Comparison 比較

おかゆ

文字の大きさ
10 / 46

アート

しおりを挟む
音楽、絵画、文学。

どれでも共通なのが、
素晴らしい作品に出会えた時には
どうしても作者のことが気になってしまう。

どんな人が作ったのか、
その人はどんな人なんだろうかと。
どんな性格で、どこに住んでいて、
友好関係や恋人には
どんな人物を選ぶのか。

時代背景、経済状況、訪れたことのある国。
愛したもの。

なぜなら、ほとんどの場合、
それらが作品に影響している。
一枚の絵画にいったい
なにが隠されているのか。

時代によって、描かれるものは
移り変わっていく。
もっぱら私は印象派が好きであるし
光の魔術師とまで言われた
ヨハネス・フェルメールの描く
繊細にとらえた光の粒に心を奪われる。

正直、構造とか難しいことは
その精妙さの細部はわからないのだが
でも、あんなに写真に
とったみたいに肉感的に立体的に
この世界を写実できるなんて、
この人たちの目には、おそらく
自分と違う世界が映っているに
違いないと思う。



雲ひとつとっても、グレー、黄色、青
なんかの多数の色が複雑に
混じっているのを、
それがどのくらい混じっているから、
その色に見えるのを、
肌でわかってしまう。
光と影を捉えて描写する
才能と技術。

気付かない者には、
おそらく一生気付かない世界かもしれない。

そこに描かれている
ワイングラスの曲線に
愛する人のなめらかな肢体の曲線が

皿に乗っているマスカットの緑色に
焦がれる人の瞳の色が色彩として、
紛れ込んでいるかもしれないと
思うと、一つ一つが見逃せない。


そこに移り込んだ情熱か、
あるいは隠された想いか
もしくは憂いや悲しみや切実な訴えかもしれないが、
そういったものが隠れているかもしれないのだから。


モネのように、晩年に患った白内障にも
負けず、筆を取り続ける姿勢には勇気を貰った。
カンヴァスにべったりとついた絵の具が、
作品にそのまま乾いて残っているのを
美術館で見たときに
モネの強い執念や想いを
感じた気がして、
目眩がしたのを覚えている。



美術館に行くと、
いつもそんなことを考えながら
鑑賞するのであるから、
たった数時間の滞在にも関わらず
その日の気力を全て使う羽目になるのだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【作家日記】小説とシナリオのはざまで……【三文ライターの底辺から這い上がる記録】

タカハシU太
エッセイ・ノンフィクション
書けえっ!! 書けっ!! 書けーっ!! 書けーっ!!  * エッセイ? 日記? ただのボヤキかもしれません。 『【作家日記】小説とシナリオのはざまで……【三文ライターの底辺から這い上がる記録】』 カクヨムの週間ランキング1位(エッセイ・ノンフィクション部門)獲得経験あり。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...