ダンジョン塔の地下迷宮~俺だけ入れる激レア階層を駆使して最強を目指す~

ふぃる汰@単行本発売中

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第2章 地下2階層

44話 漫画のネタ集め

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「そうか……和取おまえ、遂に第1階層の呪縛から抜け出したんだな」


「別に呪いであのフロアに囚われてたわけじゃ無いけどな。まあ、長い時をあそこで過ごしたのは確かだが……運が良かったんだか、悪かったんだか」


 麦畑の漫画のネタ集めインタビューという体の雑談で、俺はライザー活動の現状を彼に伝えた。
もちろん、地下階層の事を含めて。
なんとなく、彼には話しておいても大丈夫だと思った。


「なるほどなあ、ユグドラタワーには地下世界があったんだな」


「俺の話を信じてくれるのか?」


「いやまあ、タワーが現れてまだ10年だからな。大昔からこの世界にある古墳の内部や南極の大穴すらも未だに調べきれてないんだ。10年やそこらで仕組みや構造が分かるわけないだろ」


「おお、さすが漫画家。文系っぽい考え方だ」


「どっちかというと理系っぽい分析だと思うが……」


「そうなのか?」


「はっはっは。高卒フリーターには区別がつかないか」


「イラストの専門学校卒じゃ絵の上手さ以外は俺と変わんないだろ」


「たしかに」


 いや『たしかに』で良いのかよ。
絵描く以外にも色々勉強してるんじゃないのか? 知らんけど。


「それにしても、新人ライザーのコハルちゃんとやらを助けただけでは飽き足らず、ピクシード族のパモチちゃんにエルハイド族のフェーンちゃんまで……和取おまえ、モテモテじゃないか」


「麦畑、俺の今までの苦労話を聞いたまとめがそれなのか?」


 スライム1万匹倒してようやくフロアキーを手に入れた話とか、巨大ゴキブリと激闘した話とか色々したはずなんだが……


「スマンスマン。僕がアシやってる先生の漫画がラブコメ寄りのローファンタジーなもんでな。『いい? ミツルちゃん。ラヴの波動を感じたらどんな些細な事でもメモってアタシに報告よん』ってキツく言われてるんだ」


「麦畑が世話になってる先生って、たしか右肩ダンプ先生だよな……前に男の人って言ってなかったか?」


「見た目は筋肉モリモリマッチョマンの変態でも、心は乙女なんだよ」


「そうか」


 まあ、その辺りはあまり深く突っ込まないようにしておこう。


「新人ライザーの主人公がユグドラタワーの地下で出会った、異種族の美少女たち。そして訪れるパンチラ事故、更衣室でバッタリ、ドキドキ混浴イベントの数々……よし、次回作はこれで行こう」


「いや行くなよ。ユグドラセンターに集う人たちの人間模様がどうたらってのはどうなったんだ」


 麦畑、やはり右肩ダンプ先生のアシスタントをしているうちに色々と影響されてしまっているのかもしれない。


「まあでも、自分で考えといてなんだがユグドラセンターに焦点を当てた群像劇よりライザーとモン娘のハーレムラブコメの方が需要あるぞ」


 アラレちゃんみたいな瓶底デカ眼鏡のフレームをクイッと上げてモンスター娘の需要を力説する麦畑。
そっち方面全然詳しくないから需要があるのかどうかが俺にはイマイチ判断できなかった。


「モン娘ラブコメ界隈に金脈が眠っているっていうのは一応分かったが、俺の経験がモデルになるのはなあ」


「今のところメインヒロインはピクシード族のパモチちゃんだな」


「大穴狙いだなオイ」


 この時の俺はまだ知らなかった。
後に麦畑ミツルこと、ペンネーム『巣雷ムゥ』先生が描いた『YouぐどLOVEるっ!』がとある出版社の公募で新人大賞を取り、アニメ化までされる人気作になることを……



 
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