ダンジョン塔の地下迷宮~俺だけ入れる激レア階層を駆使して最強を目指す~

ふぃる汰@単行本発売中

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第2章 地下2階層

51話 レッドイノシーク

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 イノシークが根城にしている岩山近くの畑からエルハイド族たちを解放した俺は、中にまだ捕まっているエルハイド族がいるということで、岩山の内部にあるイノシークのアジトを探して攻略を進めていた。


「……どうやら大丈夫みたいだな」


 先ほどの戦闘でこちらに気付き、中から増援が来るかと思って身構えていたが、今のところ他のイノシークが出てくるというようなことはなかった。
エルハイド族に畑作業をやらせている見張りも2人だけだったし、俺が思っているより数は多くないのかもしれない。


「それにしてもこれは、なんというか……鬼でも住んでそうな雰囲気だな」


 地下2階層にある岩山は、元からこういう形をしていたのかイノシークが加工したのかは分からないが、登っていくと所々階段のようになっていたり、ちょっとした部屋のようになっている、いわゆる鬼の岩屋のような場所が結構ある。
結構あるのだが、加工して作ったというのであればだいぶ大雑把なつくりというか、頑丈なこん棒でぶっ叩いて段々を作ったり、岩を適当に粉砕して部屋として使える穴を開けたような感じ。


 パチパチパチッ!


「うわっ! って、なんだ焚き火か……びっくりしたー」


 巨大な石が重なって屋根みたいな感じになっている場所の下にまだ火がくすぶっている焚き火跡のようなものがあり、その中でドングリか何かの木の実がはじける音がした。
岩山とはいえ、火の始末はちゃんとしようぜ……


「ブヒ?」


「あ」


「ブッヒイイイイイイイイ!!」


「奥にいたのかよっ!?」


 俺の驚いた声を聞いて石屋根の死角、焚き火跡の奥から1匹のイノシークが現れる。


「って、なんだコイツ……体毛が真っ赤だぞ」


 石屋根の下から這い出てきたのは、通常の薄茶色の体毛をしたイノシークではなく、真っ赤な体毛を持つ赤鬼のようなモンスターだった。


 【レッドイノシーク】
・生息地:地下2階層
・ドロップ:緑の魔石、鬼猪の牙


「レッドイノシーク……そのまんまだな」


 ドロップアイテムは通常のイノシークと変わらないし、ブラックジェットローチの小型・中型・大型みたいな感じで種族としては普通のイノシークと同じということだろうか。


「ブッヒヒヒイイイイイイ!!」


「おっと」


 寝ていたところを起こされて機嫌が悪いのか、適当に両腕を振り回しながら追いかけてくるレッドイノシーク。


 ドガガガガガガガガッ!!!!


「……なるほど、パワータイプね」


 相手の攻撃を避けると、近くにあった岩に攻撃が当たり、瓦割りのような感じで岩が真っ二つに粉砕される。
動きが俊敏になっているとかは無いので、おそらくコイツは通常のイノシークよりも攻撃力に特化した個体なのかもしれない。


「まあ、それなら余裕だな……当たらなければどうってことないからなっ!」


「ブッヒィッ!?」


 両腕を振り回しながら暴れた後に脳震盪でも起こしているのか、数秒の混乱タイムに入ることが分かったので、そのタイミングを狙って懐に突撃し、コアがあるであろう腹部を攻撃する。


 ドゴォッ!! バッキイイイイイイン!!!!


「ブッヒィイイイイイイ……!!」


 …………。


「よし、討伐完了!」


 レッドイノシークを討伐すると、大きな牙のような物が1本その場に残っていた。


「鬼猪の牙か……通常個体よりも一回り大きいかな?」


 魔石と違い、モンスターの素材は大きさや品質の情報が表示されないので今までに手に入れた鬼猪の牙と違うのかどうかは分からない。
もしこれをクラフターにでも渡して武器を作る機会があったら聞いてみるか。


 ドスドスドスドス!!


「ブヒ!?」


「ブッヒイイイイ!!」


「いや結構いたなあ……」


 今回の戦闘は他のイノシークにバレずにこっそりとはいかず、周りの岩陰から数匹のイノシークがのそのそと這い出てくる。
どうやらこの辺りは彼らの寝床だったようだ。


「うお、青いイノシークもいる! これもう赤鬼と青鬼じゃん」


 こうして俺はイノシークの根城で本格的に侵入者と認定され、襲いかかる寝起きのブタ男を魔石と素材に変えていくのだった。
ちなみに青いイノシーク……『インディゴイノシーク』は若干防御が堅かった。


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