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第5章
二郎の散歩④ ~二郎のオアシスとヤキモチ玄米茶~
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すみれとの話を終えた二郎は見回りを再開させて本館から別館3階、2階と順調に歩みを進めていた。別館2階と言えばレベッカが所属する写真部部室である地学準備室があり二郎にとっては校内にあってオアシスのような場所となっていた。すみれとの面会でやけに体力を削られた二郎はお茶でも一杯貰っていこうと考え迷わず地学準備室へ向かった。
部室前に着くと中に人の気配を感じた二郎は二度ノックをして慣れたようにドアを開けた。
「こんちわ、邪魔します。レベッカいるか?」
「やぁ二郎君じゃないか。今日はお客さんが多い日だな」
「どうも藤木先輩。誰か他にいるんですか。邪魔なら退散しますが」
二郎の声に反応したのは写真部部長で以前卒業アルバム作成の件で使用する写真を選定する手伝いを凜から依頼された三年の藤木裕也部長だった。二郎と裕也は一年の頃から二郎がレベッカとの絡みで良く写真部に顔を出している関係でお互いによく知る間であり、二郎にとって数少ない信頼できる先輩であった。また凜と裕也は3年間クラスが同じで気心知れた仲であり、凜とも仲の良い二郎を特別な後輩として丁重にもてなす節があった。
「おぉ、ジローじゃないですカ!グッドタイミングです。今英語の勉強を四葉ちゃんとしていたところデス。お茶をご馳走するのでお勉強教えてくださいネ」
そう言っていつもの明るい調子でレベッカが話し掛けると、その横で小さく二郎に手を振って挨拶したのは四葉だった。
「ヤッホー、二郎君。久しぶりだね。今日は放課後のお勤めは大丈夫なの」
「あれま、四葉さんがここにいるなんて珍しいな。今日はレベッカと勉強なのかい」
「うん、今日はレベッカと勉強会なんだ。二郎君は?」
「俺は今ちょうど見回り中だったんだけど、ちょっと疲れたからレベッカにお茶でも入れて貰おうかと思って来たんだよ」
騒動が収まってから今週一度も会話をしていなかった二郎に色々と話を聞きたい衝動に駆られた四葉だったが、ガツガツするのは少し気恥ずかしいと思い、先日もらったお菓子のお礼を先に言った。
「そうだったんだ。本当にレベッカと二郎君は仲良しなんだね。そう言えばこの前のチョコ、ありがとうね。もしかして私があのチョコをよく食べているのを知ってたの」
「あぁ、うん、まぁそうかな。いつだか教室で四葉さんが勉強していたときに食べていたのを思いだしてさ。それで好きなのかなと思って」
「そっか、ありがとう。あのチョコは昔から好きでね、いつもお父さんが仕事の帰りに買ってきてくれたんだ。それ以来ついついあのチョコを買っちゃうんだよね。へへへ、ちょっと子供っぽいかな」
四葉は少し恥ずかしそうにしながらも、にこやかな表情で二郎に謝意を伝えた。
「そうだったのか。思い出のチョコってことだね。まぁ喜んでくれたのなら良かったよ。それと遅くなったけど、四葉さんの協力のおかげで無事騒動を解決できたよ。色々巻き込んでしまって本当に悪かったね。今度何か埋め合わせさせてくれよ。さすがにチョコ一つでチャラに出来るとは思ってないし、四葉さんが嫌じゃなければ今度何か飯でも奢らせてくれや」
二郎からすればすみれと亜美菜、勇次との因縁だけでなく、自分と瞬の因縁も少なからず今回の騒動の原因になっていると感じていたため、四葉に迷惑を掛けたという思いがあった。また四葉には瞬の事は余り話したくないと言うこともあり、歩や巴に話したように四葉には詳細を説明したくないと考えていた。そう言った事情もあって色々とごまかすためにご飯でもおごってやり過ごそうと考えていたのだった。
「そんな私は別に迷惑とかそんなこと思ってないし、そもそも二郎君は何一つ悪くなんだしさ。そんなこと必要ないよ」
四葉からすれば二郎も歴とした被害者であり、自分以上に迷惑を被ったこともあり、噂の当事者であるお互いが協力し合うのは当然のことだと考えていた。そのため二郎に感謝される必要もなく、何かお礼をされることも全く筋違いだと感じていた。
そんなふうに四葉が両手を振って遠慮を示しているとレベッカがこれはしめたと二郎の言葉に食い付くように言った。
「ジロー、私もジローにいっぱい協力しましたヨ!だから、私も何か奢ってくだサイ!」
そんなレベッカの言葉を遮るように四葉が慌てていった。
「ちょっとレベッカ、ハッピータウンも歌舞伎揚げも貰ったんでしょ、それで我慢しなきゃダメだよ」
「そんな遠慮することないよ。本当に二人のおかげで助かったから、そのお礼をしたいだけなんだよ。もちろんレベッカにも世話になったし、何かして欲しい事とか食べたいものとかあれば何か考えておいてくれな」
「最近のジローは太っ腹ですネ。四葉ちゃんも堅苦しい事ばかり言わずに素直にジローに甘えまショウ」
「でも・・・」
遠慮気味な四葉の様子を見て二郎は安心させるように言った。
「まぁそうかしこまる必要は無いよ、ただ俺がお礼をしたいだけで別にそんな大それた事はできないし、出来れば四葉さんにもレベッカと同じく謝意を受け取ってくれたら俺も嬉しいんだけどな」
「そうなの。そこまで言うならわかったわ。今度チャンスがあったら、何かご馳走してね、二郎君」
「よし、任せとけ!まぁそう言うことだから何か二人で考えておいてくれよ、な」
二郎の話がまとまったところで慣れた手つきでレベッカが二郎の前にお茶を差し出した。
「はーい、ジロー、お茶が入りましたヨ。私も楽しみにしているので約束ですヨ」
慣れた手つきで出されたお茶はレベッカのこだわりの玄米茶であり、このお茶を二郎もとても気に入っていた。
「了解だ。おぉ良い香りだな。それじゃ頂きます。・・・はぁ~、やっぱりここでレベッカが入れてくれるお茶が一番美味いな」
レッベカは二郎の手放しの賛辞を照れくさそうにしながらも、上機嫌になって二郎におかわりを勧めた。
「へへへ、この二年間、毎日ここでおいしいお茶を入れる研究していますからネ。当たり前デス!ジロー、もう一杯どうですカ?」
「あぁありがとう」
そんな二人のやり取りを見て居た四葉が苦笑いの表情で言った。
「なんか長年連れ添った夫婦の会話みたいだよ。それにレベッカはおいしいお茶の入れ方じゃなくて、上手く写真が撮れるような研究しなきゃダメでしょ、もう」
「そうか、いつもこんなモノだけど、なぁレベッカ」
「そうですヨ、二郎は私が入れるお茶が大好きなんデスヨ」
二郎の当然と言った態度に加えて、レベッカの満面の笑みを見て四葉が膨れっ面を作って言った。
「はい、そうですか、ふーんっだ」
「四葉ちゃん、どうしたデスカ」
「別に何でもないよ」
「本当ですカ」
二郎とレベッカの仲の良さをまざまざと見せつけられた四葉はヤキモチを妬くようなむすっとした表情を作ったが、二郎がそれを気付くことはなかった。それは四葉の学校スタイルであるマスクとメガネに下ろした前髪が四葉の表情を隠したからだった。
そんな四葉の事などつゆ知らず、すみれ、忍との映画デートに続き、四葉とレベッカとのお礼の食事会をすることになった二郎はレベッカが入れてくれたお茶を飲みほっと一息つくものの、ふと先立つものがないことを思い出し、どう資金を捻出するかあれこれ考えながらレベッカとじゃれ合う四葉に視線を向けた。
(俺も四葉さんみたいにバイトでも始めるかなぁ。交友関係が広がると何かとお金が必要になるんもんだなぁ)
そんな平和な時間をまったりと過ごしている後輩三人を優しい顔で見守っていた裕也が、ふと何かを思い出して二郎に話し掛けた
「そう言えば二郎君、僕らはいくらでもゆっくりしてくれても構わないけど、校内の見回りはもう今日は良いのかい?」
「あ・・・すっかり忘れていました。ありがとうございます、藤木先輩。それじゃぼちぼち俺は行きますわ。レベッカ、お茶ご馳走様。四葉さんもまた今度パン屋行かせてもらうよ」
「ハーイ、また明日デス!ジロー」
「うん、二郎君、またね」
「お疲れ様、二郎君、またいつでも遊びに来てな」
「はい、いつもありがとうございます。それじゃ、二人も勉強を頑張ってな!」
すっかり緩でいた表情をシャキッとさせた二郎は四葉達と別れの挨拶を交わして、次の目的地を思い浮かべながら地学準備室を後にした。
部室前に着くと中に人の気配を感じた二郎は二度ノックをして慣れたようにドアを開けた。
「こんちわ、邪魔します。レベッカいるか?」
「やぁ二郎君じゃないか。今日はお客さんが多い日だな」
「どうも藤木先輩。誰か他にいるんですか。邪魔なら退散しますが」
二郎の声に反応したのは写真部部長で以前卒業アルバム作成の件で使用する写真を選定する手伝いを凜から依頼された三年の藤木裕也部長だった。二郎と裕也は一年の頃から二郎がレベッカとの絡みで良く写真部に顔を出している関係でお互いによく知る間であり、二郎にとって数少ない信頼できる先輩であった。また凜と裕也は3年間クラスが同じで気心知れた仲であり、凜とも仲の良い二郎を特別な後輩として丁重にもてなす節があった。
「おぉ、ジローじゃないですカ!グッドタイミングです。今英語の勉強を四葉ちゃんとしていたところデス。お茶をご馳走するのでお勉強教えてくださいネ」
そう言っていつもの明るい調子でレベッカが話し掛けると、その横で小さく二郎に手を振って挨拶したのは四葉だった。
「ヤッホー、二郎君。久しぶりだね。今日は放課後のお勤めは大丈夫なの」
「あれま、四葉さんがここにいるなんて珍しいな。今日はレベッカと勉強なのかい」
「うん、今日はレベッカと勉強会なんだ。二郎君は?」
「俺は今ちょうど見回り中だったんだけど、ちょっと疲れたからレベッカにお茶でも入れて貰おうかと思って来たんだよ」
騒動が収まってから今週一度も会話をしていなかった二郎に色々と話を聞きたい衝動に駆られた四葉だったが、ガツガツするのは少し気恥ずかしいと思い、先日もらったお菓子のお礼を先に言った。
「そうだったんだ。本当にレベッカと二郎君は仲良しなんだね。そう言えばこの前のチョコ、ありがとうね。もしかして私があのチョコをよく食べているのを知ってたの」
「あぁ、うん、まぁそうかな。いつだか教室で四葉さんが勉強していたときに食べていたのを思いだしてさ。それで好きなのかなと思って」
「そっか、ありがとう。あのチョコは昔から好きでね、いつもお父さんが仕事の帰りに買ってきてくれたんだ。それ以来ついついあのチョコを買っちゃうんだよね。へへへ、ちょっと子供っぽいかな」
四葉は少し恥ずかしそうにしながらも、にこやかな表情で二郎に謝意を伝えた。
「そうだったのか。思い出のチョコってことだね。まぁ喜んでくれたのなら良かったよ。それと遅くなったけど、四葉さんの協力のおかげで無事騒動を解決できたよ。色々巻き込んでしまって本当に悪かったね。今度何か埋め合わせさせてくれよ。さすがにチョコ一つでチャラに出来るとは思ってないし、四葉さんが嫌じゃなければ今度何か飯でも奢らせてくれや」
二郎からすればすみれと亜美菜、勇次との因縁だけでなく、自分と瞬の因縁も少なからず今回の騒動の原因になっていると感じていたため、四葉に迷惑を掛けたという思いがあった。また四葉には瞬の事は余り話したくないと言うこともあり、歩や巴に話したように四葉には詳細を説明したくないと考えていた。そう言った事情もあって色々とごまかすためにご飯でもおごってやり過ごそうと考えていたのだった。
「そんな私は別に迷惑とかそんなこと思ってないし、そもそも二郎君は何一つ悪くなんだしさ。そんなこと必要ないよ」
四葉からすれば二郎も歴とした被害者であり、自分以上に迷惑を被ったこともあり、噂の当事者であるお互いが協力し合うのは当然のことだと考えていた。そのため二郎に感謝される必要もなく、何かお礼をされることも全く筋違いだと感じていた。
そんなふうに四葉が両手を振って遠慮を示しているとレベッカがこれはしめたと二郎の言葉に食い付くように言った。
「ジロー、私もジローにいっぱい協力しましたヨ!だから、私も何か奢ってくだサイ!」
そんなレベッカの言葉を遮るように四葉が慌てていった。
「ちょっとレベッカ、ハッピータウンも歌舞伎揚げも貰ったんでしょ、それで我慢しなきゃダメだよ」
「そんな遠慮することないよ。本当に二人のおかげで助かったから、そのお礼をしたいだけなんだよ。もちろんレベッカにも世話になったし、何かして欲しい事とか食べたいものとかあれば何か考えておいてくれな」
「最近のジローは太っ腹ですネ。四葉ちゃんも堅苦しい事ばかり言わずに素直にジローに甘えまショウ」
「でも・・・」
遠慮気味な四葉の様子を見て二郎は安心させるように言った。
「まぁそうかしこまる必要は無いよ、ただ俺がお礼をしたいだけで別にそんな大それた事はできないし、出来れば四葉さんにもレベッカと同じく謝意を受け取ってくれたら俺も嬉しいんだけどな」
「そうなの。そこまで言うならわかったわ。今度チャンスがあったら、何かご馳走してね、二郎君」
「よし、任せとけ!まぁそう言うことだから何か二人で考えておいてくれよ、な」
二郎の話がまとまったところで慣れた手つきでレベッカが二郎の前にお茶を差し出した。
「はーい、ジロー、お茶が入りましたヨ。私も楽しみにしているので約束ですヨ」
慣れた手つきで出されたお茶はレベッカのこだわりの玄米茶であり、このお茶を二郎もとても気に入っていた。
「了解だ。おぉ良い香りだな。それじゃ頂きます。・・・はぁ~、やっぱりここでレベッカが入れてくれるお茶が一番美味いな」
レッベカは二郎の手放しの賛辞を照れくさそうにしながらも、上機嫌になって二郎におかわりを勧めた。
「へへへ、この二年間、毎日ここでおいしいお茶を入れる研究していますからネ。当たり前デス!ジロー、もう一杯どうですカ?」
「あぁありがとう」
そんな二人のやり取りを見て居た四葉が苦笑いの表情で言った。
「なんか長年連れ添った夫婦の会話みたいだよ。それにレベッカはおいしいお茶の入れ方じゃなくて、上手く写真が撮れるような研究しなきゃダメでしょ、もう」
「そうか、いつもこんなモノだけど、なぁレベッカ」
「そうですヨ、二郎は私が入れるお茶が大好きなんデスヨ」
二郎の当然と言った態度に加えて、レベッカの満面の笑みを見て四葉が膨れっ面を作って言った。
「はい、そうですか、ふーんっだ」
「四葉ちゃん、どうしたデスカ」
「別に何でもないよ」
「本当ですカ」
二郎とレベッカの仲の良さをまざまざと見せつけられた四葉はヤキモチを妬くようなむすっとした表情を作ったが、二郎がそれを気付くことはなかった。それは四葉の学校スタイルであるマスクとメガネに下ろした前髪が四葉の表情を隠したからだった。
そんな四葉の事などつゆ知らず、すみれ、忍との映画デートに続き、四葉とレベッカとのお礼の食事会をすることになった二郎はレベッカが入れてくれたお茶を飲みほっと一息つくものの、ふと先立つものがないことを思い出し、どう資金を捻出するかあれこれ考えながらレベッカとじゃれ合う四葉に視線を向けた。
(俺も四葉さんみたいにバイトでも始めるかなぁ。交友関係が広がると何かとお金が必要になるんもんだなぁ)
そんな平和な時間をまったりと過ごしている後輩三人を優しい顔で見守っていた裕也が、ふと何かを思い出して二郎に話し掛けた
「そう言えば二郎君、僕らはいくらでもゆっくりしてくれても構わないけど、校内の見回りはもう今日は良いのかい?」
「あ・・・すっかり忘れていました。ありがとうございます、藤木先輩。それじゃぼちぼち俺は行きますわ。レベッカ、お茶ご馳走様。四葉さんもまた今度パン屋行かせてもらうよ」
「ハーイ、また明日デス!ジロー」
「うん、二郎君、またね」
「お疲れ様、二郎君、またいつでも遊びに来てな」
「はい、いつもありがとうございます。それじゃ、二人も勉強を頑張ってな!」
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