124 / 133
最終章 夫婦と、家族
21 ジーク視点 語れないからこそ、雄弁に
しおりを挟む
アイナと結婚してから1年。
僕らは新しい春を迎えていた。
夫婦ともにまだ23歳だけど、アイナはもう少し経った頃、僕は冬が訪れる前に24になる。
結婚記念日を明日に控え、僕は一人、物思いにふけっていた。
あれは、8歳になる頃だった。
誕生日を控えた僕は、落ち着きを失っていた。
アイナへの恋心は自覚したものの、婚約はまだで、相手が誰になるのか分からなかった時期だ。
もちろん、アイナが他の人と婚約する可能性だってあった。
それでも、もしかしたら。
自分の誕生日に、彼女が特別な言葉やプレゼントをくれるんじゃないかって、少し期待していたのだ。
そわそわしながら迎えた、自身の誕生会。
本当ならアイナと一緒に過ごしたかったけど、たくさんの人を招待した側の人間として、そうもいかず。
結局、彼女とはあまり話せないまま終わった。
アイナも祝いの言葉と品物を贈ってくれたけど、形式的なもので、プレゼントもラティウス家として選んだもののように見えた。
呼び方だって、「ジークベルトさま」だった。
それでも、祝ってもらえたことに変わりはない。
それで十分なはずなのに、特別でありたいと望んでしまう。
彼女は僕の特別だけど、アイナにとっての僕は……?
アイナの笑顔は、他の人にも向けられる。
自分は彼女の特別じゃない。
ずっと片想いなのかもしれない。
そう感じて、苦しかった。
時は戻って、今。
アイナは、僕の隣でくつろいでいた。
日付が変わる直前。夫婦の寝室。
二人とも夜着で、ベッドに乗り上げている。
アイナは温かいミルクが入ったカップを持ち、ちびちびと飲んでいるようだ。
身内にだけ見せる姿なんだと思うと、ぐっとくる。
そうしているうちに、ぼーん、ぼーん、と時計がなり、新しい日の訪れを告げた。
「ジーク。今日で結婚して1年だよね」
「うん。あっという間だった」
「一緒に暮らすようになったのは何年も前だけど、籍を入れる前と後だと、違うことも結構あったかも」
「旦那様と奥様になったからね」
「最初の頃は、奥様呼びがくすぐったかったなあ」
大事な記念日を、穏やかに迎えることができた。
思い出話をしながら、くるくると表情を変える彼女が愛おしい。
アイナに熱い視線を送っていると、それに気がついた彼女がにいっと笑みを深める。
なにか企んでいるようだ。
サイドテーブルにカップを置き、両手で包み込む。
そうやって手を温めたら、「えいっ」という言葉とともに、僕の頬に触れた。
「あったかい?」
「んー……。もう少しこのままでいてもらわないと、よく分からないかな」
「それじゃあ、カップじゃなくて私の手のあったかさになっちゃう」
むーっとする彼女に笑いかけてから、小さな手に自分のそれを重ねる。
「君の温かさが知りたいんだよ」
目を閉じれば、大切な人の温もりを、より鮮明に感じることができた。
「まだやるの? もうわかったよね……? とっくにわかってるよね?」
「どうかなあ」
アイナの手は、小さくて柔らかい。
男の僕とは、指の長さもぷにぷに加減も違うのだ。
そんな素敵なもので両の頬を包まれたら、気持ちがいいに決まっている。
あまりにも良かったから、自ら頬を寄せてふにふにとした感触を楽しんでいた。
「喜んでもらえて嬉しいけど、そろそろ手が痛くなってきた……」
パッと彼女の手を解放する。
ようやく自由を取り戻したアイナは、労わるように自分の腕をさすっていた。
「ごめん、やりすぎたよ」
「ちょっといい雰囲気になったと思ったらこれなんだから」
「はは……」
欲望に正直な男だという自覚のある僕が、反論なんてできるはずもない。
ぷいっとそっぽを向いたアイナが、ぽつりと呟いた。
「……あなたのお父さんは、甘えん坊」
「……ん?」
おとう、さん……? 僕の聞き間違いじゃなければ、アイナは「お父さん」と言った。
この流れで僕の父の話であるはずがない。
これは、もしかして……? 思わずアイナを凝視してしまった。
さっきまで僕の頬に触れていた手は、彼女のお腹にそっとあてられていた。
「アイナ、それって」
「何日か前にわかったの。赤ちゃん、お腹にいるって」
「……!!」
少し照れながら微笑む妻。
彼女のお腹には、新しい命が宿っている。
嬉しいことが重なりすぎた僕は――処理が追いつかなくなり、停止した。
「……ク。ジーク!」
どこかから声が聞こえる。アイナのものだ。
ちょいちょいと服を引っ張られて、ようやく意識を取り戻す。
ハッとしたときには、アイナの表情は少し曇っていた。
「……もしかして、嬉しくなかった?」
「違う!」
彼女が抱いた不安を否定したいあまり、少し声を荒げてしまった。
肩を震わせたアイナに、出来る限り優しく触れる。
「……嬉しい。ものすごく、嬉しかったんだ。嬉しすぎて、なにも考えられなくなった。不安にさせて、ごめん」
「……そっか」
「君と一緒になれて、1年経って……。記念日をいつもと変わらずに迎えることができただけでも、どうしようもないぐらい嬉しかったんだ。小さい頃は、ずっと片想いなのかもしれないとも思っていたから、余計に。そこに、さらに嬉しい報告があって……。幸せすぎて、もう、頭が真っ白になって……」
たどたどしく話す僕を、水色の瞳がじいっと見つめていた。
ああダメだ。ここから先が言葉にならない。
嬉しいと、幸せだと、彼女に伝えなければいけないのに――。
「ジーク」
僕の名前を呼んで、アイナは両手を広げる。
「上手く言葉にできないなら……。こっちで伝えて?」
アイナの背に、腰に。そっと触れて、抱き寄せる。力はほとんど入れていない。
お腹に僕たちの子がいると聞いて、力加減が分からなくなってしまった。
アイナにもそれが伝わったのか、
「そこまで気を付けなくても、大丈夫だよ?」
と笑われてしまう。
そんなにおかしそうにされると、ちょっと拗ねたくなる。
ほんの少しだけ力を強めたら、アイナから満足げな息がもれた。
「ありがとう、アイナ。本当に嬉しい。これからは、もっと、君を……。君たちを、大切にする」
「……うん」
お互いの顔が見えるよう離れ、視線を合わせる。どちらともなく笑顔がこぼれた。
色々話したい気持ちはあったけど、もう遅い時間だ。
結婚記念日はゆっくり過ごしたいと思っていたから、明日は丸一日空けてある。
今夜はしっかり眠って、起きたらたくさん話をしよう。
今までのこと、これからのこと。
互いの好きなものや場所のこと、それぞれの親族のこと。
新しい家族のこと。
話題は尽きない。
朝から夜まで一緒にいたって、時間が足りないぐらいだ。
僕らは新しい春を迎えていた。
夫婦ともにまだ23歳だけど、アイナはもう少し経った頃、僕は冬が訪れる前に24になる。
結婚記念日を明日に控え、僕は一人、物思いにふけっていた。
あれは、8歳になる頃だった。
誕生日を控えた僕は、落ち着きを失っていた。
アイナへの恋心は自覚したものの、婚約はまだで、相手が誰になるのか分からなかった時期だ。
もちろん、アイナが他の人と婚約する可能性だってあった。
それでも、もしかしたら。
自分の誕生日に、彼女が特別な言葉やプレゼントをくれるんじゃないかって、少し期待していたのだ。
そわそわしながら迎えた、自身の誕生会。
本当ならアイナと一緒に過ごしたかったけど、たくさんの人を招待した側の人間として、そうもいかず。
結局、彼女とはあまり話せないまま終わった。
アイナも祝いの言葉と品物を贈ってくれたけど、形式的なもので、プレゼントもラティウス家として選んだもののように見えた。
呼び方だって、「ジークベルトさま」だった。
それでも、祝ってもらえたことに変わりはない。
それで十分なはずなのに、特別でありたいと望んでしまう。
彼女は僕の特別だけど、アイナにとっての僕は……?
アイナの笑顔は、他の人にも向けられる。
自分は彼女の特別じゃない。
ずっと片想いなのかもしれない。
そう感じて、苦しかった。
時は戻って、今。
アイナは、僕の隣でくつろいでいた。
日付が変わる直前。夫婦の寝室。
二人とも夜着で、ベッドに乗り上げている。
アイナは温かいミルクが入ったカップを持ち、ちびちびと飲んでいるようだ。
身内にだけ見せる姿なんだと思うと、ぐっとくる。
そうしているうちに、ぼーん、ぼーん、と時計がなり、新しい日の訪れを告げた。
「ジーク。今日で結婚して1年だよね」
「うん。あっという間だった」
「一緒に暮らすようになったのは何年も前だけど、籍を入れる前と後だと、違うことも結構あったかも」
「旦那様と奥様になったからね」
「最初の頃は、奥様呼びがくすぐったかったなあ」
大事な記念日を、穏やかに迎えることができた。
思い出話をしながら、くるくると表情を変える彼女が愛おしい。
アイナに熱い視線を送っていると、それに気がついた彼女がにいっと笑みを深める。
なにか企んでいるようだ。
サイドテーブルにカップを置き、両手で包み込む。
そうやって手を温めたら、「えいっ」という言葉とともに、僕の頬に触れた。
「あったかい?」
「んー……。もう少しこのままでいてもらわないと、よく分からないかな」
「それじゃあ、カップじゃなくて私の手のあったかさになっちゃう」
むーっとする彼女に笑いかけてから、小さな手に自分のそれを重ねる。
「君の温かさが知りたいんだよ」
目を閉じれば、大切な人の温もりを、より鮮明に感じることができた。
「まだやるの? もうわかったよね……? とっくにわかってるよね?」
「どうかなあ」
アイナの手は、小さくて柔らかい。
男の僕とは、指の長さもぷにぷに加減も違うのだ。
そんな素敵なもので両の頬を包まれたら、気持ちがいいに決まっている。
あまりにも良かったから、自ら頬を寄せてふにふにとした感触を楽しんでいた。
「喜んでもらえて嬉しいけど、そろそろ手が痛くなってきた……」
パッと彼女の手を解放する。
ようやく自由を取り戻したアイナは、労わるように自分の腕をさすっていた。
「ごめん、やりすぎたよ」
「ちょっといい雰囲気になったと思ったらこれなんだから」
「はは……」
欲望に正直な男だという自覚のある僕が、反論なんてできるはずもない。
ぷいっとそっぽを向いたアイナが、ぽつりと呟いた。
「……あなたのお父さんは、甘えん坊」
「……ん?」
おとう、さん……? 僕の聞き間違いじゃなければ、アイナは「お父さん」と言った。
この流れで僕の父の話であるはずがない。
これは、もしかして……? 思わずアイナを凝視してしまった。
さっきまで僕の頬に触れていた手は、彼女のお腹にそっとあてられていた。
「アイナ、それって」
「何日か前にわかったの。赤ちゃん、お腹にいるって」
「……!!」
少し照れながら微笑む妻。
彼女のお腹には、新しい命が宿っている。
嬉しいことが重なりすぎた僕は――処理が追いつかなくなり、停止した。
「……ク。ジーク!」
どこかから声が聞こえる。アイナのものだ。
ちょいちょいと服を引っ張られて、ようやく意識を取り戻す。
ハッとしたときには、アイナの表情は少し曇っていた。
「……もしかして、嬉しくなかった?」
「違う!」
彼女が抱いた不安を否定したいあまり、少し声を荒げてしまった。
肩を震わせたアイナに、出来る限り優しく触れる。
「……嬉しい。ものすごく、嬉しかったんだ。嬉しすぎて、なにも考えられなくなった。不安にさせて、ごめん」
「……そっか」
「君と一緒になれて、1年経って……。記念日をいつもと変わらずに迎えることができただけでも、どうしようもないぐらい嬉しかったんだ。小さい頃は、ずっと片想いなのかもしれないとも思っていたから、余計に。そこに、さらに嬉しい報告があって……。幸せすぎて、もう、頭が真っ白になって……」
たどたどしく話す僕を、水色の瞳がじいっと見つめていた。
ああダメだ。ここから先が言葉にならない。
嬉しいと、幸せだと、彼女に伝えなければいけないのに――。
「ジーク」
僕の名前を呼んで、アイナは両手を広げる。
「上手く言葉にできないなら……。こっちで伝えて?」
アイナの背に、腰に。そっと触れて、抱き寄せる。力はほとんど入れていない。
お腹に僕たちの子がいると聞いて、力加減が分からなくなってしまった。
アイナにもそれが伝わったのか、
「そこまで気を付けなくても、大丈夫だよ?」
と笑われてしまう。
そんなにおかしそうにされると、ちょっと拗ねたくなる。
ほんの少しだけ力を強めたら、アイナから満足げな息がもれた。
「ありがとう、アイナ。本当に嬉しい。これからは、もっと、君を……。君たちを、大切にする」
「……うん」
お互いの顔が見えるよう離れ、視線を合わせる。どちらともなく笑顔がこぼれた。
色々話したい気持ちはあったけど、もう遅い時間だ。
結婚記念日はゆっくり過ごしたいと思っていたから、明日は丸一日空けてある。
今夜はしっかり眠って、起きたらたくさん話をしよう。
今までのこと、これからのこと。
互いの好きなものや場所のこと、それぞれの親族のこと。
新しい家族のこと。
話題は尽きない。
朝から夜まで一緒にいたって、時間が足りないぐらいだ。
0
あなたにおすすめの小説
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
婚約破棄までの168時間 悪役令嬢は断罪を回避したいだけなのに、無関心王子が突然溺愛してきて困惑しています
みゅー
恋愛
アレクサンドラ・デュカス公爵令嬢は舞踏会で、ある男爵令嬢から突然『悪役令嬢』として断罪されてしまう。
そして身に覚えのない罪を着せられ、婚約者である王太子殿下には婚約の破棄を言い渡された。
それでもアレクサンドラは、いつか無実を証明できる日が来ると信じて屈辱に耐えていた。
だが、無情にもそれを証明するまもなく男爵令嬢の手にかかり最悪の最期を迎えることになった。
ところが目覚めると自室のベッドの上におり、断罪されたはずの舞踏会から1週間前に戻っていた。
アレクサンドラにとって断罪される日まではたったの一週間しか残されていない。
こうして、その一週間でアレクサンドラは自身の身の潔白を証明するため奮闘することになるのだが……。
甘めな話になるのは20話以降です。
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
転生貧乏令嬢メイドは見なかった!
seo
恋愛
血筋だけ特殊なファニー・イエッセル・クリスタラーは、名前や身元を偽りメイド業に勤しんでいた。何もないただ広いだけの領地はそれだけでお金がかかり、古い屋敷も修繕費がいくらあっても足りない。
いつものようにお茶会の給仕に携わった彼女は、令息たちの会話に耳を疑う。ある女性を誰が口説き落とせるかの賭けをしていた。その対象は彼女だった。絶対こいつらに関わらない。そんな決意は虚しく、親しくなれるように手筈を整えろと脅され断りきれなかった。抵抗はしたものの身分の壁は高く、メイドとしても令嬢としても賭けの舞台に上がることに。
これは前世の記憶を持つ貧乏な令嬢が、見なかったことにしたかったのに巻き込まれ、自分の存在を見なかったことにしない人たちと出会った物語。
#逆ハー風なところあり
#他サイトさまでも掲載しています(作者名2文字違いもあり)
【完結】幼い頃からの婚約を破棄されて退学の危機に瀕している。
桧山 紗綺
恋愛
子爵家の長男として生まれた主人公は幼い頃から家を出て、いずれ婿入りする男爵家で育てられた。婚約者とも穏やかで良好な関係を築いている。
それが綻んだのは学園へ入学して二年目のこと。
「婚約を破棄するわ」
ある日突然婚約者から婚約の解消を告げられる。婚約者の隣には別の男子生徒。
しかもすでに双方の親の間で話は済み婚約は解消されていると。
理解が追いつく前に婚約者は立ち去っていった。
一つ年下の婚約者とは学園に入学してから手紙のやり取りのみで、それでも休暇には帰って一緒に過ごした。
婚約者も入学してきた今年は去年の反省から友人付き合いを抑え自分を優先してほしいと言った婚約者と二人で過ごす時間を多く取るようにしていたのに。
それが段々減ってきたかと思えばそういうことかと乾いた笑いが落ちる。
恋のような熱烈な想いはなくとも、将来共に歩む相手、長い時間共に暮らした家族として大切に思っていたのに……。
そう思っていたのは自分だけで、『いらない』の一言で切り捨てられる存在だったのだ。
いずれ男爵家を継ぐからと男爵が学費を出して通わせてもらっていた学園。
来期からはそうでないと気づき青褪める。
婚約解消に伴う慰謝料で残り一年通えないか、両親に援助を得られないかと相談するが幼い頃から離れて育った主人公に家族は冷淡で――。
絶望する主人公を救ったのは学園で得た友人だった。
◇◇
幼い頃からの婚約者やその家から捨てられ、さらに実家の家族からも疎まれていたことを知り絶望する主人公が、友人やその家族に助けられて前に進んだり、贋金事件を追ったり可愛らしいヒロインとの切ない恋に身を焦がしたりするお話です。
基本は男性主人公の視点でお話が進みます。
◇◇
第16回恋愛小説大賞にエントリーしてました。
呼んでくださる方、応援してくださる方、感想なども皆様ありがとうございます。とても励まされます!
本編完結しました!
皆様のおかげです、ありがとうございます!
ようやく番外編の更新をはじめました。お待たせしました!
◆番外編も更新終わりました、見てくださった皆様ありがとうございます!!
【完結】一番腹黒いのはだあれ?
やまぐちこはる
恋愛
■□■
貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。
三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。
しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。
ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。
ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされ
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
第二回ドリコムメディア大賞一次選考通過作品。
ドジな公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間、前世の記憶を取り戻したのだ。
そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強騎士の恋愛物語になるはずです。でも、その騎士も訳アリで…。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。
皆様のお陰でHOTランキング第4位になりました。有難うございます。
小説家になろう、カクヨムでも連載中です。
【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます
よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」
婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。
「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」
「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」
両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。
お姉様からは用が済んだからと捨てられます。
「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」
「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」
ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。
唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。
ここから私の人生が大きく変わっていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる