骸骨令嬢の恋×濃〇物語~奪って見せます、王太子っ!~

三木猫

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第三章 きょうこい

第二十七話 次はナンエゴなんですっ!?

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「おいっ、カコっ!何度も言うがっ、魚にとって人の体温ってのは火傷に等しいんだぞっ!」
「あーはいはい。今海に放してあげるわよ」
「だあーっ!やめろ馬鹿っ!!」
尾を鷲掴みして海に落としてやろうとしたけれど、必死に抵抗するサルと何故か周りが滅茶苦茶止めに来るので私は仕方なくサルをマリンに渡して、船に積み荷を運んでいた。
そんな私とは別に、港にある食事処でアレク様達が会話をしている。
「それじゃあ、ウーゾはアレクと一緒にフローラ嬢の船で行くんだね」
「本当は自分が乗ってきた船を使うつもりだったが、アレクがそっちの方が早いって言うんだ」
「事実だからな。フローラの船なら二日もあればつくだろう」
「って言うんだぜ?ほんっと信じて良いのかよ」
「信じて良いと思う。フローラ嬢の作りだす乗り物は正直恐ろしいくらいだよ」
「ハハハッ。王林と乗ったあれ。フローラが乗り捨てしたままだから、どうにかして隠しておいてくれ。もしくは観光にでも使ってくれってフローラが言っていた」
「どうやって使えばいいのさ」
あはははっとアレク様達の笑い声が聞こえる。
うーん…平和な光景。しかもアレク様が男友達と笑ってる姿、レアっ!!
「はいよ、お嬢様」
「ありがとうっ!リアンっ!」
受け取ったカメラでばっしゃばっしゃ取りまくる。うん…写真立てとアルバムを増産しなきゃっ!
しかし、私が写真撮りたいって思ってたの良く解ったね、リアン。
思わず隣に立ったリアンを見ると、リアンは二カッと笑った。
…普通の使用人だと、無表情を決め込むかにっこりと笑って当然だと言う顔をしそうなものなのに、リアンは当たってるだろって嬉しそうに笑うから、つい私もつられてニカッと笑ってしまう。
「私は本当に家族に恵まれてるなぁ」
「確かに。旦那様達は肝要だからなぁ」
「あははっ、違うよ、リアンっ。私にとってはリアンもマリンも皆家族だよ」
「お、お嬢様…っ」
「泣かせる事言うなよな」
いつの間にか水槽を持って戻って来ていたマリンとリアンが涙目で喜んでいる。喜んでくれている事に私も素直に喜ぶ。「俺は?」って水槽から何か声が聞こえた気がするけれど気の所為である。
「所でウーゾ。僕、アレクに事情聞いてやっと理解したんだけど、本当に平気なの?もし良かったら僕の方からもいくらか支援するよ?」
「よせ、王林。ここで余計な手出しする方がややこしくなる。それにお前は自国の立て直しがあるだろう」
「でも…」
「まぁ、危なくなりそうだったら王林にも助けて貰うさ。けど今はアレクの婚約者のお手並み拝見ってとこだ」
「フローラを甘く見てたら危険だぞ、ウーゾ」
「甘く見た覚えはないんだけどなー」
「それからフローラをそう言う目で見るのも許さないからな」
「いや、それはねーわ」
アレク様の焼き餅、やばばばばっ!
と、それは良いとして。
ナンエゴの問題、かぁ。
アレク様からざっとした説明しか聞いてないけど大体の事は理解している。
ウーゾ様が言う所の【若】って人がどんな性格をしているか、何を得ようとしているか、それで話はかなり変わってくると思う。
…どんな策で行くべきかな~。
「お嬢様。全部積み終わったぜー」
「あ、うんっ。ありがとうっ」
準備が終わった事をリアンが教えてくれたので、私はその場で手を振りアレク様に合図を送る。
アレク様は直ぐにそれに気付いてくれて手を上げて返事をくれた。カッコ良い。好き。
会話をしながらこっちに来る三人を待つ。
けれど、この船に王林様だけは乗る事はない。
だから王林様だけ私の前で足を止めた。
「見送りしか出来なくて申し訳ない」
「本当は国の立て直しで見送り所じゃないってのに来てくれたんだ。気にするな」
「ありがとう、アレク。フローラ嬢も。力を貸してくれてありがとう。感謝している」
「いいえ。王林様。私はただ暴れただけですから」
にっこりと笑って言うと、背後と横から「確かにな」って声が聞こえる。後で締めて置こう。
「また何時でも遊びに来てくれ。次に遊びに来る時までには国を安定させておくから」
「無理はするなよ」
「あぁ。それからフローラ嬢との結婚式には必ず行くから、こちらも何時でも呼び出してくれ」
「ありがとうございます。国王に盾突く武器が増えるのはとても嬉しいですわ」
笑顔で本音を言いつつ喜ぶと何故か隣のウーゾ様が溜息をついた。どうしよう。前々から思ってたけど、ウーゾ様からサルと同等の何かを感じる。…黙らせるか?
「それじゃあ行きましょうか、アレク様。ウーゾ様もどうぞとっとと乗船ください」
「……フローラ嬢ちゃんよ。何か俺に対する態度がちょっと変わってないか?今この一瞬の隙に」
「にこっ」
「口でにこって言いながら、全然笑ってねぇな」
ブツブツ言いながら船に乗り込むウーゾ様に続くアレク様。
アレク様は王林様に片手を上げて挨拶をすると、王林様も手を上げて返事をして。
アレク様が乗船したのを確認して、私は王林様に深い礼をした。
「……ウーゾの事、頼みます。フローラ嬢。アレクとウーゾは大事な友なんだ」
「…お任せください。王林様」
胸を張り大きく頷いて、私はもう一度礼をして船に乗り込んだ。
操船室へ向かい船を発進させた。

オーマ大陸からは距離のあるナンエゴ大陸だけれど、トゥーティス大陸からは割と近い。
船をかっ飛ばせば、さっきアレク様が言っていた通り二日くらいでつくだろう。
とは言え、今が朝だからついても二日後の夜って所かな?
ある程度進んだら前と同じように自動操縦に変えよう。
「…マジか。何だ、この速度。こんな速さで動く船、見た事ねぇ…」
「それはそうだろう。この船はフローラが現魔法で作りだした物だ」
「はぁ?嬢ちゃん、規格外にも程があるって」
はぁ~っと嫌味な程大きなため息をついて椅子に深く座りこむウーゾ様に、それを楽しそうに笑うアレク様。

「フローラお姉様はそこが魅力ですのっ!」

……ん?
ちょっと待ってね?
今、この船で聞こえちゃいけない声が聞こえた気がするの。
「いや~、それはどうかな~。魅力って言えるのか~?」
「言えるですのっ!」
うん。
サルと話してる声はやっぱり聞こえちゃいけない声な気がするっ!
私はぶつかるものがなくなった大海に出た事を確認してから自動操縦に切り替え、リアンに見張りを任せて急ぎ船内へ戻った。
そこにはやはり水槽の横にウサギ姿でちょこんと座る白藤ちゃんの姿があった。
「白藤ちゃん、なんでいるのかなっ!?」
「こっそり乗りこみましたですのっ!」
嬉しそうに前足を上げたウサギの可愛い事よっ!
いや、違う!そうじゃないっ!可愛さに騙されてはいけないっ!
「なんでこっそり乗りこんじゃったのっ!?王林様は知ってるのっ!?」
「林にはお手紙を書いてきましたですのっ!」
ぽんっと前足を合わせて笑うウサギの可愛い事よっ!
でもそうじゃないのよっ!可愛さに騙されそうっ!!
「お、王林様になんて手紙を書いたの?」
「フローラお姉様に同行して花嫁修業に行って参りますって書いたですのっ!」
おっふっ!…今頃王林様手紙を前に泣いてそう…。
今恋人同士の一番の蜜月時なのに…。
「…王林。本当に仕事に専念する事になりそうだな」
「憐れすぎる…。今からでも戻ってその娘降ろして来たらどうだ?」
「絶対付いて行くですのっ!!」
「……白藤ちゃんの意志は固そうです…」
あー…と私達は項垂れた。唯一理解していない白藤ちゃんだけが首を傾げる。
「まー、いいんじゃねぇか?カコの良いストッパーになるだろ」
「ちょっとサル。それどう言う意味よ」
「言葉のまんまだよ」
「馬鹿にしないで頂戴っ!白藤ちゃんで私の動きを止められるとでもっ!?」
「カコー。ほら、もふもふだぞー?」
「うぐうっ!?」
「あっさり止められてるじゃねぇか」
うぐぐぐ…。
こんなにあっさり動きを止められるなんて…。
白藤ちゃんを持って椅子に座り膝の上に乗せて、撫で回すことにした。
どうせもう戻れないし…なでなでなで…。
「……羨ましいな」
「え?」
アレク様がぼそっと何か呟いた次の瞬間にはアレク様の腕が背中にまわり、ひょいっと持ちあげられて彼の足の間に座らせられた。
そしてアレク様はなでなでと私の頭を撫でる。え?なにこれ?天国?ヘブンなの?
「ハハッ…可愛い」
「~~~ッ!!」
幸せーっ!!アレク様が私の頭に頬を擦り寄せてくれてるーっ!!
「……俺、何見せられてるんだ?」
「深く考えたら負けだぜ、ナンエゴの」
サルとウーゾ様が顔を見合わせて溜息をついている。
……が、そんな事はどうでもいい。
アレク様に撫でられる幸せな時間を堪能するんだっ!!
「フローラお姉様。それでこれから何処に行くですの?」
「んんー?白藤ちゃん、それも知らずについてきたのー?」
「はいですのっ!」
「まぁっ、とっても良いお返事ー。最悪船に待機してようねー」
「……珍しい。カコが遠い目してるぞ」
うふふふー。どうしよう。王林様、本当にごめんね。白藤ちゃんは絶対無傷で帰すって約束するから。
……後で王林様にお手紙書こう。
「白藤ちゃんはナンエゴってどんな大陸か、知ってる?」
「勿論ですのっ。大陸の外郭と中央で発展した大陸で。中央と外郭の間には越えることが難しいと言われる砂漠があるですの」
「確か大陸が円に近い形をしているんですよね」
「そうだ」
ドーナツ型してるんだよね、確かナンエゴって。
中央は確か山脈地帯で。どちらかと言えば活性化してる火山が多い。
だからこそ暑いし、植物が育ち辛い。
「外郭都市はどちらかと言えば、外からの流れ者が多い。逆に言えば中央は昔からナンエゴに住む先住民が主だ。中央の他にも砂漠と外郭都市を分ける様に山脈が連なっている。砂漠を出るには洞窟をくぐって行くのが一般的だ」
「へぇ~…」
まだ行った事が無いし、ちゃんと理解しているかは解らないけど、想像して言うなら円形の大陸があって外側から順に外郭都市、山脈、砂漠、山脈、中央都市って感じになってるのかな?
前世で砂漠ってものをテレビでは見た事はあるけども、実際にそこへ行った事がある訳じゃないし…正直あんまり想像出来ない。
「外郭都市ってどんな感じなんですの?」
「あ、それ、私も知りたいです」
「どんなって言われてもなー。商業都市って感じだな」
「外郭は全て人が住んでいるんですか?」
「そうだな。外郭は人の住む建物で埋め尽くされている。流石に砂漠地帯で済むのは難しい」
「オアシス、とかないんですか?」
「あるかもしれないが、そんな大きなオアシスを発見出来るほど砂漠を歩きまわり制覇するのは難しいし何より中央の領域に無断で入ったととられかねない」
「成程ね…」
その垣根がもしかしたら一番余計なのかもしれないなとふと思う。
そもそもが何故敵対関係になったのだろうか?
一応家庭教師に習ったけれど、表面上のことしか語られなかったし。
「争いの理由って何?八十文字以内でお願いします、ウーゾ様」
「文字制限つけるのかよ。…あー、俺の事はウーゾって呼び捨てで良い。嬢ちゃんに様付けされると何か落ち着かねぇ」
「あらそう?じゃあさっさと答えて頂戴、ウーゾ」
「……何か、腑に落ちねぇ」
「馬鹿な事を言ったな、ナンエゴの」
「サル。余計な事言わないで。それで?争いの理由は?」
「領地争いだろう」
私の問いに答えたのはアレク様だった。
アレク様は私の肩に頭を置いて頬を擦り寄せてくれる。ご褒美が堪らなくて自分からも擦り寄せる。
「外郭都市には流れ者が多いとさっきウーゾが言っていただろ?そもそもナンエゴは人が住むにはあまり適さない大陸だ。大陸を渡り歩いていた人間がナンエゴに到着し、砂漠の向うに先住民がいることに気付かず、無人島だと勘違いし外郭を人が住めるように開拓していった。それが外郭都市」
「成程。けれど中央には先住民がおり、先住民にしてみたら大陸に勝手に居付き荒らしている侵略者、な訳ですね」
「もう大古の話だろ。それを今更侵略者とか言われると腹が立つんだが?」
「だがそれはそう言われても仕方ない。実際、今中央に人間がいるって知った上でもまだそこを離れないで主張を続けてるんだろ?立派な侵略者だろうが」
「私もサルと同意見。外郭側の人間が文句を言う権利はないと思うわ」
「じゃあ、出て行けって?俺達が?」
「そうね。出来るならそうした方がいいわね」
「そうだな。出来るならな」
サルと二人頷き合う。
「そんなこと出来る訳ねぇだろっ!俺達はあの地で生まれ育ったんだから」
「そうね」
「そうだな」
うんうんと私とサルはまた頷くのだが、ウーゾはキョトンとしている。
「今更出て行くことは不可能。俺もカコも【出来るなら】と言っただろ?出来ない事は百も承知だ」
「そうそう。積み上げた歴史の流れを自分の代で変えるなんて中々出来ない事だからね」
「…あー…」
ウーゾが頭をガリガリと掻いて唸った。
「お前ら俺で遊ぶなよ」
「「いや」」
サルとまたしても同時に発していた。ウーゾの視線がアレク様に助けを求めている。
それにアレク様は苦笑で返した。
「フローラ。手加減してやってくれ」
「はーい」
「アレクにばっかり良い顔しやがって」
「当り前でしょう。大好きな人の前で良い顔しない人間いる?いないでしょ」
「あーあー、そうだなっ」
あ、いじけてきちゃった。じゃあ、話を戻そうか。
「侵略者であることに変わりはない。けれど、長い年月を経て交流を交わしていた訳よね?」
「あぁ。互いに領域を決めて不可侵を決めた」
「で、それが今崩れそうになっている、と」
「そうだ」
ふむ…。
もうちょっと内部事情を知る必要はありそうだけど…。
結局は行ってみて状況を知らなければ何とも出来ない、かなぁ。
あれ?でもちょっと待って?
領地を争ってたのは昔の話って事だよね?…いや、今も一緒なのか。主権を争う。要はどちらが国のトップかって事だもんね。
辿り着く所は一緒って事だね。
「ウーゾ。確かウーゾの話だと外郭都市の偉い人を唆したのはお兄さんだって言ってたよね?」
「あぁ。俺の兄であるトカイが若…外郭都市の首領(ボス)の息子ヴィアをな」
「……ヴィア様は、失礼だけど頭が悪かったり?」
「本当に失礼だなっ、お前っ。そんな訳ないだろっ!あの荒くれ物の集まる都市を一人でまとめ上げているんだぞっ!」
「ふぅん。成程?そんな賢い人がそんな簡単に唆されたりするかしら」
「は…?」
「裏…と言うか何か野望的なものがありそうね」
「野望…?」
「えぇ。しかもウーゾ達にも言えないような何かが、ね」
ウーゾの目が丸くなった。
信頼していた相手に、自分の知らない野望がある。
例え仲が良くても言えない事の一つや二つあるよね。
でも、それを知った時胸に小さな隙間が出来たりする。信頼関係に小さな小さな穴が開く。それを埋めれるか、埋める必要があるか、そのままにしても害ないのか。それはその人達が築いてきた信頼関係によるだろうけれど。
そのヴィア様が今回の争いの鍵となりそう。
となると、私が取るべき行動は…。
「……フローラ。あんまり無茶はするなよ」
「アレク様?」
頭を撫でていた手が止まり私の背と彼の胸がぴったりとくっついて、お腹に回った手でぎゅっと抱きしめられる。
「…それから…、あんまり他の男と仲良くしないでくれ。妬ける」
「ふぁっ!?」
えっ!?今、アレク様っ、妬けるってっ…。
「……もう、アレク様以外の男とは父様でも口をききませんわっ!」
宣言して彼の鎖骨の辺りに額を擦り寄せる。
「ははっ、嬉しいっ」
「アレク様っ」
「けれど、会話くらいは構わないよ。親しくならなければ」
「アレク様っ、心が広いっ。私なんてアレク様に近づいて話かける女いたら闇討ちしたいくらいなのにっ!」
って言うか、闇討ちするけどねっ!
アレク様に近づく女は皆敵っ!
「……俺達何を見せられてるんだ?」
「ラブラブな二人ですのっ!」
「そ、うか…」
ウーゾががっくり頭を落とし、白藤ちゃんが首を傾げる。
さて…ナンエゴ大陸の争い、どうしようかな。
アレク様の腕の中でアレク様の体温に癒されながら、脳内で計算を始めた。
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