。感謝しなさい、バカ二郎!」
二人が口論を繰り広げていると、慣れたように一が話に割って入った。
「まぁまぁ二人ともケンカはそこまでにして。でも確かに話がよくわからないぞ、忍。事情を教えてくれよ」
「わかったわ、実はね・・・」
忍は三佳と剛の話をした。いろいろあってグループデートのようなよくわからない集まりに男子が必要になったため、参加してくれる人を探している事を話した。
「事情はわかったけど、忍がいないのに俺らが参加するにはさすがに場違いすぎるんじゃないかな。俺は工藤も服部も顔は知ってるし、服部は何度か話したこともあるけど、友達と言えるほどでもないしな。どうだ、二郎は」
「俺なんて正直二人とも顔も名前もはっきりしないわ。サッカー部にそんな奴らがいたかなって位の認識だぞ」
一と二郎が話を理解した上で、無茶な提案だと冷静に忍に返事をした。
「まぁ確かに無理はあるかもね、どうしようか」
「なぁ忍、提案だが忍も参加すればいいんじゃないか。そうすれば女子4人、男子4人でちょうど良いし。俺も二郎も忍がいればその場にいてもおかしくないしさ。二郎はどう思う」
「まぁ忍がいれば、いいんじゃねーの」
「そうなんだぁ、二郎はそんなにあたしとペンギンランドに行きたかったんだぁ、しょうがないな。仕方ないからそのことエリカに話してみるよ」
忍は二郎をおちょくる様に一の提案を受け入れた。
「勘違いするなよ、バカ!忍がいなくちゃ俺らがいるのが変だって言ってんだよ。別に俺は行かなくて良いんだからそんなもん」
「二人の仲がいいのはわかったから、その辺にしとけ。痴話げんかは犬も喰わないぞ。まぁ忍はとりあいず8人で行くプランを話してみてよ。俺らは行っても行かなくても気にしないから、うまくそっちでやってくれ。また話が決まったら教えてくれよ」
「わかったわ、話が決まったら教えるわ。あと痴話げんかじゃないから!」
「はい、すいません」
一と忍の間で話がまとまったところで、3人は練習に戻った。
忍は次の日すぐに3人に一の提案を話したところ、無事採用となった。というのもすみれグループの4人が休日に4人で出かけるのは初めてだったので、それはそれで楽しみと言うことで話はあっさりまとまった。また剛もこの際2人、3人増えようが変わりはしないとのことでようやく参加メンバーが決まった。
当初、剛が思い描いた三佳と2人で行くはずの夏のデートは、いつのまにか三佳、エリカ、すみれ、忍の女子4人と、剛、拓実、一、二郎の男子4人、合計8人の何だかよくわからないグループデートのようなモノへ様変わりし、それぞれの思惑を巻き込みながら恋と友情の青春ドラマが繰り広げられる事となった。
季節は7月下旬。一か月程続いた梅雨のジメジメとした空気が嘘のように澄み渡り、ギンギンと照りつける太陽と騒がしいセミの鳴き声が人生で最も熱い高校2年の夏の始まりを告げるのであった。
剛は男子二人、女子3人で奇数になるとアトラクションを乗るときも一人浮くことになるので、あと1人誰か誘って方が良いだろうと三佳に提案した。また剛サイドで男子を誘ったが、誰も都合がつかなかったので、誰か誘うように三佳にお願いした。
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三佳は剛に言われた通り自分で男子の参加者を探そうと思ったが、三佳には遊びに誘えるような男友達はいなかった。またエリカも拓実や剛以外には思いつかなかった。結局、すみれと忍に相談したところ、意外な所から援軍の話が来た。
「私で良ければ1人、2人くらいなら当てがあるけど、どうする。誰でもいいんでしょ」
「忍、本当にいいの。忍がこんな話に乗ってくれるなんて意外だわ」
エリカが忍の反応に驚きを示した。
「確かに私以上に部活命で、男子との関わりもほとんどないと思っていたのに、忍が男子に宛てがあるなんてビックリだよ」
三佳も意外だと素直に返事をした。
「あたしをなんだと思っているのよ。言っておくけど、女バスは男バスと一緒に練習することもあるし、あんたらよりよっぽど男子との繋がりもあるんだから。まったく」
忍は二人の反応に不満そうな表情で言い返した。
「そうなんだ、でも、誰を誘うつもりなの、バスケ部って誰がいたっけ?」
「そりゃ一と二郎だよ」
「一君に二郎君?誰だっけそれ」
「あ、そうか、えっと一ノ瀬と山田のことだよ」
「一ノ瀬君と山田君ってうちのクラスの」
「その通り!」
忍が三佳の問いかけにテンポよく答えていった。
「一ノ瀬君は生徒会もしてるし結構話したことあるけど、山田君っていつもだるそうにしてる彼だよね。あまり話したことないな。正直存在感も薄いし、私彼の事はよく知らないわ」
それまで様子を見ていたすみれが正直な印象を話した。
「まぁ皆のイメージ通りの二人だけど、あたしはバスケ部で1年以上一緒だからさ。なんだかんだ言って学校の男子だとあの二人が一番付き合いが長いし、どうせ男子バスケ部は夏休みの期間は暇だろうしね。二人とも良くも悪くもデートの邪魔をしないと思うから、今回の話にはちょうど良いと思ってね」
忍はすみれの言い分を肯定しつつ、二人を誘う理由も説明した。
「デートって事では無いけど、まぁ同じクラスだし、全然知らない人よりはいいかもね」
エリカがデートという言葉を軽く否定しつつ、忍の提案を肯定した。
「確かに一ノ瀬君なら空気読んでくれそうだし、山田君はある意味で空気になってくれて邪魔にならなさそうだし良いかもね」
「笑顔できついこというね、三佳」
「だってそう言うことでしょ、忍が二人を推薦する理由は」
「まぁそういうことだよ」
ツッコミを入れたすみれに間髪入れず返答する三佳に忍が言葉少なげに肯定した。
話しがまとまったと感じたエリカが最後に忍に確認するようにお願いした。
「それじゃ、忍、悪いけど二人に声かけてもらえるかな」
「了解。このあと部活の時にでも話してみるよ」
そんなこんなで3人は忍の提案に納得をして、忍に2人の勧誘をお願いすることになった。
忍はさっそく部活の準備運動中に二人に話してみることにした。
「一、二郎、ちょっと良い」
「何だ、忍。練習試合でもやるのか」
「いや、違うよ、部活の話じゃないんだけど」
「そんじゃなんだよ。バスケ以外の事で忍が話しかけるなんて珍しいじゃんか」
「なにそれ。私を何だと思っているのよ。もう、そんなことはどうでも良くて。それが夏休みなんだけど、ペンギンランドに行きたくない?」
「はぁ、何を言ってんだ、忍。熱でもあるのか」
二郎は忍の突然の遊びの誘いに、冗談でも言っているかという表情で冷たく返事をした。
「いやいや、冗談じゃなくて。夏休みになったら遊園地に行きたいかどうか聞いてんのよ」
「お前な、一とデートに行きたいなら、俺なんて無視して二人で楽しんでこいよ」
二郎はいまいち忍の意図が理解できず、冗談を言う口ぶりで言い返した。
「何を言ってんだよ、二郎。どちらかと言えば、二郎の方が忍とも付き合い長いだろ。高一の頃からクラスも部活も同じなんだから。それにこの前言っていただろ、学年の女子なら忍が一番マシだって」
一が二郎の過去の発言を暴露し、二郎を冷やかすように言葉を返した。
「バカ、そんなこと言ってないだろ」
「バ、バカは誰よ!あたしが行くとは言ってないでしょ、バカ二郎、アホなこと言ってんじゃないわよ」
二人のやり取りに少し顔を赤らめながら、忍が自分の不参加を話すと、二郎がすかさずツッコミを入れる。
「アホはお前だろう。忍が行かないなら誰が行くんだよ、意味がわからんわ。一、やっぱり忍が一番マシなんて言ったのは間違いだったわ」
「何をあんた、偉そうに上からものを言って、あんたみたいな年がら年中やる気のない顔している朴念仁なんて誰も相手にしないから、私がかまってあげているんでしょ。感謝しなさい、バカ二郎!」
二人が口論を繰り広げていると、慣れたように一が話に割って入った。
「まぁまぁ二人ともケンカはそこまでにして。でも確かに話がよくわからないぞ、忍。事情を教えてくれよ」
「わかったわ、実はね・・・」
忍は三佳と剛の話をした。いろいろあってグループデートのようなよくわからない集まりに男子が必要になったため、参加してくれる人を探している事を話した。
「事情はわかったけど、忍がいないのに俺らが参加するにはさすがに場違いすぎるんじゃないかな。俺は工藤も服部も顔は知ってるし、服部は何度か話したこともあるけど、友達と言えるほどでもないしな。どうだ、二郎は」
「俺なんて正直二人とも顔も名前もはっきりしないわ。サッカー部にそんな奴らがいたかなって位の認識だぞ」
一と二郎が話を理解した上で、無茶な提案だと冷静に忍に返事をした。
「まぁ確かに無理はあるかもね、どうしようか」
「なぁ忍、提案だが忍も参加すればいいんじゃないか。そうすれば女子4人、男子4人でちょうど良いし。俺も二郎も忍がいればその場にいてもおかしくないしさ。二郎はどう思う」
「まぁ忍がいれば、いいんじゃねーの」
「そうなんだぁ、二郎はそんなにあたしとペンギンランドに行きたかったんだぁ、しょうがないな。仕方ないからそのことエリカに話してみるよ」
忍は二郎をおちょくる様に一の提案を受け入れた。
「勘違いするなよ、バカ!忍がいなくちゃ俺らがいるのが変だって言ってんだよ。別に俺は行かなくて良いんだからそんなもん」
「二人の仲がいいのはわかったから、その辺にしとけ。痴話げんかは犬も喰わないぞ。まぁ忍はとりあいず8人で行くプランを話してみてよ。俺らは行っても行かなくても気にしないから、うまくそっちでやってくれ。また話が決まったら教えてくれよ」
「わかったわ、話が決まったら教えるわ。あと痴話げんかじゃないから!」
「はい、すいません」
一と忍の間で話がまとまったところで、3人は練習に戻った。
忍は次の日すぐに3人に一の提案を話したところ、無事採用となった。というのもすみれグループの4人が休日に4人で出かけるのは初めてだったので、それはそれで楽しみと言うことで話はあっさりまとまった。また剛もこの際2人、3人増えようが変わりはしないとのことでようやく参加メンバーが決まった。
当初、剛が思い描いた三佳と2人で行くはずの夏のデートは、いつのまにか三佳、エリカ、すみれ、忍の女子4人と、剛、拓実、一、二郎の男子4人、合計8人の何だかよくわからないグループデートのようなモノへ様変わりし、それぞれの思惑を巻き込みながら恋と友情の青春ドラマが繰り広げられる事となった。
季節は7月下旬。一か月程続いた梅雨のジメジメとした空気が嘘のように澄み渡り、ギンギンと照りつける太陽と騒がしいセミの鳴き声が人生で最も熱い高校2年の夏の始まりを告げるのであった。
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