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第3章 番外編
凜と二郎の不思議な関係 出会いの中学編⑥ ~突入と伝家の宝刀~
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次の日から二郎は千和子や純を今まで以上に見張り、一が凜の行動を見つつ何かあれば先回りして嫌がらせを防ぐ体制を作った。しかし、その日以降嫌がらせは一切無かった。なぜなら、千和子達は一向に上手くいかない黒板に悪口を書くという事を諦めて別の方法を考えていたからだった。
知らぬ間に凜に直接ダメージを与えることに成功した事に気づかずにいた千和子は最後の手段として凜の机にマッジクペンで悪口を書くこという暴挙を実行することにした。
「黒板に悪口を書くなんて甘かったわ。あの女を絶対に泣かせてやるわ」
「内藤、いくら何でも証拠が残るぞ。どうしたんだ、いつも以上に怒っているじゃんか」
千和子のまるで親の敵でも取ろうという常軌を逸した言動に若干引き気味で純が話し掛けた。
「あの女、この前廊下ですれ違ったときに睨んでやったら軽く鼻で笑われたわ。私が噂を流しているって知っていて全く眼中に無いってきっと見下してるんだわ。いつもそうよ。同じクラスの時に私が流行の髪型にしたら、あいつも同じ髪型にしてきて、男子には二階堂と同じ髪型にしても差が出るなって影で言われて、すぐに変えるハメになったし、遠足で親からもらったブランドのバッグを持っていったときも友達に自慢して気分良くしていたときも、あの女は私のモノよりもグレードの高いバッグを持ってきてまた恥をかかされて本当に死にたかったわ。しかもいつも薄ら笑いで私の事を見てきて本当に人をばかしていつかやり返してやりたかったのよ。それが今よ」
千和子の昔語りを聞いた純は心の声が漏れるほどの小さくつぶやいた。
「女の恨みは怖いな」
数日後の放課後を待って千和子と純、瑠美を加えた3人はいつも以上に周囲を警戒しながら最後の悪巧みを実行しようとしていた。
一方で二郎はそんな3人が何かやらかしそうだという雰囲気を感じ取っていた。それは昼休みにこっそり3年のクラスを偵察していたときに千和子の目つきが明らかにここ数日の様子と変わり何かを決意した目に変わっていたからだ。二郎は一に事情を話してここで決着をつける意向を伝えた。
いつものように4時を前に3年の教室から生徒達が姿を消し、千和子達だけが残ったところで、3人は集まり最後の確認をした。
「良いか、今回は机一つだ。だから書くのは内藤一人で見張りを俺と白井がやる。誰かが3階に上がってきたら俺と白井が大きな声で何でも良いから話をするから内藤から教室から出て逆に逃げろ。まぁ普通二階堂のクラスの奴でもすぐには机の事には気づかないだろうから、焦らないで大丈夫だろ。問題は二年のアイツだが。流石に俺らがいても急に教室にこないで俺らが帰ってからまた黒板を消せば良いと考えるはずだから、証拠さえ無けりゃいくらでも言い訳は出来るからとりあいず書いている現場だけは見られないように気をつけろよ。」
「わかっているよ、白井もこれを最後にするから悪いけど付き合ってもらうよ」
「バレてもあたしはしらばっくれるから勝手にしなよ。まぁ見張りだけはやってあげるわ」
3人の意思疎通が完了したところで、再度周囲に人の気配が無いことを確認して千和子は3年3組へ入っていった。
二郎はいつもの見回りはせず教室で4時になるのを確認して教室を出た。すでに一とは打ち合わせが済んでおり後は現場に突入してその場を押さえることが必要だった。これの一番の問題は千和子達が嫌がらせをしている最中を押さえなければ言い訳で逃げられてしまう恐れがある事だったためタイミングを計ることが難しく思えたが、普段から学校の人流を把握していた二郎にとってはいつ3年の教室周辺から生徒がいなくなるかがおおよそわかっていたため、迷うこと無く4時に3階へ続く階段を駆け足で上っていった。
二郎が選んだのは瑠美が待つ階段だった。瑠美は教室と階段が両方とも見る事が出来る位置に立っていたが、まさか階段を3段飛ばしで走ってくる人間いるとは思いもしなかったため初動が一瞬遅れる事となった。
瑠美が声を上げようとしたときにはすでに二郎は瑠美の目の前に来ており、瑠美が声を上げたときは3階のフロアにさしかかっていた。
「小林!止めて!」
純が瑠美の声を聞き振り向いたとき、二郎は迷わず3組の教室ドアを開こうとする姿を見た。
「お前、何をやっている。ここは3年のクラスだぞ」
純の言葉に二郎が顔を向けて一言。
「そんなこと知っていますけど、どうかしましたか、小林先輩」
二郎は足を止めて純を睨み付けながら教室のドアを開いた。
そこにはマジックペンを持ち、凜の机に罵詈雑言を書き殴っていた千和子の姿があった。
「どうなってるの、小林」
突然の二郎の登場に驚きを隠せない様子の千和子が純に文句でも言うような口調で叫んだ。
「どうなってんのは、こっちの台詞ですわ。まさか机に直接書きに来るとは救えないな、あんたら」
「なんなんだよ、お前は!これまで何度も邪魔してた2年の奴なのか」
千和子と二郎が対面していたところに純と瑠美が教室に入ってきた。
「おい、2年のガキ、ここは3年の教室だぞ、勝手に入ってきてんじゃねーよ」
純が上級生であることを盾に二郎に凄んだが、全く二郎には効果が無かった。
「そんなこと言ったら、あんたらこそ自分のクラスでも無いのに何やってんですかね。まさか仲良く校内デートでもしていたなんて言いませよね」
二郎がどこ吹く風で純に言い返すと今度は瑠美が威嚇するように声を上げた。
「ガキが調子に乗ってんじゃないよ。後で男子達に頼んで痛い目にあわせるわよ」
「あんたは3年の白井さんでしたっけ。まさか校内女子で一番の問題児のあんたまで一枚噛んでるとは流石に思いませんでしたが、まぁ二階堂先輩みたいに真っ直ぐな人の事は、あんたみたいなひん曲がった奴は確かに嫌いでしょうね」
二郎が瑠美を軽くあしらったところで、本題に切り込んだ。
「先輩方、俺はあんたらが今までやってきた二階堂先輩への嫌がらせを全て知っていますよ。最初は先週の水曜日。ここの教室の黒板に悪口を書き、それが失敗したと分かった後に、次の日の木曜日は3年の教室全部に同じように悪口を書いた。それが失敗に終わると、またしてもここで悪口を書いてそれを俺が消した後に再び繰り返した。それからしばらくは大人しくしていたけど、今日ここで今度は二階堂先輩の机に直接、悪口を書いて彼女に嫌がらせをしようとした。今内藤先輩がそのペンを持っているのが証拠だ。覚悟してくださいよ、この人でなしどもが」
二郎は誰かに説明するかのように千和子達の行いを終始語り、その言葉が間違いないという言質を取るように言って聞かせた。
「全部お見通しって訳か。お前と二階堂がどんな関係でこんなことしているのか知らんが、残念だったな。お前が今言ったことなんて、口だけで物的証拠も証人も何も無いぞ。今この状況を先生か誰かに見られたなら信憑性があるけど、3対1の状況でこっちには女子もいる。お前が二階堂のストーカーで偶然この現場を目撃した俺らがお前を止めたところ、お前が嘘をついてあること無いこと言い始めたって俺らが言ったらどっちを信用するだろうな」
純は前から考えていた言い訳を伝家の宝刀を抜くように二郎に披露した。
「お前の事はここ数日で調べさせてもらったぞ。普段はほとんど存在感も無く、友達もいないぼっちな奴が美人な生徒会長のストーカーまがいなことをしていても誰も驚かないよな。恋心を募らせるも全く相手にされない事を理由に逆恨みでもして、嫌がらせで悪口を書いたと言えば、しっくりくるんじゃないか。この際白井は偶然いた事にしても俺は成績優秀で生徒会選挙にも立候補した真面目な生徒だと教員達には思われているからな。しかも内藤も証人として言えばお前が変態野郎だってバカな先公どもは信じるだろうよ。これまでの全ての事の犯人にされて、学校中で干されるのはお前なんだよ、バーカ!」
純が考えた話を初め聞いた千和子もつられて笑い始めた。
「ふふふ、小林のくせにたまには役に立つじゃない。良いね、乗ったわ。この2年が二階堂のストーカーね。全くその通りだわ。何日もあたしらを見張ってここまで乗り込んで来るのだから、本当にあの女のストーカーなんじゃないの。自分がナイトにでもなってアタシらからアイツを守るんだって張り切っちゃったんでしょ。マジでキモいわ。どんだけ勘違いしたガキなのよ。バカな奴ね、本当に」
「まぁそんなことはどうでもいいけど、アタシはここでおさらばさせてもらよ。後は二人に任せるからこっちに迷惑かけないでよ」
一瞬焦った様子だった瑠美も純の話を聞いて安心したのか、興味を失って早々にその場を後にしようと教室を出ようとした。
そんなところで新た登場人物がこの場の空気を一変させた。
知らぬ間に凜に直接ダメージを与えることに成功した事に気づかずにいた千和子は最後の手段として凜の机にマッジクペンで悪口を書くこという暴挙を実行することにした。
「黒板に悪口を書くなんて甘かったわ。あの女を絶対に泣かせてやるわ」
「内藤、いくら何でも証拠が残るぞ。どうしたんだ、いつも以上に怒っているじゃんか」
千和子のまるで親の敵でも取ろうという常軌を逸した言動に若干引き気味で純が話し掛けた。
「あの女、この前廊下ですれ違ったときに睨んでやったら軽く鼻で笑われたわ。私が噂を流しているって知っていて全く眼中に無いってきっと見下してるんだわ。いつもそうよ。同じクラスの時に私が流行の髪型にしたら、あいつも同じ髪型にしてきて、男子には二階堂と同じ髪型にしても差が出るなって影で言われて、すぐに変えるハメになったし、遠足で親からもらったブランドのバッグを持っていったときも友達に自慢して気分良くしていたときも、あの女は私のモノよりもグレードの高いバッグを持ってきてまた恥をかかされて本当に死にたかったわ。しかもいつも薄ら笑いで私の事を見てきて本当に人をばかしていつかやり返してやりたかったのよ。それが今よ」
千和子の昔語りを聞いた純は心の声が漏れるほどの小さくつぶやいた。
「女の恨みは怖いな」
数日後の放課後を待って千和子と純、瑠美を加えた3人はいつも以上に周囲を警戒しながら最後の悪巧みを実行しようとしていた。
一方で二郎はそんな3人が何かやらかしそうだという雰囲気を感じ取っていた。それは昼休みにこっそり3年のクラスを偵察していたときに千和子の目つきが明らかにここ数日の様子と変わり何かを決意した目に変わっていたからだ。二郎は一に事情を話してここで決着をつける意向を伝えた。
いつものように4時を前に3年の教室から生徒達が姿を消し、千和子達だけが残ったところで、3人は集まり最後の確認をした。
「良いか、今回は机一つだ。だから書くのは内藤一人で見張りを俺と白井がやる。誰かが3階に上がってきたら俺と白井が大きな声で何でも良いから話をするから内藤から教室から出て逆に逃げろ。まぁ普通二階堂のクラスの奴でもすぐには机の事には気づかないだろうから、焦らないで大丈夫だろ。問題は二年のアイツだが。流石に俺らがいても急に教室にこないで俺らが帰ってからまた黒板を消せば良いと考えるはずだから、証拠さえ無けりゃいくらでも言い訳は出来るからとりあいず書いている現場だけは見られないように気をつけろよ。」
「わかっているよ、白井もこれを最後にするから悪いけど付き合ってもらうよ」
「バレてもあたしはしらばっくれるから勝手にしなよ。まぁ見張りだけはやってあげるわ」
3人の意思疎通が完了したところで、再度周囲に人の気配が無いことを確認して千和子は3年3組へ入っていった。
二郎はいつもの見回りはせず教室で4時になるのを確認して教室を出た。すでに一とは打ち合わせが済んでおり後は現場に突入してその場を押さえることが必要だった。これの一番の問題は千和子達が嫌がらせをしている最中を押さえなければ言い訳で逃げられてしまう恐れがある事だったためタイミングを計ることが難しく思えたが、普段から学校の人流を把握していた二郎にとってはいつ3年の教室周辺から生徒がいなくなるかがおおよそわかっていたため、迷うこと無く4時に3階へ続く階段を駆け足で上っていった。
二郎が選んだのは瑠美が待つ階段だった。瑠美は教室と階段が両方とも見る事が出来る位置に立っていたが、まさか階段を3段飛ばしで走ってくる人間いるとは思いもしなかったため初動が一瞬遅れる事となった。
瑠美が声を上げようとしたときにはすでに二郎は瑠美の目の前に来ており、瑠美が声を上げたときは3階のフロアにさしかかっていた。
「小林!止めて!」
純が瑠美の声を聞き振り向いたとき、二郎は迷わず3組の教室ドアを開こうとする姿を見た。
「お前、何をやっている。ここは3年のクラスだぞ」
純の言葉に二郎が顔を向けて一言。
「そんなこと知っていますけど、どうかしましたか、小林先輩」
二郎は足を止めて純を睨み付けながら教室のドアを開いた。
そこにはマジックペンを持ち、凜の机に罵詈雑言を書き殴っていた千和子の姿があった。
「どうなってるの、小林」
突然の二郎の登場に驚きを隠せない様子の千和子が純に文句でも言うような口調で叫んだ。
「どうなってんのは、こっちの台詞ですわ。まさか机に直接書きに来るとは救えないな、あんたら」
「なんなんだよ、お前は!これまで何度も邪魔してた2年の奴なのか」
千和子と二郎が対面していたところに純と瑠美が教室に入ってきた。
「おい、2年のガキ、ここは3年の教室だぞ、勝手に入ってきてんじゃねーよ」
純が上級生であることを盾に二郎に凄んだが、全く二郎には効果が無かった。
「そんなこと言ったら、あんたらこそ自分のクラスでも無いのに何やってんですかね。まさか仲良く校内デートでもしていたなんて言いませよね」
二郎がどこ吹く風で純に言い返すと今度は瑠美が威嚇するように声を上げた。
「ガキが調子に乗ってんじゃないよ。後で男子達に頼んで痛い目にあわせるわよ」
「あんたは3年の白井さんでしたっけ。まさか校内女子で一番の問題児のあんたまで一枚噛んでるとは流石に思いませんでしたが、まぁ二階堂先輩みたいに真っ直ぐな人の事は、あんたみたいなひん曲がった奴は確かに嫌いでしょうね」
二郎が瑠美を軽くあしらったところで、本題に切り込んだ。
「先輩方、俺はあんたらが今までやってきた二階堂先輩への嫌がらせを全て知っていますよ。最初は先週の水曜日。ここの教室の黒板に悪口を書き、それが失敗したと分かった後に、次の日の木曜日は3年の教室全部に同じように悪口を書いた。それが失敗に終わると、またしてもここで悪口を書いてそれを俺が消した後に再び繰り返した。それからしばらくは大人しくしていたけど、今日ここで今度は二階堂先輩の机に直接、悪口を書いて彼女に嫌がらせをしようとした。今内藤先輩がそのペンを持っているのが証拠だ。覚悟してくださいよ、この人でなしどもが」
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純は前から考えていた言い訳を伝家の宝刀を抜くように二郎に披露した。
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純が考えた話を初め聞いた千和子もつられて笑い始めた。
「ふふふ、小林のくせにたまには役に立つじゃない。良いね、乗ったわ。この2年が二階堂のストーカーね。全くその通りだわ。何日もあたしらを見張ってここまで乗り込んで来るのだから、本当にあの女のストーカーなんじゃないの。自分がナイトにでもなってアタシらからアイツを守るんだって張り切っちゃったんでしょ。マジでキモいわ。どんだけ勘違いしたガキなのよ。バカな奴ね、本当に」
「まぁそんなことはどうでもいいけど、アタシはここでおさらばさせてもらよ。後は二人に任せるからこっちに迷惑かけないでよ」
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