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第4章
人の噂も七十五日⑲ ~コールドゲームとドン引きギャラリー~
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「それじゃ、歩が先攻で5回ずつ交互にオフェンスな。得点は通常通り、2ポイント、3ポイントで明らかなファウルはオフェンスが一回飛ばしになるから注意してくれよ。それでOKか」
「あたしは大丈夫よ」
「あいよ、俺もOKだ」
歩と二郎がルールの最終確認に了解の意を示すと一は持っていたボールを歩に投げた。
それを受け取り二郎に1度ボールをパスし、返されたボールを受け取ると二人の1on1が静かに始めるのであった。
先に攻める歩はゆっくりとドリブルを始めるとすぐさま高速のカットインを仕掛けると、その早さについて来られない二郎をあっさり抜き去り涼しい顔でレイアップを決めた。それに必要な時間はおよそ5秒ほどだった。
「は、楽勝ね。本当にやる気あるの、あんた」
歩は慣れた手つきでゴール下に落ちてきたボールを手に取り二郎に渡すと、すぐさまデフェンスに移りながら言った。
「2-0で歩リードな」
一が戦況を確認するように得点を言った。
はいはいと言いながら中央ラインに戻った二郎はそれでも余裕そうな表情でボールを持って構えた。
二郎は歩からボールを受け取りしばらくドリブルしながら動き回ると歩がカットインを警戒して少し間を持ってデフェンスしていることを確認して3ポイントラインの手前まで来たことろで、迷わずそのままジャンプシュートをした。
「えっ」
歩の驚きの声が聞こえたすぐ後ボールはゴールにキレイに吸い込まれネットを揺らす音が体育館に響き渡った。
『シュパッ!』
「はい、3点」
二郎は一切表情を変えずに当たり前かのような様子でデフェンスに戻った。
「おうナイッシュー。2―3で二郎が逆転」
「何よ、ただの偶然よ。見てなさい」
歩はそう何度もラッキーシュートが決まるわけがないといった口ぶりで文句を言いながら二回目の攻撃にすぐに移った。
次もドリブルを始めるとすぐにカットインして二郎の左側を抜き去るはずだったが、次はそれにしっかり付いてきた二郎を先程のようには簡単には抜くことが出来なかった。しかし結局はレイアップではなくゴールから2メートルほど離れた位置からシュートを放ち見事ゴールを決めた。
「しゃー、どうだ」
「4-3で歩がリード」
次の二郎の攻撃ではさすがに3ポイントは打てないまでも3メートル程の位置からジャンプシュート決めて再び二郎が4-5で逆転する序盤戦となった。
それをギャラリーとして見ていた女バス部員からブツブツと言葉が聞こえてきていた。
「山田君やるわね」
「あんなに上手かったっけ、彼」
「初めて山田先輩が試合でシュートを決めるところ見ました」
女子部員達があれこれ言っているとその後ろから一と同じく朝から練習に参加していた尊が一言つぶやいた。
「神部のデフェンスのプレッシャーがほとんど効いてないから、二郎はノーマークで打っているようなものだぞ。だから二郎にとっては楽にシュートが出来るんだよ」
尊が言ったとおり歩と二郎の身重差は15センチほど有り、手を伸ばしジャンプすればさらにその差は増すため、シュートを打つときに二郎が感じるプレッシャーは男子を相手にしたときに比べればほぼ皆無と言って良いほど緩いモノだった。ノーマークでのシュートだけには自信があった二郎にとっては身長の小さい歩が1on1で唯一勝てるチャンスのある相手だったため二郎は強気で試合に臨むことができたのであった。
そんな会話をしていると歩の三度目の攻撃が始まっていた。歩はすぐさま二郎を抜きにかかるがやはり先程と同じく深めに距離を取って守る二郎を簡単には抜けず15秒ギリギリでシュートをする羽目になり、惜しくも外すことになった。
「ふー、あぶね、あぶね」
「くっ、もうなんでよ。イライラする!」
「4-5で二郎がリードをキープ」
一の掛け声と共に息を切らせながらも二郎が3度目の攻撃を開始した。
二郎は苛立つ歩の虚を突いてすぐさまカットインに入るが簡単には抜かせまいと深くデフェンスする歩に対して再び3ポイントシュートを放った。
歩がカットインさせじと距離を取っていたため今度こそ完全ドフリー状態で打たれたシュートはこれまたキレイにゴールネットを揺らし、リードを4-8に広げることになった。
「お、今日は調子良いな。これで残り二回で3ポイントを1回以上決めないと俺の勝ちだぞ、神部」
これまで黙っていた二郎はイライラする歩をさらに追い詰めようと勝利条件を伝えてハードルを上げようとした。
「うるさい、わかっているわよ。2本決めれば良いんでしょ。やってやるわよ」
「もちろん俺のオフェンスを2回止めるのが前提条件だけどな、出来るかね」
「うるさーい、早くデフェンスにつけっての」
さらにヒートアップする歩にいやらしい笑みを浮かべながら二郎はデフェンスについた。
試合は結局強引に3ポイントを打ちに行った歩のシュートを二郎があっさりブロックをして4回目の歩のオフェンスが終了した。その結果あと1回の攻撃を残して4点差が開いているため二郎のコールドゲームで勝敗は二郎の圧勝で幕を閉じた。
「かっかっか!どんなもんじゃい。俺だって本気だしゃこんなもんだわ。思い知ったか、このちんちくりんめ。次の男バスの試合でも俺をスタメンに抜擢する日が来たんじゃないか、尊よ。はっはっは」
バスケ部員とは言え女子相手に勝利し本気のドヤ顔をかます二郎に周囲の女バス部員と他人の振りを決め込む一と尊が白い目でドン引きしながらその様子を見ていたが、その一方で、その結果と二郎のふんぞり返る態度をどうしても受け入れられない歩が頭を抱えながら叫んだ。
「どうしてあんたなんかに私が負けなきゃイケないのよ。うー、もう本当に悔しいわ。あー、その顔ムカつくからマジでやめろ!山田のバーカ。女子相手に勝って本気で喜んで恥ずかしくないのかよ、くそったれ。忍に言いつけてやる~」
半泣きガチギレ状態の歩に二郎が分析するように歩の敗因を説明した。
「ハッキリ言ってお前のデフェンスは男子の俺から言わせれば本当に軽いんだよ。ボールのロストさえ気をつければシュート態勢に入った後はドフリーで打てるから俺でも簡単に3ポイントを入れられたんだよ。男子じゃあんなに楽にシュートなんて打てないぜ。それに神部、1on1じゃお前の良さは全く何も活かせないぞ。広い視野も抜群のパスセンスも無尽蔵のスタミナもどれも仲間がいて広いフルコートでやって初めて活きてくる武器ばかりだろ。それに比べて1on1で男子相手じゃ身長差がありすぎてカットインからのレイアップ以外はシュートも防ぎ安いし、パス出す相手がいないからデフェンスもカットインだけ警戒すれば俺でも何とか防げるし、スタミナもこの短期勝負なら問題無いしな。後はお前のシュートミスを待つか俺が3ポイントを決めて点差が開くのを待つだけだったけど、結局焦ってお前が自爆する上に、俺も調子が良くて2本も3ポイントを決めたもんだから最後まで行く前に勝敗が決まったて訳だ。まぁ自分の得意不得意を考えずに勝負をふっかけたお前の負けって事だわ」
二郎の解説はそれを聞いた歩と他の女子部員達が何も言い返せないほど的を射た説明だったため、誰もが驚きを持って二郎を見つめていたところに空気を和まそうと一が口を開いた。
「二郎、お前なんだかバスケ部員みたいなこと言うじゃないか。見直したぞ」
「いやいや、俺は歴としたバスケ部員だわ。お前、俺をなんだと思っていたんだよ。中学から入れれば一応もう五年近くバスケ部にいるんだぞ、俺は」
一の物言いに鋭く突っ込みを入れた二郎に被せるように一がさらなるボケをかました。
「そうだったけか、たまに部活に顔を出す少し運動が得意げな暇な帰宅部の奴と思っていたぞ」
「バカヤロー、こちとらバスケ一筋の幽霊部員だわ」
そんな二人のコントじみた会話を聞いていた女バス部員は耐えきれず笑い出し、ふてくされていた歩もぷっと吹き出して笑顔を取り戻していた。
「もうあんた達どこの漫才師よ、バカね。はー、もう悔しいけど、私の負けよ。あんたを甘く見過ぎていたし、私は他のチームメンバーがいて、それを上手くいかしてチームを回すポイントガードだったわ。あんたの言うとおり1on1じゃ何も出来ずに負けるのは当然よね。喧嘩を売って悪かったわね。ごめんなさい」
歩は素直に負けを認めて、二郎に降参の言葉を言った。
「まぁアレだ、俺も悪かったよ。一に朝早くからたたき起こされて女バスの練習にせっかく参加したのにいきなり皮肉を言われたもんだから、つい頭にきてお前を挑発するようなことを言っちまったから、まぁおあいこって事で終わりにしようぜ」
二郎もこれ以上歩に喧嘩を売っても仕方がないと歩の謝罪を受け入れた。
「山田、あんたも少しは良いところあるじゃない」
歩が二郎を見直したかのように返事をすると二郎が思い出したかのように言った。
「あーそうだ。負けたからにはしっかり一つ言うこと聞いてもらうぜ。それはそれ、これはこれ。きっちりお代は頂くのが勝負の世界だぜ。なぁ神部よ」
「あんたね、見直して損したわよ。もう、何すりゃ良いのよ。このバカ山田!」
「そりゃ後のお楽しみだぜ。しっかり働いてもらうぜ」
二郎は不敵な笑みを浮かべならこの話が決まったとき一番初めに思いついたある作戦に、後日歩を巻き込むことにするのであった。
「あたしは大丈夫よ」
「あいよ、俺もOKだ」
歩と二郎がルールの最終確認に了解の意を示すと一は持っていたボールを歩に投げた。
それを受け取り二郎に1度ボールをパスし、返されたボールを受け取ると二人の1on1が静かに始めるのであった。
先に攻める歩はゆっくりとドリブルを始めるとすぐさま高速のカットインを仕掛けると、その早さについて来られない二郎をあっさり抜き去り涼しい顔でレイアップを決めた。それに必要な時間はおよそ5秒ほどだった。
「は、楽勝ね。本当にやる気あるの、あんた」
歩は慣れた手つきでゴール下に落ちてきたボールを手に取り二郎に渡すと、すぐさまデフェンスに移りながら言った。
「2-0で歩リードな」
一が戦況を確認するように得点を言った。
はいはいと言いながら中央ラインに戻った二郎はそれでも余裕そうな表情でボールを持って構えた。
二郎は歩からボールを受け取りしばらくドリブルしながら動き回ると歩がカットインを警戒して少し間を持ってデフェンスしていることを確認して3ポイントラインの手前まで来たことろで、迷わずそのままジャンプシュートをした。
「えっ」
歩の驚きの声が聞こえたすぐ後ボールはゴールにキレイに吸い込まれネットを揺らす音が体育館に響き渡った。
『シュパッ!』
「はい、3点」
二郎は一切表情を変えずに当たり前かのような様子でデフェンスに戻った。
「おうナイッシュー。2―3で二郎が逆転」
「何よ、ただの偶然よ。見てなさい」
歩はそう何度もラッキーシュートが決まるわけがないといった口ぶりで文句を言いながら二回目の攻撃にすぐに移った。
次もドリブルを始めるとすぐにカットインして二郎の左側を抜き去るはずだったが、次はそれにしっかり付いてきた二郎を先程のようには簡単には抜くことが出来なかった。しかし結局はレイアップではなくゴールから2メートルほど離れた位置からシュートを放ち見事ゴールを決めた。
「しゃー、どうだ」
「4-3で歩がリード」
次の二郎の攻撃ではさすがに3ポイントは打てないまでも3メートル程の位置からジャンプシュート決めて再び二郎が4-5で逆転する序盤戦となった。
それをギャラリーとして見ていた女バス部員からブツブツと言葉が聞こえてきていた。
「山田君やるわね」
「あんなに上手かったっけ、彼」
「初めて山田先輩が試合でシュートを決めるところ見ました」
女子部員達があれこれ言っているとその後ろから一と同じく朝から練習に参加していた尊が一言つぶやいた。
「神部のデフェンスのプレッシャーがほとんど効いてないから、二郎はノーマークで打っているようなものだぞ。だから二郎にとっては楽にシュートが出来るんだよ」
尊が言ったとおり歩と二郎の身重差は15センチほど有り、手を伸ばしジャンプすればさらにその差は増すため、シュートを打つときに二郎が感じるプレッシャーは男子を相手にしたときに比べればほぼ皆無と言って良いほど緩いモノだった。ノーマークでのシュートだけには自信があった二郎にとっては身長の小さい歩が1on1で唯一勝てるチャンスのある相手だったため二郎は強気で試合に臨むことができたのであった。
そんな会話をしていると歩の三度目の攻撃が始まっていた。歩はすぐさま二郎を抜きにかかるがやはり先程と同じく深めに距離を取って守る二郎を簡単には抜けず15秒ギリギリでシュートをする羽目になり、惜しくも外すことになった。
「ふー、あぶね、あぶね」
「くっ、もうなんでよ。イライラする!」
「4-5で二郎がリードをキープ」
一の掛け声と共に息を切らせながらも二郎が3度目の攻撃を開始した。
二郎は苛立つ歩の虚を突いてすぐさまカットインに入るが簡単には抜かせまいと深くデフェンスする歩に対して再び3ポイントシュートを放った。
歩がカットインさせじと距離を取っていたため今度こそ完全ドフリー状態で打たれたシュートはこれまたキレイにゴールネットを揺らし、リードを4-8に広げることになった。
「お、今日は調子良いな。これで残り二回で3ポイントを1回以上決めないと俺の勝ちだぞ、神部」
これまで黙っていた二郎はイライラする歩をさらに追い詰めようと勝利条件を伝えてハードルを上げようとした。
「うるさい、わかっているわよ。2本決めれば良いんでしょ。やってやるわよ」
「もちろん俺のオフェンスを2回止めるのが前提条件だけどな、出来るかね」
「うるさーい、早くデフェンスにつけっての」
さらにヒートアップする歩にいやらしい笑みを浮かべながら二郎はデフェンスについた。
試合は結局強引に3ポイントを打ちに行った歩のシュートを二郎があっさりブロックをして4回目の歩のオフェンスが終了した。その結果あと1回の攻撃を残して4点差が開いているため二郎のコールドゲームで勝敗は二郎の圧勝で幕を閉じた。
「かっかっか!どんなもんじゃい。俺だって本気だしゃこんなもんだわ。思い知ったか、このちんちくりんめ。次の男バスの試合でも俺をスタメンに抜擢する日が来たんじゃないか、尊よ。はっはっは」
バスケ部員とは言え女子相手に勝利し本気のドヤ顔をかます二郎に周囲の女バス部員と他人の振りを決め込む一と尊が白い目でドン引きしながらその様子を見ていたが、その一方で、その結果と二郎のふんぞり返る態度をどうしても受け入れられない歩が頭を抱えながら叫んだ。
「どうしてあんたなんかに私が負けなきゃイケないのよ。うー、もう本当に悔しいわ。あー、その顔ムカつくからマジでやめろ!山田のバーカ。女子相手に勝って本気で喜んで恥ずかしくないのかよ、くそったれ。忍に言いつけてやる~」
半泣きガチギレ状態の歩に二郎が分析するように歩の敗因を説明した。
「ハッキリ言ってお前のデフェンスは男子の俺から言わせれば本当に軽いんだよ。ボールのロストさえ気をつければシュート態勢に入った後はドフリーで打てるから俺でも簡単に3ポイントを入れられたんだよ。男子じゃあんなに楽にシュートなんて打てないぜ。それに神部、1on1じゃお前の良さは全く何も活かせないぞ。広い視野も抜群のパスセンスも無尽蔵のスタミナもどれも仲間がいて広いフルコートでやって初めて活きてくる武器ばかりだろ。それに比べて1on1で男子相手じゃ身長差がありすぎてカットインからのレイアップ以外はシュートも防ぎ安いし、パス出す相手がいないからデフェンスもカットインだけ警戒すれば俺でも何とか防げるし、スタミナもこの短期勝負なら問題無いしな。後はお前のシュートミスを待つか俺が3ポイントを決めて点差が開くのを待つだけだったけど、結局焦ってお前が自爆する上に、俺も調子が良くて2本も3ポイントを決めたもんだから最後まで行く前に勝敗が決まったて訳だ。まぁ自分の得意不得意を考えずに勝負をふっかけたお前の負けって事だわ」
二郎の解説はそれを聞いた歩と他の女子部員達が何も言い返せないほど的を射た説明だったため、誰もが驚きを持って二郎を見つめていたところに空気を和まそうと一が口を開いた。
「二郎、お前なんだかバスケ部員みたいなこと言うじゃないか。見直したぞ」
「いやいや、俺は歴としたバスケ部員だわ。お前、俺をなんだと思っていたんだよ。中学から入れれば一応もう五年近くバスケ部にいるんだぞ、俺は」
一の物言いに鋭く突っ込みを入れた二郎に被せるように一がさらなるボケをかました。
「そうだったけか、たまに部活に顔を出す少し運動が得意げな暇な帰宅部の奴と思っていたぞ」
「バカヤロー、こちとらバスケ一筋の幽霊部員だわ」
そんな二人のコントじみた会話を聞いていた女バス部員は耐えきれず笑い出し、ふてくされていた歩もぷっと吹き出して笑顔を取り戻していた。
「もうあんた達どこの漫才師よ、バカね。はー、もう悔しいけど、私の負けよ。あんたを甘く見過ぎていたし、私は他のチームメンバーがいて、それを上手くいかしてチームを回すポイントガードだったわ。あんたの言うとおり1on1じゃ何も出来ずに負けるのは当然よね。喧嘩を売って悪かったわね。ごめんなさい」
歩は素直に負けを認めて、二郎に降参の言葉を言った。
「まぁアレだ、俺も悪かったよ。一に朝早くからたたき起こされて女バスの練習にせっかく参加したのにいきなり皮肉を言われたもんだから、つい頭にきてお前を挑発するようなことを言っちまったから、まぁおあいこって事で終わりにしようぜ」
二郎もこれ以上歩に喧嘩を売っても仕方がないと歩の謝罪を受け入れた。
「山田、あんたも少しは良いところあるじゃない」
歩が二郎を見直したかのように返事をすると二郎が思い出したかのように言った。
「あーそうだ。負けたからにはしっかり一つ言うこと聞いてもらうぜ。それはそれ、これはこれ。きっちりお代は頂くのが勝負の世界だぜ。なぁ神部よ」
「あんたね、見直して損したわよ。もう、何すりゃ良いのよ。このバカ山田!」
「そりゃ後のお楽しみだぜ。しっかり働いてもらうぜ」
二郎は不敵な笑みを浮かべならこの話が決まったとき一番初めに思いついたある作戦に、後日歩を巻き込むことにするのであった。
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