72 / 189
第4章
人の噂も七十五日➄ ~忍のルーティン~
しおりを挟む
エリカと三佳がカフェで毎度のちぐはぐコントを行っていた頃、忍は部活から帰宅し、入浴と食事を済ませ自分の部屋に戻り、いつものように部活の反省ノートを書き始めていた時間は夜の九時を回るところだった。
☆部活反省ノート
9月5日金曜日。参加部員17名。
練習メニュー
基礎練習
① コートランニング ②ストレッッチ ③ラダーフットワーク ④インターバルラン ➄3メン50本 ⑥5メン30本 ⑦デフェンスフットワーク
試合形式練習
① 3オン4 ②ハーフコート4オン4
シューティング練習
① フリースロー ②2ポイント、3ポイント、スポットシューティング
メモ
・一年の伊藤さん、柳さんが大分走れるようになってきた。プレーにも余裕を持てるようになってきている。夏休みの基礎練が身になってきている。今後の中心選手として一年チームの主力とするべきと先生に相談して見ようと思う。
・3メンではレギュラー陣の組がまだ爪が甘く40本を過ぎるとイージーミスが増えて2回もシュートを決められなかった。試合の時も一番キツい時間帯でのシュートミスが勝敗に大きな影響をもたらすので、今後もそう言ったミスを減らせるようにキッチリ基礎練をたたき込んでいく必要あり。
・3オン4ではミスマッチを上手く利用して二年の田村さんが上手くゲームを作れていた。次回の練習試合ではスタメンのポイントガードをやらせて実戦経験を積ませていく事も良いと思われる。そのためにもレギュラー陣との連携練習にも今後参加させて行く必要あり。
・シューティング練習では自分を含めて3ポイントの成功率がやはり去年のレギュラー陣に比べると圧倒的に低い。強豪との対決では最後は3ポイント頼みとなる傾向があるためチームの得点力アップのためにも3ポイントの強化必須。朝練は3ポイント練習に変更しようと思う。
※今日の二郎
今日も練習に遅れて参加。いつも何をやっているのか、あのバカは。一人で体育館の外周を5周した後で3メンに参加。散々ミスをしたあげくに途中で足が攣ったようで離脱。3オン3ではムカつくくらい3ポイントを決めて、あたしにドヤ顔を決めてきた。本当にムカつく。最後のシューティング練習ではこっそり二郎の尻にボールを投げ込んでみたがよけられてしまった。後ろに目でも付いているのかな、アイツは。
今週に入ってからほとんど話してない。初日にあたしが怒ったせいでなかなか話しづらくなってしまっているので、もし明日の練習で二郎が来たらそれとなく話し掛けてみようと思う。しょうが無いから帰りに何かご飯でも奢ってあげればすぐにまたいつものようになってくれるはず。ならなかったらタダじゃおかない。全くあたしが面倒を見てあげないとすぐにぼっちになる困った奴だから仕方が無いか。
それから、とりあいず二階堂先輩には要注意。今週になってからも2年4組に現れて結城さんに宣戦布告をしたとか言う噂が出ているし、先輩の気持ちが本気である事は間違いないと思う。それでも二郎の世話は私がしているのだから、いきなり現れたあの女には好きにはさせないようにディフェンス強化をしようと思う。
以上、今日の練習も無事終わって良かった。
こんな具合に忍は部活のあった日には必ず練習日記をつけており、そのついでに二郎についても観察日記をつけていた。この日記は入部をしてから今まで欠かさず続けており忍の日々のルーティンとなっていた。初めこそ二郎についての記述はなかったが、クラスも一年の頃から同じで毎度遅れて参加したり欠席を繰り返す上に、謎の言動を繰り返す二郎の行動に興味を持つようになり、いつの日からか気がつくとメモの終わりに一言だけ二郎に関しての観察記録をつけるようになっていた。そして気がつけば反省ノートの半分近くが二郎に関しての忍の個人的な日記となっており、普段誰にも明かさない二郎への気持ちを吐き出す場となっていた。もちろん、このノートを二郎に見られたら死ぬぐらい恥ずかしいことも書き殴られており、絶対秘密のノートとなっていた。
そんなノートの書き込みを終えると時間は夜10時前になっていた。
忍は一日の中で数少ない自由時間として最近バスケ部の友人から借りた二郎が今ハマっている「ハンター×ハンター」という少年漫画を読み始めた。
☆部活反省ノート
9月5日金曜日。参加部員17名。
練習メニュー
基礎練習
① コートランニング ②ストレッッチ ③ラダーフットワーク ④インターバルラン ➄3メン50本 ⑥5メン30本 ⑦デフェンスフットワーク
試合形式練習
① 3オン4 ②ハーフコート4オン4
シューティング練習
① フリースロー ②2ポイント、3ポイント、スポットシューティング
メモ
・一年の伊藤さん、柳さんが大分走れるようになってきた。プレーにも余裕を持てるようになってきている。夏休みの基礎練が身になってきている。今後の中心選手として一年チームの主力とするべきと先生に相談して見ようと思う。
・3メンではレギュラー陣の組がまだ爪が甘く40本を過ぎるとイージーミスが増えて2回もシュートを決められなかった。試合の時も一番キツい時間帯でのシュートミスが勝敗に大きな影響をもたらすので、今後もそう言ったミスを減らせるようにキッチリ基礎練をたたき込んでいく必要あり。
・3オン4ではミスマッチを上手く利用して二年の田村さんが上手くゲームを作れていた。次回の練習試合ではスタメンのポイントガードをやらせて実戦経験を積ませていく事も良いと思われる。そのためにもレギュラー陣との連携練習にも今後参加させて行く必要あり。
・シューティング練習では自分を含めて3ポイントの成功率がやはり去年のレギュラー陣に比べると圧倒的に低い。強豪との対決では最後は3ポイント頼みとなる傾向があるためチームの得点力アップのためにも3ポイントの強化必須。朝練は3ポイント練習に変更しようと思う。
※今日の二郎
今日も練習に遅れて参加。いつも何をやっているのか、あのバカは。一人で体育館の外周を5周した後で3メンに参加。散々ミスをしたあげくに途中で足が攣ったようで離脱。3オン3ではムカつくくらい3ポイントを決めて、あたしにドヤ顔を決めてきた。本当にムカつく。最後のシューティング練習ではこっそり二郎の尻にボールを投げ込んでみたがよけられてしまった。後ろに目でも付いているのかな、アイツは。
今週に入ってからほとんど話してない。初日にあたしが怒ったせいでなかなか話しづらくなってしまっているので、もし明日の練習で二郎が来たらそれとなく話し掛けてみようと思う。しょうが無いから帰りに何かご飯でも奢ってあげればすぐにまたいつものようになってくれるはず。ならなかったらタダじゃおかない。全くあたしが面倒を見てあげないとすぐにぼっちになる困った奴だから仕方が無いか。
それから、とりあいず二階堂先輩には要注意。今週になってからも2年4組に現れて結城さんに宣戦布告をしたとか言う噂が出ているし、先輩の気持ちが本気である事は間違いないと思う。それでも二郎の世話は私がしているのだから、いきなり現れたあの女には好きにはさせないようにディフェンス強化をしようと思う。
以上、今日の練習も無事終わって良かった。
こんな具合に忍は部活のあった日には必ず練習日記をつけており、そのついでに二郎についても観察日記をつけていた。この日記は入部をしてから今まで欠かさず続けており忍の日々のルーティンとなっていた。初めこそ二郎についての記述はなかったが、クラスも一年の頃から同じで毎度遅れて参加したり欠席を繰り返す上に、謎の言動を繰り返す二郎の行動に興味を持つようになり、いつの日からか気がつくとメモの終わりに一言だけ二郎に関しての観察記録をつけるようになっていた。そして気がつけば反省ノートの半分近くが二郎に関しての忍の個人的な日記となっており、普段誰にも明かさない二郎への気持ちを吐き出す場となっていた。もちろん、このノートを二郎に見られたら死ぬぐらい恥ずかしいことも書き殴られており、絶対秘密のノートとなっていた。
そんなノートの書き込みを終えると時間は夜10時前になっていた。
忍は一日の中で数少ない自由時間として最近バスケ部の友人から借りた二郎が今ハマっている「ハンター×ハンター」という少年漫画を読み始めた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話
頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。
綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。
だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。
中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。
とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。
高嶺の花。
そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。
だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。
しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。
それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。
他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。
存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。
両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。
拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。
そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。
それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。
イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。
付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
青春
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる