ダンジョン塔の地下迷宮~俺だけ入れる激レア階層を駆使して最強を目指す~

ふぃる汰@単行本発売中

文字の大きさ
19 / 102
第1章 地下1階層

19話 無制限攻略

しおりを挟む

「よっしゃ、魔石ゲットだ!」


 地下1階層でのライザー活動を開始して数時間が経過した。
ライザーカードに表示された活動可能時間は相変わらず残り3時間のまま減少しておらず、逆に地下階層に来ると表示されるカウントアップの活動経過時間は【04:12:08】の値を示していた。


「うわ、とっくに3時間越えてるじゃん……」


 普通なら活動可能時間を迎えるとユグドラタワー1階のリフト前、つまりタワーの外に強制転移されるはずだ。
実際に俺もライザーになりたての頃、スライムとの戦闘中にタイムオーバーでフロアから追い出されたことがある。
攻撃して逃げて休憩をひたすら繰り返して、ようやく倒せそうなところまでいって時間切れだもんなあ……あのときは流石に凹んだ。


「いやまあ、スライム1匹に数時間もかけてるほうが悪いんだけどね」


 昼過ぎにここへ来て4時間経ったということは、外の世界はそろそろ夕方か。
さすがにこの地下1階層は夕暮れで空がオレンジ色になったりはしないようだ。


「夜の間もずっとこの明るさなんだろうか……いや、そもそも夜とか朝とかあるのか?」


「夜はグランルータが闇夜を照らしてくれるわっ!」


「うわっ! って、なんだパモチか」


 俺がブラックジェットローチと戦っている間、近くの茂みに隠れて様子を伺っていたパモチが戦闘が終わったのを確認して飛び出してくる。


「グランルータの周りには陽の光を蓄えたキノコや苔が生えているのよっ!」


「なるほど、じゃあ夜はその植物が発光して明るくなるってことか」


「そうよっ! でも今は悪いヤツらがいっぱいグランルータにいるから、あんまり明るくないのっ」


「光源を覆うゴキブリ……恐怖だなそれは」


 パモチたちの穏やかな夜を取り戻すためにも、頑張ってブラックジェットローチを倒さないと。


 ―― ――


「おお、発芽レベル5か……1日でこれだけ成長したのは中々なんじゃないか? いや比較対象が無いからわからんけど」


 ピクシード族の住処で休憩をはさみつつ、5時間ほど地下1階層でブラックジェットローチを倒し続け、本日のライザー活動は終了。
いつもは3時間という活動可能時間の縛りがあるから、こんなにユグドラタワーに滞在したのは初めてだ。


「それに……ふふ、ふふふ。こんなにお金が稼げたのも初めてだ……!!」


 ブラックジェットローチを討伐したときにドロップした高品質の赤の魔石。
魔装の育成のためにほとんど使ってしまったけれど、何個か手元に残して魔石換金所に持って行ったところ、6000円ほどの収入を得ることが出来た。
いつもは砂粒みたいな大きさの低品質の魔石を売って数百円稼げれば良いレベルの収入しか得られてなかったから、この6000円は自分にとって嬉しい稼ぎだ。


「ていうかこれ、魔装の育成に使った分の魔石も全部合わせて売ったら数万円になったんじゃないか……?」


 この稼ぎが安定して出せるなら、ライザー活動だけで暮らしていける……バイト生活から脱却できるぞ!


「へへ、へへへ……6000円……ゼロケタが、1、2」


「和取セ~ンパイッ!」


「さんまうわっ!?」


「サンマ?」


 いつもより桁が多い魔石の換金レシートを眺めながら帰り道を歩いていたら、背中から大きくて元気な声と共に誰かに抱き着かれたような感触が。
まあ、こんなことをしてくるのはバイト先の元気な後輩しか心当たりがないのだが。


「なんだ、やっぱり日奈多さんか」


「なんだとはなんすか。スーパー美少女ガールJK日奈多アオイ見参っすよ」


「美少女とガールとJKが微妙に意味被ってるよ」


 サハラ砂漠デザートって感じ。


「和取先輩、これからバイトっすか?」


「いや、今日はシフト入ってないよ。普通に家に帰るとこ」


「そうなんすね。てっきり週9くらいでバイトしてるんだと思ってました」


「労働基準法って知ってる?」


 てかそれだと1日2回シフト入ってる日があるじゃん。
いやまあ、無い事も無いんだけどね……早朝シフトの人が急に休んで人手が足りない時に夜勤終わってそのまま働いたりね。


「日奈多さんはバイト終わり?」


「そうっすよ。学校終わってバイトして、もうクタクタっすよ~」


「あはは、お疲れ様」


 学校疲れるよなあ。
俺も大体ライザー活動を終えてからのバイトだけど、多分学校からのバイトの方が精神的に疲労すると思う。


「日奈多さんは頑張ってるね」


「そうっすか? へへ……あ、そういえば和取先輩、今日バイト無いんすよね」


「え? うん……」


「じゃあ、これから一緒にごはんどうっすか?」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

異世界デバッガー ~不遇スキル【デバッガー】でバグ利用してたら、世界を救うことになった元SEの話~

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した元システムエンジニア、相馬譲(ユズル)。異世界転生で得たスキルは、世界の情報を読み取り「バグ」を見つけ出す【デバッガー】。攻撃力も防御力もない外れスキルと思われたが、その真価は世界の法則すら捻じ曲げるバグ利用にあった! モンスターの行動、魔法の法則、スキル限界――あらゆるシステムの穴を突き、元SEの知識で効率的に攻略していくユズル。不遇職と蔑まれながらも、規格外の力でダンジョンを蹂躙し、莫大な富と影響力を築き上げる。 頼れる騎士、天才魔道具技師、影を歩むダークエルフといった仲間と共に、やがてユズルは、この世界そのものが抱える致命的な「システムエラー」と、それを巡る陰謀に直面する。これは、不遇スキルで世界のバグに挑む、元SEの異世界成り上がり譚!

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する

鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。 突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。 しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。 魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。 英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...